根拠ゼロ「内部告発でNHK幹部の圧力が発覚」共産党・山下芳生議員の取り上げた文書は出所不明の怪文書

政治・社会

根拠ゼロ「内部告発でNHK幹部の圧力が発覚」共産党・山下芳生議員の取り上げた文書は出所不明の怪文書

29日の参議院総務委員会において日本共産党の山下芳生議員は、NHK幹部がNHKの報道番組に「トップニュースで伝えるな、トップでも仕方がないが放送尺は3分半以内、昭恵さんの映像は使うな、前川前文科次官の講演問題と連続して伝えるな」などの圧力をかけたのではないかという質問を行った。
この質問内容は左派界隈で一気に拡散しているが、実際の質疑を確認すると山下芳生議員は確証を得ているどころか、告発とされる文書の真偽・出所すら確認していないことがよく分かる。
※6分50秒から10分48秒まで

山下芳生議員は文書について「内部告発」と断定はせず「NHKからの内部告発と思われる文書」「これは内部の情報だと思われる」と、文書の差出人がNHK職員や関係者とも名乗っておらず、山下議員自身がなんら確認を行っていないことが口調から読み取れる。

NHKでは「森友問題」のニュースが多数

最近のNHK報道内容を考えても、安倍政権に不都合なことを隠すようなことも見受けられず、どちらかと言えば安倍政権支持者からのバッシングを受けることの方が多い。財務省と森友学園の価格交渉を昨年スクープしたのもNHKであり、山下芳生議員が名指しした番組でも、森友問題を多く取り扱っている。
NHKのニュース一覧を確認してみても、森友問題と安倍政権を批判する野党幹部発言を積極的に取り扱っており、安倍昭恵夫人の話題も使われている。国会前デモも取り扱われ、どう見ても安倍政権に忖度している形跡は見当たらない。
山下芳生議員はこういった基本的な下調べもせずに委員会で発言しているのだ。
森友学園問題のニュース一覧 | NHKニュース

以下に、関連質疑部分の書き起こしを掲載したので確認してほしい。根拠となるものは何もなく、軽くかわすNHK会長の答弁に対しても追及する材料もなく、ひたすら愚痴を言っているだけである。これが許されるなら、私が匿名で日本共産党の暴力革命準備に関するデタラメな文書を送付し、国会で質疑されることもあり得るのだが、それでも良いのだろうか?

質疑部分書き起こし

以下、質疑部分書き起こし

山下委員 わたくしのところにもNHKからの内部告発と思われる文書が届きました。ニュース7、ニュースウォッチ9、おはよう日本などの編集責任者に対し、NHKの幹部が森友問題の伝え方を細かく指示している。
トップニュースで伝えるな、トップでも仕方がないが放送尺は3分半以内、昭恵さんの映像は使うな、前川前文科次官の講演問題と連続して伝えるな、などというものですと。
非常にリアルな、まあこれはNHKが、先ほど会長は「圧力に左右されず」と言ってましたけど、自ら圧力にすり寄っていくと忖度しているような、これは内部からの情報だと思われますが、こういう実体あるんじゃないですか、会長。

上田会長 お答えいたします。繰り返しになりますが、放送法の規定に基づいて、NHKで編集権を行使する権限は会長にあると考えておりまして、実際の業務運用においては放送部門の最高責任者である放送総局長に分掌し、そのことでそれぞれ番組制作責任者の策定にあたっています。
個々の番組の内容については現場に任せて、現場がその都度自主的に判断いたしておりますが、NHKとしては先ほどから繰り返し繰り返し申し上げてますように公平公正自主自立を貫いて、何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、視聴者の判断の拠りどころとなる情報を多角的に伝えていくことが役割だと考えておりまして、これをしっかりと守っていきたいというふうに考えております。

山下委員 残念なご答弁でした。前会長が矩(のり)を踰(こ)えたですね、権力との癒着をやられた直後に現れた上田新会長ですね、やはりこの問題ではもっとですね、敏感な感覚をお持ちいただきたいと思っております。
今、そのことが視聴者からだけではなく私のところにこういう内容の文書が届くのは初めてです。これほど政権からの圧力を忖度するようなことがNHKで常態化してるっていうリアルな告発ですから、わたしはこれ由々しき問題だと思うんですね。
権力の監視という公共放送の使命、視聴者の期待を裏切るような権力への協力、こういう姿勢を改めることなくですね、最高裁判決をお墨付きに受信料契約と支払い義務化の強制を進めるなら、私はむしろ市民の不信感が増すだけだろうと思います。
受信料の不払いもですよ、市民からの注文の一つの形であって、NHKはその声に耳を傾けて改善を図ることで市民との、あるいは視聴者との相互関係、信頼の構築が成り立つものだと思っておりますし。
だから、私は何もNHKを、なんですかこう、批判するだけが私たちの立場ではないということは常々申し上げてきました。私は市民にとってもですね、放送という知る権利や文化のありように深い関わりを持つ社会の基幹メディアを自分たちがお金を出して財政的に支え、権力からも資本からも、そして商業主義からも自由な放送をのあり方を保証していこうという公共放送制度というのは現代社会において貴重な文化なのだ思っております。
そういう認識自覚が市民にも必要だというふうに理解しております。皆様のNHKではなく、私たちのNHKに育てていくことが必要ではないかなと思っております。その点の感想を一つ。

書き起こし終わり

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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