昆虫密輸はなぜ逮捕されないのか?


相も変わらず昆虫密輸は横行しているようだ。

2009年10月30日以降、段階的に外国産ハナムグリの一部が輸入可能となった。
実際に市場に出回り始めたのは2011年11月あたり、この間2年もの空白期間がある。
空白の2年間にも外国産ハナムグリが頻繁に密輸されアングラで取引されていた事は周知の事実と言って良いでしょう。

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一部の種が規制無しとなった事が知れ渡るとアングラマネーが下落することは必至であり、その補填は現在も規制種となっている密輸種の拡販で補われることが予想されます。
実際に昨年末あたりから規制種や規制種と思われる種のブログ記事などが急増し、なかには密輸をほのめかす記事も多くなっている。

逮捕されないことを合法と勘違いしている人も多いが、やはり違法は違法、密輸は密輸。
では、これらの人物はなぜ逮捕されないのか?
結論から言うと「逮捕しない」からである。
言い訳として「証拠不十分」などが毎度挙げられるが、これはおかしな話だ。
現行犯逮捕以外に嫌疑のかかる事案に関して捜査するのも警察の仕事なのだから。
植物防疫所が警察の捜査にあたる類似行為が出来ないことは法律で定められているが、それは警察に協力を求めることが責務とも解釈できる。
実際に過去、逮捕に至った3件も発生から逮捕まで数ヶ月間かかっており、警察による長期の捜査が行われたとことがうかがわれる。

有名な事件としては兵庫のカタモン密輸(ゴライアス)だが、直後に大阪のサザナミ密輸(ゴライアス)で2例目があるのは意外と知られていない。
3例目となる奈良オオのパプアミツノカブト密輸はその後、数年間4例目は誰か?噂されるほど有名な事件だ。
しかしそれ以降、実に7年間も逮捕者は出ていない。
これは3件の事件自体が「異例」といわれる事情で逮捕に至った事に原因があるのではないだろうか?
これらの3件が外来生物法の施行に関わる捜査だった事は噂されていたが、外来生物法施行の前後短期間に3件が集中するという事実からして、それは「噂」だけとは言い切れない。
ようするに、この3件は外来生物法という新しい法律施行という「異例」の状況だからこそ捜査され逮捕に至ったのではないだろうか。
外来生物法の施行にあたり、どのような力が働いたかは予想できるがここではあえて割愛しておく。

やはり今後も逮捕はされないのか?
これは密輸する側も学習しているようで困難になっている。
過去に逮捕された3件はいずれもネットオークションに出品されており、警察がその気になれば履歴を照会し取引の実態が証拠として押さえることができたのが大きな要因だ。
いままで昆虫専門誌広告などで「現地撮影」という陳腐な言い訳が通用したが「オークションに出せば逮捕される」というのが通説となったようだ。
前述のとおり植物防疫所が直節捜査・逮捕はしないが、密輸と疑わしき事実が発覚したにも関わらず水際で放棄させるという対応にも疑問が残る。
植物防疫所は「繰り返し悪質な場合は告発している」とのことだが、常習か初犯か、悪質かどうかは警察の捜査により証拠が集められ、その後、司法により判断が下されるのが筋ではないだろうか。

過去の記事にも書いたが、植物防疫法は他の法律や貿易問題など政治的な判断に翻弄されているとしか言いようがない。
植物防疫法で規制なしとなることが特定外来生物指定の原則と言え、環境省の意向に左右されるともいえるので今回のハナムグリ輸入開始は無視できない。
しかし省庁間の縄張り争いやプライドもあり、時に暴走とも思える強攻策に発展することがあるので、今後の植物防疫所の動きは予想できず未知数であるとも言える。
「植物防疫法(農林水産省)が機能しないから外来生物法(環境省)がやる!」
こう言われたら農林水産省のプライドは?縄張りは?という流れにもなりかねません。

しかし我々昆虫愛好家が肝に銘じ留意しなければならないのは
「逮捕されるか?されないか?」ではなく、
「違法か?合法か?」「モラルや自己の正義に反しないか?」であることを最後に付け加えておく。

参考記事出典
トラフィックイーストアジアジャパン ニュースレター
http://www.trafficj.org/publication/newsletter/TrafficNewsletter212.pdf
http://www.trafficj.org/publication/newsletter/TrafficNewsletter211.pdf

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