エコかエゴか?カブトムシを撒く大人たち


環境教育と情操教育はリンクする部分が多い。
「エコ」が「エゴ」にならない為には情操教育は不可欠ともいえる。
しかし環境教育と情操教育は混同してはならない。主たる目的は明確に区別する必要がある。

昨今いろいろな団体が環境活動として、生き物を呼び込む環境づくりを行っている。
以下の記事のような秀逸な活動もある。
「ホタル保護認められた…愛知 : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)」http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120316-OYT8T00537.htm?from=tw
ただホタルを育てるだけでなくザリガニなど外来生物を駆除する「外てきつかまえ隊」や、オオカナダモを除草する「水をきれいにし隊」など6グループにも分かれて環境全体を学習している。

しかしなかには環境教育と情操教育を混同した活動もある。
その最たるものが「ただカブトムシを撒く」というもの。
腐葉土を持ち込み幼虫を撒く、それでカッコいいカブトムシが羽化すれば子どもは喜ぶ。
しかしこれらは情操教育やイベントであって環境教育など無縁ともいえる。
状況によってはパイロットとなる生物を放すことも必要だが、自然に定着する基礎がなければ一代限りのイベントに終わってしまうのだ。
絶対悪ではないが、これらの活動に「環境」の冠をつけると子どもも大人も勘違いしてしまう。
ただカブトムシを撒いているだけで、環境なんて一切改善されていない。が、なんとなく環境活動した気にはなっている。

そして、昆虫愛好家なら常識だがカブトムシは劣悪な環境でも繁殖する。
腐葉土さえ持ち込めば庭先でもどこでも繁殖するカブトムシは、生態系保全や改善の指標にはなり得ない昆虫といえる。
場合によっては大型甲虫であるカブトムシは他の生物を圧迫するかもしれない。
カブトムシ・クワガタに代表される人気昆虫だけが昆虫ではないということも付け加えておきたい。

こういった活動をされる方々に悪意がないことは疑う余地もないが、無知やエゴが環境・生態系を破壊し今に至った経緯は知っているはずだ。
それを回復しようというなら専門知識をもって取り組んでほしい。

一方で学校など教育機関が、情操教育・環境教育などを分類できず混同する問題は根が深い。
鑑賞目的や快適な住環境を目的とした草花や樹木をさす「緑」と自然環境の違いを大人たちが理解し教えないと子どもたちはいずれ、自分にとって「心地よい」ものばかりを選び残そうとする。
心地よいものを選ぶことは人間らしく生きるうえで必要なことかも知れないが、環境教育では時に不快な環境や生物・植物ともつきあう覚悟が必要である。
大人たちにその覚悟も知識もなければ、なにも教えることはできないだろう。

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