KSL-Live!

いろいろ読める、メディア業界21世紀枠


国内希少種300種指定の論点と乱獲者の詭弁

      2015/04/11


LINEで送る
Pocket

tora
「環境省が2020年までに国内希少野生動植物種の指定に300種を追加する」
この報道がどうも勘違いされて一人歩きを始めているようだ。
批判の内容は主に、希少種指定に目標数値を設定するべきでないというもの。
なんとなく正論ではあるように思えるが、決定的な誤解がある。

記事の続きは下部へ

スポンサーリンク

以下の、WWFジャパンホームページに掲載された記事を参考にしてほしい。
改正された種の保存法は3年後に期待を抱かせるものとなった http://www.wwf.or.jp/activities/2013/06/1138004.html

ここで言われている「300種」という数値は、こじつけてまで300種を指定しようという事ではない。
現在、絶滅危惧種(環境省)は3600種とされながら、保護の対象となる国内希少種は僅か90種前後に留まっている。
かといって、3600種を無条件に指定することはできない。
指定にあたっては、さらなる情報収集と議論が必要ではあるが、時間の経過とともに絶滅も迫る。
この限られた時間と人員、経費のなかで、絶滅の切迫度の高い種はなんであるかを見極めながら300種の指定を目指そうという趣旨なのだ。
これは、3600種の絶滅危惧種の中からの300種であり、環境問題に熱心な団体・活動家からしてみれば「妥協案」という見方もあるでしょう。
これらが一部の人に誤解され、環境保護団体が非科学的に300種を絞り出そうとしているような論調が付け加えられて一人歩きしてしまっている。
その手の誤った情報を拡散する人がもう一つ誤解している事がある。
「無知なお上が勝手に・・・」
これは完全にデマです。誤解の域を超えています。
環境省には、民間人からの意見を受け付ける窓口もありますし、個々の案件に対してパブリックコメントも募集しています。
勝手に役人が机上で決めているのではありません。指定が妥当でないと主張するならば直接、環境省にデータを渡すこともできるのです。
※小池大臣当時の外来生物法は確かに強引な一面もあった。

ネットニュースでは、できるだけ広く一般にわかりやすい記事を書く必要もあり、詳細や専門用語が割愛されるため、趣旨が抜け落ちているものがあります。
特に、ニュースに少しのユーモアと皮肉をプラスする、話題優先記事には注意が必要です。
私自身の認識として、環境省が常に正しい判断をしているとは思わないし、人間の精神面が強調され生態系とは無縁な一部の動物愛護団体と、生態系保護を目的にする環境保護団体が、ごちゃまぜに入り乱れる現状にも不満がある。
私はどちらか一方に属する事は、冷静さを欠くことになるのでそれを控えている。

昆虫乱獲者の言い分

絶滅の危機と言えば、開発による生息環境の破壊・圧迫は主因といっても過言ではないでしょう。
しかし「乱獲」も見逃せない問題で、こちらも主因といってよいでしょう。
生息環境の破壊が主因と主張したり、そもそも数が減っていないという事を「完全匿名」でネットに流す人も多数います。
私はこの中に「昆虫乱獲経験者」がいるのでは?と思っています。
そのような主張は完全匿名である必要はなく、正当な主張なら環境省に向ければ良いはず。
自らの主張が形成される過程に、違法性やモラルに反する行為があったのでは?と疑ってしまいます。
最近、SNS等で話題になった「ヨナグニマルバネクワガタ」に関しても、実際は指定の必要がないという声もある。
ヨナグニマルバネクワガタが、どれだけ生息しているかなど私には数値化することはできない。
ただし、マルバネクワガタ全般に関しては、以前から乱獲が激しかったことは事実で、私が運営していたサイトでは取引を禁止したことがある。
指定前は「希少種」という宣伝文句で売っておいて、
指定されたら今度は「数は減っていない、環境省は無知」と言い出す始末。
こういった乱獲者の矛盾する意見もネット上には存在し、それらを安易に信用して引用するのもいかがなものかと。

また一部では、ワシントン条約や種の保存法を曖昧に解釈し、それらの規制が絶滅を招いているような事を書く暴論も見られる。
これは、日本のオオクワガタが絶滅しないというロジックと同じである。
オオクワガタは規制されていないので、自家繁殖数が多く絶滅の可能性はないというロジックだ。
しかし、その自家繁殖や販売するための乱獲、材割り採集による生育環境破壊により、自然個体数は激減し地域によっては全く見られなくなった例もある。
行政が、一般の飼育技術を種の保存に活用しきれていない事を曲解し、当てこすっているにすぎない。
規制種指定が絶滅を招くかのような、稚拙な逆説モドキは、ネタ程度に考えておいて間違いはないでしょう。

提案の窓口は開かれている 2014/09/27追記

本記事アップから1年が経過、環境省から以下の発表がありました。
環境省 報道発表資料-平成26年9月26日-(お知らせ)国内希少野生動植物種の選定に関する提案の募集について
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18694
希少種保護に関して「御上が勝手に~」など、事後になっての文句だけは一人前の人たちは提案するんでしょうか?

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします。

関連記事とSNSボタンは下部へ

スポンサーリンク

LINEで送る
Pocket

 - 昆虫・生物関連 , ,

  おすすめ記事

no image
自称東大大学院卒へ学歴詐称疑惑の弁明方法伝授

自ら学歴を語るということは修めた学が役に立っていな …

no image
【昆虫類】ツマアカスズメバチが特定外来生物に指定される

西日本新聞の報道によると、政府は9日ツマアカスズメ …

クワガタ・カブトはなぜ「余品」と呼ばれるのか?

「余品」 読み方は「よひん(余品)」または「あまり …

昆虫飼育で悪魔のウイルス?偏見と風評被害を助長する記事への反論

写真:怪奇!殺人甲虫事件 2015年2月27日Bu …

no image
論点整理とミミ氏への謝罪の要求

私がこれまで記してきた「ミミ氏」に関する意見は、以 …

韓国の珍説「日本人が名付けた韓国在来種の学名は変えるべき」とか・・・

【萬物相】日本人が名付けた韓国在来種の学名 Cho …

初心者にオススメ!amazonでクワガタ・カブトムシを買って飼育にチャレンジしてみよう!

クワガタムシの飼育 徹底ガイドブック―飼育の基礎と …

no image
昆虫誌2誌と自称昆虫誌も購入

今月の「月刊むし」「昆虫と自然」「昆虫フィールド」 …

昆虫少年の死生観とは?映画「僕はもうすぐ十一歳になる。」が見たい

この映画見られた方、いませんか? 非常に興味がある …

no image
昆虫密輸はなぜ逮捕されないのか?

相も変わらず昆虫密輸は横行しているようだ。 200 …