KSL-Live!

メディア業界21世紀枠!KSLで背が伸びた!


虫を野に放す理由とは何か?

      2015/05/29

LINEで送る
Pocket

kabutomushi
先日、このポータルの昆虫ニュースでも配信したニュース
“夏に採取したカブトムシやクワガタ。自然に帰すときのルールって?”(nikkansports.com)
http://housing.nikkansports.com/news/f-hs-tp0-20130906-2013090751463.html
※元はSUUMOジャーナルで配信された記事

スポンサーリンク

飼育した虫を野に放す理由など考えられない

記事全体の論調としては「最後まで責任を持って飼育するのがマナー」という一般的なものである。
しかし、どうしても違和感を感じる一文がある。
「採取したものの家庭の事情などにより飼育が難しい場合
この一文だ。
現実問題として考えてみたら、たかが夏休みに少数飼育する程度のクワガタ・カブトが飼えなくなる事情ってなんだろう?
百均でも買える昆虫ゼリーでしばらくは問題なく飼育できるので経済的事情は考えられない。
疾病などによる衛生面の問題なら誰かに引き取ってもらえばいい。

これらの選択肢を超える「事情」ってなんなんでしょう?
ちょっと考えてみても思い浮かばない・・・
無論、風習や宗教儀式である放生会でもない。

極論ですが、生き物を飼うにあったっての覚悟って・・・
最後は自分の手で〆る、殺すってことなんです。

虫を野に放す理由など、言い訳でしかない。
「自分は想定外な事に見舞われた」
「これを期に自然に返してあげよう」
自己中心的なエゴイズム、こんなところでしょう。

ミクロでは少数でもマクロでは多数

過去の記事でも書いたが、一度飼育した昆虫を野に放す行為については、原則的にNGです。この放虫については「同種同地域の昆虫を少数なら問題ない」という意見があります。
これも事実だと思います。
ただ、問題となるのは、その「少数」という状態を “いつ” “だれが” “どのように” 保つのか?ということ。

少しくらい、自分だけなら・・・
この、個々の「少数」という発想が、社会全体となると「多数」となることは明白。「少しだけ」と、飼育昆虫を野に放す人が、どの地域にどれだけ存在するかを把握することは困難である。
要するに、社会の個々人の行動を定量的に把握しコントロールできないということだ。ミクロでは少数でもマクロでは多数となることの怖さはここにある。
マクロを日本全体とまで視野をひろげなくとも、地域という単位でも軽視はできない。地域での捕獲数と販売数、飼育下での繁殖数などからして相当数の昆虫が家庭で飼育されていると考えられる。
夏に昆虫を飼育することが一般的な日本においては飼育者数も多く、個々人での放虫数が2匹か3匹かの僅かな差ですら、致命的な事態を招きかねない。
多数が放たれるとなると、生態系において処々の問題が生ずることは否定できないでしょう。

学術的に考察して、同種同地域の放虫なら問題なしと主張する方もおられるようだが、その視野には「虫」しかなく、社会に棲む「人間」という生き物の行動と脅威が見落とされているように思えてならない。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします。

スポンサーリンク

LINEで送る
Pocket

 - 昆虫・生物関連 , ,

コメント

  1. ksl-live より:

    飼えなくなった昆虫どうしてます?

  おすすめ記事

no image
産卵木の水没は必要か?と実験依頼

非常に難しい問題です。 雑虫対策としての水没に関し …

外来生物法とザリガニとクワガタと・・・

今回は以下のニュースを元に、外来生物法とザリガニの …

no image
イン VS アウト論争の盲点

インブリード(近親交配)の弊害とはなにか? これら …

クワガタ・カブトはなぜ「余品」と呼ばれるのか?

「余品」 読み方は「よひん(余品)」または「あまり …

【動画有】地球外生命体?白蝋の綿毛、腹部には8対の脚がある生物

神奈川県鎌倉市の源氏山周辺のハイキングコースで奇妙 …

no image
被ばくで遺伝子に傷か=チョウの羽や目に異常

時事ドットコム:チョウの羽や目に異常=被ばくで遺伝 …

no image
エコかエゴか?カブトムシを撒く大人たち

環境教育と情操教育はリンクする部分が多い。 「エコ …

100%昆虫の力でスマホを充電する【神動画】

様々な昆虫(節足動物)が動力源となり、サーカスのよ …

【絶叫動画】巨大なタガメに女性が襲われる(襲わせる?)

タガメの飛翔能力を甘く見てはいけません。 タガメは …

no image
偽メール事件は創作茶番劇

人気昆虫誌が認定するクワガタギネス。 そのギネスブ …