netgeekが障害者差別デマ「高額なギャラ要求、車椅子の人は講演で飯食わない」

政治・社会

【炎上】「バニラエアが車椅子の客を這いずり上がらせた」と報じられるも当たり屋と判明   netgeek

格安航空会社が、車椅子の男性の補助を認めず、タラップ(搭乗階段)を這って登らされたと朝日新聞が報じ、障害者差別との批判の声が上がった。しかし、事の全容が明らかになるにつれ、車椅子の男性が意図的に航空会社を悪者にしたのではないかと、疑いの目が向けられている。筆者から見ても、この男性の主張に関しては意図的なものを感じる部分もある。

だが、この問題を航空会社が100%の加害者で、車椅子の男性を100%の被害者とすること、またはその逆も、双方のみならず社会の為にもならないだろう。それぞれに思うところがあり、複雑な印象を持っている人も少なくないだろうが、男性の行動や言動を批判するにあたって、差別や偏見は絶対に許されないことだけは留意してもらいたい。

そんな中、自称バイラルメディア『netgeek』はこの男性を中傷する記事を3回に渡り掲載し「当たり屋」「普通の車椅子生活の人はまず講演活動で飯を食っていこうとしない」「モンスタークレーマー」「講演会で高額ギャラ要求」「ただの講演で雑談するおじさん」と中傷している。

講演料は高額であったか?

netgeekが掲載した中傷記事は以下の3件。
【炎上】「バニラエアが車椅子の客を這いずり上がらせた」と報じられるも当たり屋と判明
バニラエアで炎上した木島英登、過去に4回も搭乗拒否されたモンスタークレーマーだった
木島英登「プロ障害者として飯食ってるっていうのは実際そうです。顔がいい人がモデルで稼ぐのと同じじゃないですか?」

netgeekは、男性が講演活動をしていることに関し「普通の車椅子生活の人はまず講演活動で飯を食っていこうとしない」と批判している。健常者なら講演活動が認められ、車椅子で生活する人間が講演でギャラを得てはならないという言い分は差別である。障害者は慎ましく、国からの補助で最低限の生活だけするという恐ろしい偏見と差別からくる発想だろう。

また、男性が設定している講演料を「かなり高め」「稼いでいる」と批判しているが、実際に目安として示された価格帯は、世間一般の講演料相場に比べて格安設定である。しかも、netgeekは、不鮮明や写真を使用し価格帯の区分内容に意図的に言及していないものと思われる。

5万円 -  教育機関、勉強会など、限られた予算の場合です。
10万円 -  最も多い謝礼金額です。交通宿泊費込みで依頼を受けることもあります。
20万円 -  イベントなど、内容の録画、出版物への転載、広報宣伝など、二次利用がある場合です。
出典:http://www.kijikiji.com/self/koen.htm

最も高い講演料は「10万円」で、場合によっては宿泊費や交通費を込みにしている。仲介業者を介せば20万程度になるが、それでも登録されている講演者で最安の部類になっている。
また、自治体や教育機関などでは、講演料の上限が定められている場合があるので、教育目的など営利以外の依頼に対しては半額の5万円に設定されている。20万円の設定も、実際は講演料だけではなく、撮影して出版物などに使用する二次利用の金額である。
よって、この男性が設定している講演料の目安は10万円であり、教育機関などは半額と言う良心的なものである。にもかかわらず、netgeekは高額であるという事実無根の中傷を行っている。
講演内容に関しても「ただの車椅子で雑談するおじさん」と中傷しているが、講演内容はホームページで公開されており、対象に応じてテーマも変えている。ここまで嘘を並べ立てるとは常軌を逸している。

netgeekの記事の大半が、2ちゃんねる・まとめサイトなどからの盗用で、当サイトも度々被害に遭っている。それを「netgeek編集部の調査」と詐称していることは周知されてきたが、ネタに困って「差別」まで盗んでくるとは情けない。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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