虫を野に放す理由とは何か?


kabutomushi
先日、このポータルの昆虫ニュースでも配信したニュース
“夏に採取したカブトムシやクワガタ。自然に帰すときのルールって?”(nikkansports.com)
http://housing.nikkansports.com/news/f-hs-tp0-20130906-2013090751463.html
※元はSUUMOジャーナルで配信された記事

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飼育した虫を野に放す理由など考えられない

記事全体の論調としては「最後まで責任を持って飼育するのがマナー」という一般的なものである。
しかし、どうしても違和感を感じる一文がある。
「採取したものの家庭の事情などにより飼育が難しい場合
この一文だ。
現実問題として考えてみたら、たかが夏休みに少数飼育する程度のクワガタ・カブトが飼えなくなる事情ってなんだろう?
百均でも買える昆虫ゼリーでしばらくは問題なく飼育できるので経済的事情は考えられない。
疾病などによる衛生面の問題なら誰かに引き取ってもらえばいい。

これらの選択肢を超える「事情」ってなんなんでしょう?
ちょっと考えてみても思い浮かばない・・・
無論、風習や宗教儀式である放生会でもない。

極論ですが、生き物を飼うにあったっての覚悟って・・・
最後は自分の手で〆る、殺すってことなんです。

虫を野に放す理由など、言い訳でしかない。
「自分は想定外な事に見舞われた」
「これを期に自然に返してあげよう」
自己中心的なエゴイズム、こんなところでしょう。

ミクロでは少数でもマクロでは多数

過去の記事でも書いたが、一度飼育した昆虫を野に放す行為については、原則的にNGです。この放虫については「同種同地域の昆虫を少数なら問題ない」という意見があります。
これも事実だと思います。
ただ、問題となるのは、その「少数」という状態を “いつ” “だれが” “どのように” 保つのか?ということ。

少しくらい、自分だけなら・・・
この、個々の「少数」という発想が、社会全体となると「多数」となることは明白。「少しだけ」と、飼育昆虫を野に放す人が、どの地域にどれだけ存在するかを把握することは困難である。
要するに、社会の個々人の行動を定量的に把握しコントロールできないということだ。ミクロでは少数でもマクロでは多数となることの怖さはここにある。
マクロを日本全体とまで視野をひろげなくとも、地域という単位でも軽視はできない。地域での捕獲数と販売数、飼育下での繁殖数などからして相当数の昆虫が家庭で飼育されていると考えられる。
夏に昆虫を飼育することが一般的な日本においては飼育者数も多く、個々人での放虫数が2匹か3匹かの僅かな差ですら、致命的な事態を招きかねない。
多数が放たれるとなると、生態系において処々の問題が生ずることは否定できないでしょう。

学術的に考察して、同種同地域の放虫なら問題なしと主張する方もおられるようだが、その視野には「虫」しかなく、社会に棲む「人間」という生き物の行動と脅威が見落とされているように思えてならない。

今後はnoteで記事を書きます

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