カンニングで逮捕?過去の逮捕事例に様々な意見も

政治・社会

カンニングのヘイ・ユウ・ブルース
カンニングのヘイ・ユウ・ブルース

運送会社などで安全管理に携わる国家資格過「運航管理者」の試験で、メールを使ったカンニングが発覚し9人が書類送検された。

えっ?カンニングって犯罪なんですか?
と、特に学生たちは驚くだろう。
しかし、カンニングでの逮捕事例は過去にも何件かあり、大学入試を巡る「知恵袋カンニング」などは社会問題にまで発展しています。
しかし、これに対する反応は様々で「やりすぎだ」という声もある中で「当然だ」という声もある。

京都大学Yahoo!知恵袋カンニング事件

2011年、京都大学での入試問題が「Yahoo!知恵袋」へ試験と同時に投稿され、回答を求めていたことが発覚。
同様の投稿は複数の有名大学の試験中にも書き込まれていることが判明し、ワイドショーなどでは、その手口などを推測するなど大変な話題となり、憶測での報道が連日行われた。
騒動を受けて京都大学側は、京都府警に「偽計業務妨害」で被害届を提出し、京都府警が捜査に乗り出す事態となる。
捜査の結果、逮捕されたのは予備校生で、手口は意外なほどシンプルで「携帯を股の間に挟んだ状態で打ち込み投稿した」という。
しかし、逮捕前に一連の報道が加熱したことで容疑者が行方不明となり家族が捜索願いを警察に提出しており、罪と罰のバランスや報道の過熱ぶりが批判されることにもなる。
これに対しては様々な意見が飛び交った。

事件に対する意見は様々

まず、問題視されたのが、カンニング行為が「偽計業務妨害」にあたるか?という問題だ。
アメリカの弁護士スティーブン・ギブンズ氏は「アメリカなら笑われる」「入試不正行為とは全く関係ない法律」という見解だ。

しかし、なんでも民事で賠償請求できるアメリカとは違い、日本では多大な迷惑を被ったり、信用を棄損された場合は「偽計業務妨害」で被害届を提出せざるを得ないことも理解してもらいたいところだ。

法的な見解のほかには「やり過ぎだ」という意見が非常に多い。
マスコミの過熱報道で、容疑者が自殺するのではないかという声があり、実際に容疑者は実家から失踪していた。
逮捕はされたものの、この少年は「不処分」となっており、マスコミの過熱報道に大学や警察が動かされたのではないかという疑念は残る結果となっている。

一方で、脳科学者の茂木健一郎氏は「大学の自治」という視点でこの事件を批判している。

いやはや、大学の自治っていっても治外法権じゃないんですから。
そんなことを言って、警察を大学に立ち入れなくした結果、大学が過激派の巣窟と化し、過去にどれだけ陰惨な事件に発展したことか。
最近でもこんな事件があったばかり。奇しくも京都大学です。

学問に権力が影響を及ばしてはいけないということを履き違え、大学自治を錦の御旗にするのは危険な思想ですよ。

真面目な受験生は泣き寝入りか?

京都大学の不正入試事件では、同志社大学が学内対応、早稲田は被害届を取り下げている。
これをもって、京都大学が過剰な反応を見せたかのような批判もあったが、京都大学が被害届を取り下げれば、京都大学・同志社大学・早稲田大学すべてで迷宮入りし、不正をした予備校生が入学し、真面目に学業に取り組んだ学生が入学できなくなっていたはずだ。

そういった事情を鑑みると、京都大学の対応は適切であったものと思われる。同志社と早稲田の肩代わりも行ったといえる。
入試は学生にとって人生を賭けた大一番。
そこで行われた不正に対し、大人が狼狽えるだけで何もしなかったら真面目な学生が損をする。
自分に置き換えて考えてみてほしい。
人生を賭けた大一番で、不正により自分の合格が叶わず、卑怯なものが合格したときの気持ち。

カンニングは犯罪と言って間違いないでしょう。
マスコミの過熱報道と、それを「すでに受けた社会的制裁」と判決に加味する風潮がある裁判所には納得いかないが、やはり、それ相応の社会的制裁はあってしかるべきだろう。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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