デマ!福島瑞穂「政府が毒ガス使用容認を閣議決定」捏造記事を拡散

政治・社会

福島瑞穂がデマ拡散「安倍政権が毒ガス容認」

社民党の福島瑞穂参院議員が、安倍内閣が毒ガスなどの生物兵器・科学兵器を容認したという捏造記事を拡散している。
福島瑞穂議員が拡散した記事は、「情報速報ドットコム」というサイトが2016年5月1日に配信したフェイクニュースよりも劣る捏造記事。これを信頼ある最新のニュースと信じた人たちからは、安倍政権が「シリアの化学兵器使用を容認」というコメントも投稿された。

福島 みずほさんの投稿 2017年4月9日

今回拡散された捏造記事は実際の政府答弁書の内容とは異なるタイトルを記載し、その質問主意書を書いた人物が民進党の白真勲参院議員であることを隠している。そういった点を含めて、悪意ある捏造部分を事実と比較してみた。

白真勲に関する部分を削除

安倍政権が毒ガスを含む生物・化学兵器を容認したという事実が存在しないことは後程説明する。
まず、この「情報速報ドットコム」は、意図的に民進党の白真勲議員に関する部分を削除していることから、この質問主意書が政権批判材料を作る目的であったことを認識しているものと思われる。
「共同通信」が配信した記事は以下、
政府、化学や生物兵器否定せず 憲法9条で答弁書決定 - 共同通信 47NEWS

この共同通信の記事自体が若干悪意を感じるのだが、「情報速報ドットコム」の記事では白真勲参院議員が質問主意書を提出したことや、それが過去にも提出されていることが記載された部分を削除して引用している。
「情報速報ドットコム」の記事が以下、
【驚き】政府が事実上の毒ガス容認を閣議決定へ!「化学兵器や生物兵器の使用は憲法で禁止されていない」|情報速報ドットコム

白真勲参院議員はこの質問主意書の前に1回、これ以後に6回「尖閣の場合」「外国の領域の場合」と対象を変えながら執拗に質問主意書を提出し、閣議決定で毒ガスを含む生物・化学兵器・核兵器使用を政府が容認したかのような回答になるよう誘導している。
また、「情報速報ドットコム」で使用されている画像は閣議決定とは関係のない「治安・テロ対策調査会」による提言申入れ時の画像であり、ここでも白真勲参院議員の名前から目を逸らし、あたかも自民党の問題であるかのように演出されている。
参考:平成28年4月27日 自由民主党「治安・テロ対策調査会」による提言申入れ | 平成28年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ

実際の答弁書「使用しない」

実際の政府答弁書を確認すると、日本が生物兵器禁止条約の締結国であることを示し、同条約第一条を引用して「いかなる場合にも、生物兵器を開発せず、生産せず、貯蔵せず若しくはその他の方法によって取得せず又は保有しないことを約束する」「いかなる場合にも、化学兵器を使用することを行わないことを約束する」と記述されており、これをもって「生物兵器及び化学兵器を使用しないことは、国際法上、我が国が負っている義務」「我が国が生物兵器及び化学兵器を使用することはあり得ないとしている。
参考:答弁書第一〇一号 内閣参質一九〇第一〇一号

しかし、白真勲参院議員の質問主意書(参考1)は毒ガスの使用を容認するか否かではなく、憲法解釈に関するものであったため「あえてお尋ねの憲法第九条との関係についての純法理的な問題」としたうえで、「憲法上必ずしも禁じられてはいない」という、これより先に提出された主意書に対する2016年4月15日の答弁(参考2)を引用している。引用された答弁書でも「我が国は一切の核兵器を保有し得ない」とされている。
参考1:政府が集団的自衛権の行使を認める中での毒ガス等の化学兵器、細菌・ウイルス等の生物兵器といった大量破壊兵器の使用の憲法解釈に関する質問主意書
参考2答弁書第九七号 内閣参質一九〇第九七号

以上のように、安倍内閣が核兵器・生物兵器等を容認したという事実は存在せず、むしろそれらを否定する答弁であったにも関わらず、SEALDsの諏訪原 健らが曲解したツイートを引用するなどして作られた捏造記事であると断定できる。
福島瑞穂議員は、2017年4月4日にアサド政権が行ったと報じられた猛毒サリンによる空爆を政治利用し、一年も前の古いデマ記事を使って「安倍政権が毒ガス容認」という印象操作を行っているのだ。罪のない子供たちがサリンにより苦しみながら殺されたニュースを見て「チャンス、安倍政権批判に使おう」と考える発想が恐ろしい。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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