『粉飾の「ヒーロー」、堀江貴文 彼がいまだにわかっていないこと 』を読んだよ


粉飾の「ヒーロー」、堀江貴文 彼がいまだにわかっていないこと
粉飾の「ヒーロー」、堀江貴文 彼がいまだにわかっていないこと
ライブドア株主被害者に関しては、いろいろと誤解もあるようなので「株は自己責任」の一言で片付けている人なんかは読んで損はないと思います。

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堀江貴文著「ゼロ」のパクリ?

一部では本のデザインなどについて批判の声も上がっているようですが、たしかに堀江氏の著書『ゼロ』を完全に模したデザインはいただけません。
内容はライブドア事件と株主被害者弁護団の訴訟の記録であり、堀江氏の著書『ゼロ』との関連本ではないのですが、誤認して購入した人もいるでしょう。
ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく
そっくりですね。

おそらく、堀江氏の著書『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』が好評で、堀江氏自身のtwitterでも多くのコメントが寄せられてることへの皮肉の意味が込められているのでしょう。

本書の概要

今回キンドル版で購入し読んだ『粉飾の「ヒーロー」、堀江貴文 彼がいまだにわかっていないこと
内容については、堀江氏の傾倒する人たちからは「パクリデザイン」「恨み節」と批判されています。
実際にデザインはパクリと言われて仕方のないもの。
内容も「恨み節」が延々と続きます。
しかし、なぜ恨み節に至る「恨み」が生じたのかということも押さえておく必要があるでしょう。
「株は自己責任」というのはごもっともな意見です。
しかし、あくまでルールの範囲内での自己責任でもあります。
この本の中では、マスコミがほとんど伝えない法的根拠も示されています。

マスコミが伝えない法的根拠

2004年に法改正され「有価証券報告書に虚偽記載が明らかになった日の前後1カ月の平均株価の差額を損害額と想定する」ということ。
要するに、法で損害額が決められているということです。
損害とは、株の売買で生じる、自己責任の損益ではありません。
不法行為による損害なのです。
にもかかわらず、株主は「ライブドアマネーに目が眩んだ強欲」と社会から批判を受けたのです。
確かに、ライブドアの手法に疑問を抱きライブドア関連株を警戒していた人も多く、回避することも可能だったかもしれません。
それでも前述の法的根拠がある以上、不法行為によって生じた損害は賠償されるべきであることは間違いないでしょう。
この事実だけでも、この本を読んでよかったと思っています。

延々と続く恨み節

前述の『法的根拠』だけで読む価値があるのですが、絶賛できる内容かというとそうでもありません。
わずか100ページ程度の本ですが、とにかく読みにくく何度も中断し挫折しそうになりました。

前半は延々と被害者の「恨み節」が続きます。
生の声を伝えたいという意図から被害者の語りをそのまま記述したように思えるのですが、似た内容が「この人も、あの人も」と連続するのは読むに堪えない構成です。
それは承知で、多数の被害者の声を伝えたいというのもわからなくもないですが・・・

後半には裁判の内容や経緯が克明に記されています。
なかなか読みごたえがあると個人的には感じましたが、いかにも弁護士が記録した内容という感もあり、言葉の意味や意図が掴みづらいかも知れません。
そのあたりで、裁判の敷居を上げている実情がうかがえるとも言えますが・・

話を前半に戻しますが、恨み節と言われる内容には少し疑問を抱く内容も含まれています。

増築含め7千万かけた自宅を売却、1千万にしかならなかった

被害者の実情や思いを伝えたいのはわかりますが、自宅の売却価格が低いのは堀江氏の責任ではありません。
増築したという事は築年数も経っているようで、一戸建ての売却価格はそんなものでしょう。しかも、個人的に増築した物件は評価低いのが普通です。

株の原資は子供の学費や生活費だった

これは完全に自己責任でしょう。
子供の学費を、事件がなくともすっ飛ぶ危険性がある株に投資したのはご自身であり、堀江氏やライブドアに関係も責任もありません。
事件がなくとも損失は有り得るということは想定の範囲内であり、それにより生活が破たんするほどまでに落ちたのは自己責任です。
損害は賠償されるべきですが、その損害の影響範囲はご本人の責任によるところが大きいように思えます。
株購入の原資がなんであったかまで堀江批判の材料にされては氏も堪ったものではないでしょう。

細木数子が株価が上がるとテレビで発言した

論評するのも恥ずかしいレベル。

謎の貧乏自慢

被害者の一人が貧乏な家庭に育ったことなども人にいう事ではありません。苦しくとも必死で育てたくれた親に失礼です。

ホリエモンのTシャツを批判

堀江氏が収監される日に着ていた『GO TO JAILおじさん』Tシャツ。
http://smalldesign.jp/?pid=32471014
これを批判しているのは意味不明。
自分と同じ罪状で自分より桁違いの粉飾を行った有力財界人は収監されず堀江氏だけが実刑判決を受け収監されるのは明らかにおかしい。
あいつもやったから自分も許されるなんていう意味ではない。
全員刑務所に行くべきなのです。

ホリエモンを「大きく」したのは誰か?

ライブドア事件で堀江氏は収監され服役後、社会復帰している。
そして新たな堀江貴文がまたマスコミに持て囃されている。
しかし、自身の刑事罰は償っても株主被害者への償いは終わっていない。
それが伝えたかった本なのでしょうが、表紙デザインが無用な誤解と批判を誘発しちゃったんじゃないでしょうか。

そして、マスコミが時代の寵児として持て囃しヒーローに仕立て上げた責任もありますが、堀江貴文氏を最も持て囃し、自身の生活費までもつぎ込むほどの資金を提供し巨大にしたのは『株主』です。
私から言わせれば、彼の株を所持した『株主』は経営側の人間である。株主がいなければライブドアは成立しない。
その株主が「テレビが持ち上げ、それを喜ぶ人間」と他者を批判するのはおかしくないですか?

なんだか全体的にこの本をdisった感じになりましたが、読んでおくべき一冊であることは間違いありません。
アマゾンのレビューでは、読まずしてレビューで批判する豪傑がいらっしゃいますが、文句は読んでから言いましょう。

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