「高校野球は残酷ショー」というド直球な指摘にどう答える?


野球
高校野球は「残酷ショー」か?
私は高校野球に限らず日本の学生スポーツは、若者が苦しみ危険を犯し、そして壊れていく姿にメディアが“感動”という演出を加えたエンターテイメントと化しているものと思ってます。
そのあたりを松谷創一郎さんが非常にわかりやすい記事にしています。
高校野球を「残酷ショー」から解放するために――なぜ「教育の一環」であることは軽視され続けるのか?(松谷創一郎) – Y!ニュース
具体的に問題点を指摘されていますが、高野連やメディア、教育者はこの問題にどう答えるのだろうか。

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残酷ショーの境界線

松谷さんの記事では、いかに球児が酷使され将来への悪影響がある状態かをデータで示されています。
一方で、「危険だから」「悪影響だから」といって制約を設けることへの違和感や反感をもつひともいるでしょう。危険だからという理由で禁止するなら、ボクシングや柔道はできません。硬式野球も当たれば死亡事故も考えられれる硬球を、バッターからわずか数十センチのスペースへ全力で投げ込む“危険”があります。
ここで重要なのが、禁止するか野放しか?という二極論に陥らない事です。
大半の学生スポーツが、教育現場である学校単位でチーム形成しているということは、それ相応の教育効果が認められているということ。この効果を根底から摘み取ってしまわないためには、課題に対する「対策」が重要となります。
この対策を考えるにあたって学生の安全と将来が軽視され、観戦する人々が「楽しめるか」を考慮されることが多く問題を複雑にしている。
危険だからと言ってなんでも規制する大人が若者を弱体化させているなら、「楽しいから」「感動するから」という理由で若者を危険にさらす大人は若者を強くしているのだろうか?私はそうは思わない。
これは残酷ショーを楽しんでいるに過ぎず、ショーにより傷ついた若者が後も苦労する姿は「感動」という二度目の残酷ショーの材料にされるという、救いようのない無慈悲な大人の所業である。
タイブレーク制を採用しないのも”観戦者”の楽しみを維持するためでしょう。
観戦者の「楽しみ」と学生の「安全」を天秤にかけた時点で『残酷ショー』への境界線を越えているといって過言ではないでしょう。

有効な手段をうつ努力

ここまで学生に「努力・根性」を押し付けるなら、大人たちはどれだけ学生を守ることへ努力しているのだろうか?
記事の中でアメリカでの取り組みが取り上げられているが、同じYahoo!ニュースにこんな記事も掲載されています。
暑さ慣れ期間を設定。米国高校運動部の熱中症対策。(谷口輝世子) – Y!ニュース
こういった安全対策が日本では遅々として進まない理由として、金銭面の負担がある。ならば資金確保にもう少し尽力してもらいたい。
松谷さんは記事の中で資金のプランまで提示している。その記事の中で一番衝撃だったのがこの一文。

最後にあげられるのは、放映権料をちゃんととるということです。NHKが全試合を放映するのは地方のことも考えた公共放送だからですが、いくらなんでも無料というのは不可解です。1500万円とはドラマ1本の製作費と同程度なので、なんとでもなると考えられます。
出典:高校野球を「残酷ショー」から解放するために――なぜ「教育の一環」であることは軽視され続けるのか?(松谷創一郎) – Y!ニュース

これは大会運営側の怠慢と、NHKの傲慢さがなせる業。
営利がすべてとは言わないが、この「放映権料ゼロ」も残酷ショーの一部ではないだろうか?資金が豊富であっては残酷性=感動が半減するという、無責任な観覧者もこういった問題をスルーしていることがことを悪化させている。

強豪校は教育の成果ではない

一方で学校側は野球を学校の宣伝材料とし、多額の資金をつぎ込み設備を整え、有力な選手を集めてまで甲子園出場を目指している。強豪校という練習環境はレベルの高いもの同士が競い合い、共に伸びるというメリットもある。
しかし、その環境と設備は大人たちの過大な要求となって、生徒を苦しめている。こうなると生徒たちの「夢」は大人たちからの「プレッシャー」に置き換わり、さらに体を酷使する。
夢をかなえるために必要な自分の体を、大人たちのプレッシャーにより酷使し続け、揚句には壊れてしまうという本末転倒な環境だ。

まとめ

ようするに「大人もやることやれ」ってことです。
そして、起きたことに責任を取るということ。
残酷ショーを「感動」とすりかえて、学生を壊すような指導者は責任をとれ。
高校野球だけではない、他のスポーツもまた然り。
脱水症状でフラフラになり、まっすぐ走れないどころか歩くこともままならない状態でも、競技をストップできない風潮のある駅伝。
受け身くらしか役に立たないのに「投げ」を教える学校授業での柔道。
科学的根拠のないトレーニングや、辛いだけで効果のない練習メニュー。
大人たちが根拠や道理を無視し、「残酷ショー」に興じると生徒たちもそれに倣い、理不尽な暴力や意味不明な儀式で後輩を苛める。

全部、無責任な大人たちのせいです。
どのような理由であれ、生徒が救急車で搬送されたり通院を余儀なくされるような事態は避けなければならない。これが必要な対策を講じずに起きたならば、それは指導者や監督者の過失であり場合によっては罪に問われることも。

これを美談にして放置しておいて良いのだろうか。

今後はnoteで記事を書きます

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