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放虫を勧める残念な人たち

      2015/05/02


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ここにゴミをポイ捨てしようとする人がいたとする。
「ひとりがポイ捨てしても街は汚れないから捨ててもいいよ」
と言う事が間違っていることぐらいは誰にでも理解できるはずだ。

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これが理解できない人間がYahoo!知恵袋にはウヨウヨしている。
Yahoo!知恵袋の問題は先日の記事に書いた通りだ。
「Yahoo!知恵袋が危ない」
http://ksl-live.com/blog367

Yahoo!知恵袋では、相も変わらず日々続々とデマ回答が投稿されている。
その中でも酷いのが、この時期になると過去質問を検索もせず、何度も質問される定番「国産同産地放虫の是非」というのがある。
安易に繁殖した個体が羽化し始め、もてあました個体を放虫して良いか?という愚問だ。
昆虫専門サイトなら問答無用で「NG」とされる問題である。
しかしYahoo!知恵袋ではそうはいかない。
質問者は増えた昆虫をもてあまし、なんとか放虫したいと思っている。
しかし良心が痛む。だから誰かに「放虫していいよ」言って背中を押して欲しいのだろう。
生き物を飼うものとしては最低の考え・行動である。
そして回答者はベストアンサー欲しさに質問者の望む回答を投稿する。
だから「放虫容認」などという馬鹿な回答が投稿される。
この腐った負のスパイラルシステムからは腐臭すら感じる。
なかには「放虫反対だけど問題ないでしょう」とか「放虫は飼えないときの最終手段」などと、反対派がベストアンサー欲しさに曖昧な答えをする見苦しい内容も見受けられる。

私は過去に「私が国産種も放虫するべきでないと思う理由」
http://ksl-live.com/blog329
という記事を書いたが、これとは別の角度で国産種放虫の問題点を提起したいと思う。

国産種放虫が問題ないとする人の言い分は例外なく「同地域なら遺伝子撹乱がない」「少量で問題がない」という狭い視野による誤解だ。
まず「遺伝子汚染がない」についてだが、これは間違ってはいない。
同種であり局所的変異が見受けられない以上、遺伝子汚染は考えられない。
外観的に現れない遺伝的要素にしても、個体の移動可能範囲であるならば同様の遺伝的要素をもっていると考えられる。
しかし問題は遺伝子だけか?
自然界では淘汰されるはずだった個体が人工飼育下で生き延びている問題は?
自然ではありえない豊富な栄養を独占的に摂取した個体は自然個体と同等か?
幼虫期間で淘汰、調整される個体数に人工飼育個体数を投入する問題は?
数えだしたらきりがない。
ではなぜブリーダーは「遺伝子汚染がない」の一要素だけで判断してしまうのだろうか。
答えは意外に単純で「同産地ブリード」を好む人間目線の価値感でしか自然を見れていないからだ。
自然のことなど実際には考えておらず、自分が手にした個体が「異産地交配」でなければいい、というエゴイズム以外の何物でもない。
こういったエゴに凝り固まってなければ、他の要素も考える事ができただろうに。

もうひとつの「少量で問題がない」についてはズバリ「無知」である。
「少量」を仮に定量とした場合、この定量はどうすればコントロールできるのか?
自ら、もしくは特定の一人の放虫数を把握して「少量(定量)」としても、社会全体に同様の考えと行動をとる可能性がある人間の数は定量的に測定する事が極めて困難である。
定量的に測定することは困難であっても、頻繁に同様の意見が発生がする場合は「多数」として危険視しておくのが妥当とも言える。

極めて稀な場面で緊急避難的判断で行う放虫を「マイノリティ(社会的少数者)」とした場合、対する「少量くらいなら」という安易な放虫は「マジョリティ(多数者)」もしくは「サイレントマジョリティ(物言わぬ多数派)」となる。
なぜなら、ある一人が「少数」という定量を使っても、他の個人の定量は減らないからだ。
要するに「個人への可」は「全体への可」を意味するのだ。
個人の放虫をネット上で「可」とすると同じ境遇の人への「可」となり、定量的コントロール不能なまま、放虫増加という事態を招きかねないのだ。
法律で厳しく規制される行動ならば「犯す者」をマイノリティとすることも不可能ではないが、倫理観や道徳心、生態系に対する理解度は法では取り締まれない。
また同様に「犯す者」を定量的かつ公平に「許す」ことも不可能とも言える。
厳しい法律をもってしても犯罪数は上下し、時には爆発的に増加する。
これが、個々人の行動を定量的にコントロールする難しさを如実に表してもいる。
全体へ「不可」を定義してもコントロールし難いのに個人へ「可」などありえないのだ。

これらの理論「一人くらいの危険性」は本来幼年期に自然に学ぶはずの「道徳」であるが、残念な事に道徳心を持たない大人が増えてきているようだ。

こんな例を挙げるのも馬鹿馬鹿しいが…

昔ある村で祝い事をするとき、村人が一杯ずつワインをカラの樽に入れることになりました。
祝い事の当日、ワイン樽から注がれたのは「水」でした。
村人達が「自分一人ぐらい水を入れてもバレないだろう」と皆が水を樽に入れていたのです。

これが社会(人)を定量的にコントロールすることが困難で、個人の行動が社会の縮図であるという代表例です。
童話レベルならYahoo!知恵袋のデマ回答者さんでも理解できますでしょうか?

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