選挙違反を取材も調査もせずに指摘したら自分が違反者になるかもよ

マスコミ・報道

インターネットを通じた選挙運動、いわゆるネット選挙をしている候補者とそれを見ている人達

さて、今日は2件の公職選挙法違反に関する取材・問い合わせを行いました。
どちらも記事にはしません。一件は違法性が確認できない案件で、もう一件は悪意もなく狡さを感じられないうえ、候補者ご本人がそのような人間ではないと判断したからです。ちなみにどちらも私とは異なる思想信条の方々です。
これは私個人のポリシーでもあるのですが、公職に立候補される方にはその人なりの正義感や、政治に対する憤りがあってチャレンジしているということを忘れないようにしています。それだけに、公職を舐めきって、金や名誉のために立候補しているとしか思えない候補者は見逃すことはありません。選挙中であっても記事にして批判を展開します。

昨年の参院選でも公職選挙法違反に関する記事を書きましたが、暴挙と言わざるを得ない違反であり選対スタッフの態度も実に不誠実でありました。
JR東日本が社民党に厳重抗議!福島みずほ、増山れなの暴挙に怒り

この件に関してはnetgeekが取材内容を丸パクリして記事にしていましたが、生半可な知識のうえ取材をしないで記事にしたため墓穴を掘る結果となり、ざまあみろ!と思った次第。

他者の違法性を指摘するには覚悟がいる

昨年、netgeekが私の取材結果と記事を盗用した件では、知識もないのに「電車内でタスキをかけるのは違反」という素人が勘違いしやすい実は合法である案件を付け加え、netgeekは多くの批判を浴びることになった。
電車内で候補者タスキをかけることは違法ではありません。公職選挙法では駅構内や敷地内での選挙活動は禁止されていますが、移動に電車を使うことは禁止されておらず、ただタスキを掛けているだけなら選挙運動や演説を行ったとは言えないのです。
また、「鉄道営業法」では、敷地内では選挙活動に限らず、ビラ配りや物品の配布、演説勧誘行為を禁止していますが、この法律でもタスキを掛けることを禁止とはしていません。
しかし、JRが鉄道を安全かつ円滑に運行する支障になると判断された場合は別です。問題となった福島瑞穂議員らの「タスキ着用乗車」に関しても支援者等が集まったり、ほかの乗客の迷惑になるような騒ぎも予想されるのでJRでは選挙タスキを掛けたままの乗車等を断っている。
このように選挙中だからといって、なんでも「公選法違反」と騒ぐのは間違っています。指摘をするならどの法律に違反しているかを正しく判断する必要があります。そうでなければ名誉棄損で訴えられることもあり、選挙妨害ともなりかねない。

本日取材した2件については過去の例や法律に照らしてみて、記事にするべきではないと判断しました。

一件目は某所で「事前の選挙運動と署名集め」とされる件でしたが、問題とされる書類を確認したところ、そもそも「署名」ではなく「紹介」という形で選挙に関わる内部の人間が任意で知人を紹介するものであった。
これが「○○さんが選挙に出ます。応援の署名お願いします」と本人に告げていたら様々な項目で違反となるが、そのような形跡も確認できませんでした。
政党の地区支部にも確認しましたが、署名ではなく書類そのものも選挙に向けた組織内での「内部文書」であり、選挙人に向けて投票を呼び掛けるようなものではありませんでした。

もう一件は「事前に特定選挙名と特定候補者名を挙げての応援」とされる件でしたが、これは完全に公選法違反と判断できる事案。
しかし、候補者本人に確認したところ違反の認識や支援者の発信内容までは把握しておらず、悪意は全くないと感じるものであった。ダメなものはダメなのだが、特段それが選挙に影響するほどのものではなく、候補者ご本人も違反に関しては指摘があれば改善したいという態度で熱心に話を聞いてくれる方であった。
これが選挙の抜け穴を知っていたり、捕まらないだろうという認識のもとに行われたのなら容赦なく記事にするが、そうではない誠実な候補者を叩くのは世のためにはならないでしょう。

私が過去に記事にした公職選挙法違反では、候補者もスタッフも含め不誠実で法の抜け道を探るような人間もいました。謙虚さの欠片もなく「何が悪いんだ!ほかの候補もやってた!」という暴言を吐く人も。
そういった裏の顔を見せる候補者がいるのも事実ですが、実際に話してみると思想信条が違っても尊敬できる方も多い。
取材をしないnetgeekのような自称メディアには分からないだろう。

公職の選挙に挑む候補者の熱意に勝るだけの取材や調査をしていない奴は、選挙に関する批判記事を書く資格はない。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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