【経験者は語る】ムシキングによる昆虫ブームなんて無かったよ。


2003年から2010年にかけ大ブームとなった「甲虫王者ムシキング」が2015年夏に復活するようです。
新甲虫王者ムシキングのHP
この報を受け、虫屋さんたちのテンションが上がっているようですが、そもそもムシキングによる昆虫ブームなんてありましたっけ?
ということで、過去の記憶を頼りに真相を書いておこうと思う。

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ムシキング復活で昆虫ブームは再来するのか?

実はムシキングのブームは短く、2003年の登場からわずか3年ほどのこと。
後半の4年間は散々たるもので、後発のカードゲームに圧倒されロケーション数も激減していました。

世間ではムシキングの影響で当時、一大昆虫ブームが巻き起こったかのようなことが言われていますが、本当でしょうか?
クワガタ・カブトムシブームは、90年代後半の国産オオクワガタブーム「黒いダイヤ」から始まり、1999年の「外国産昆虫輸入開始」により爆発的なブームとなった。対してムシキングの登場は2003年であり、逆にムシキングが昆虫ブームに乗っかってきたというのが事実ではないだろうか?
一部では当時が昆虫バブルであったかのように言われているが、私の知る限りでは当時は過剰な輸入数が問題となり始め、ビッダーズオークションではダンピングのような大量1円スタートが常態化、それにより価格の下落が続き市場が自滅していた。1円で外国産クワガタが手に入ることもありました。
そもそもクワガタ・カブトムシの販売は、インターネットオークションが主流であり、18歳以下は利用不可。利用するには親を説得して落札してもらう必要があるので、ムシキングに夢中な子供が一気に流入したとは思えない。

価格についても前述のとおり。アトラスオオカブトなどポピュラーな種が高額で取引されていたのはムシキングブーム以前のことで、ムシキングブーム登場の2003年には、すでに大暴落していました。
確かにムシキングの影響で、イベントやデパートでの外国産昆虫の需要が高まりはしましたが、それに応じて輸入量も増えるので価格が高騰することはなかったのです。また、多くの購入者が温室などの市区設備を有しておらず、夏だけの限定的な販売というのも事業としては継続しにくい要因であった。夏は夏で高温が問題となり、販売する商業施設側も温度管理はしてくれず個体は弱り死亡するケースが多発、委託販売などでは歩留まりが悪く儲けになりません。

このように“ムシキングによる昆虫ブーム”の存在自体が、「昔は良かった」というノスタルジー的な妄想によるものが大きい。
今回の“ムシキング復活”で、自己の飼育個体が高騰し、ウハウハ状態が訪れるようなことは起こりえないので、無茶な繁殖は控えた方がよいでしょう。

今度はコチラが利用する番

長々と説明しましたが、ムシキングによる昆虫ブームは妄想であり、ムシキング側が乗っかって来ただけでした。今度は我々、クワガタ・カブトムシ業界がムシキングを利用する番かも知れません。
しかし、そもそも論でムシキングが大コケする可能性もあります。1月31日と2月1日にセガワールド葛西でロケテストが行われるようですが、どのような筐体とシステムなのかが注目されます。
ロケテストでは5回遊ぶと、ゲームで使える「Vガジェ」というものが貰える。ロケテスト各日異なる限定品とのことで、妖怪メダル臭がプンプンしているのも気になる。
妖怪ウォッチが大ブームだからといって、妖怪が流行ってるわけではない。
同様に、甲虫王者ムシキングのブーム再来で、昆虫ブームが来るとは限らないのだ。
ただし、指を加えて見ていても何も起こらないで、なにかしらの便乗はさせてもらって、ブームを作り上げることはできるかもしれません。私は便乗する予定。
単純に「虫」を売ることだけが儲けのチャンスではないので。

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根拠のない可能性を語ることは科学ではない

BE-KUWA(ビークワ)54号書評




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