検証!netgeek「共同通信記者が盗聴器を設置して加計学園の話を盗み聞き」は真実か?フェイクか?

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検証!netgeek「共同通信記者が盗聴器を設置して加計学園の話を盗み聞き」は真実か?フェイクか?

netgeekの掲載した記事

共同通信社は12日、加計学園事務局長と愛媛県庁幹部が面会した際、非公開の会議室に録音状態にしたICレコーダーを置く不適切取材があったとして、大阪支社編集局社会部の記者をけん責の懲戒処分、松山支局記者を厳重注意処分としたと発表した。
参考:不適切取材で記者2人処分=共同通信:時事ドットコム

この問題をバイラルメディアnetgeekは『【炎上】共同通信の記者2人が盗聴器を設置して加計学園の話を盗み聞き』というタイトルで報じ、詳細は明らかにされていないとしながらも不正確な情報を憶測と捏造で掲載している。
当サイトで産経新聞やテレビ朝日の報じた内容と見比べると、netgeekの記事内容とは全く異なる内容であることが判明した。

netgeekが創作・捏造した部分

まず、誤解のないように説明しておくが、共同通信記者が会議室にICレコーダーを置いて非公開会談の内容を不正に知ろうとしたのは事実である。ただし、netegeekに記述されている内容はどの報道とも異なり恣意的で、事実は歪められている。

無断録音が行われた状況

netgeekはタイトルで「盗聴器を設置して加計学園の話を盗み聞き」としている。
しかし、記事の本文では若干ニュアンスが異なっている。

明らかになった事態はこうだ。加計学園幹部が愛媛県幹部と面会する会議室において先輩記者(大阪社会部)が後輩記者(松山支局)に盗聴するように指示。後輩記者はICレコーダーを録音状態にして隠し置いた。

だが、ICレコーダーは回収されなかった(できなかった?)。その後、愛媛県の職員が発見(?)し、盗聴がバレてしまう。記者にはそれぞれ懲戒処分、厳重注意という処分が下された。

タイトルで釣るのはネットニュースの常なので仕方ない部分はあるが、現場の状況に関して産経新聞の記事では「盗聴」や「隠し置いた」というニュアンスの内容はない。

 社内調査によると、取材は冒頭の数分間だけ許可され、その後はカメラの脚立などを除き会議室から持ち出すよう報道陣は県側から説明を受けていたが、大阪社会部記者が録音を促した。後輩の松山支局記者は従わざるを得ないと考え、レコーダーを会議室の椅子に置き退出。問題ある行為と認識していたことから、回収はしなかった。
出典:共同通信、大阪支社編集局社会部の記者ら2人処分 不適切取材で – 産経WEST

比べるとnetgeekの創作と思われる点が見えてくる。


netgeek
・盗聴するように指示
産経新聞 他
・録音を促した

広義の盗聴であり許される行為ではないが、正確には「非公開である会議を無断で録音するよう促した」であり、スパイ映画のような盗聴とは異なる様態である。


netgeek
・ICレコーダーを録音状態にして隠し置いた
産経新聞 他
・レコーダーを会議室の椅子に置き退出

netggekの記述では、まるで記者が会議室に侵入するなどして盗聴器を仕込んだような表現だが、そのような表現はどの報道にも見当たらず、テレビ朝日が公開した当日の様子を見ると取材陣数十人が冒頭の部分を撮影するために入室している。この状態で「隠し置いた」とは思えない。
検証!netgeek「共同通信記者が盗聴器を設置して加計学園の話を盗み聞き」は事実に反する創作記事

出典:共同通信社の記者 非公開会議を録音したとして処分(18/06/13) – YouTube


netgeek
・ICレコーダーは回収されなかった(できなかった?)
産経新聞 他
・問題ある行為と認識していたことから、回収はしなかった

この部分は完全に捏造である。
どのニュースソースを見ても「問題ある行為と認識していたことから、回収はしなかった」と記述されており、netgeekは故意にソースを示さずこの部分を捏造している。また、会談冒頭部分の撮影が終わった後に取材陣は退出させられているが、カメラの脚立などは置いたままであった。これは「再度入出」することを前提とした対応であり、ICレコーダーの回収は容易であったはずだ。

まとめ 相変わらずデタラメ

明らかにnetgeekはソースから情報を省いたり改変を行い、実際の現場と異なる状況を演出している。共同通信記者の行為は許されるものではないからこそ正確に伝える必要があり、悪いことをしたから捏造で叩いて良いということにはならい。
フェイクニュースが社会問題となっているが、最近では今回のような「事実に嘘を付け加える」といった手法が目立つ。ネットユーザーを中心に報道機関への不信感が高まっていることは事実だが、それ以上にネットメディアへの不信感は高まっている。netgeekもそろそろ潮時ではないだろうか。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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