続・男はつらいよHDリマスター版(第2作)を見たよ![PR]
エンタメ
劇場版第二弾となる本作は、完全に「寅さん」のスタイルが確立された作品である。
第一作では乱暴さばかりが目立った寅さんも、この作品では「口は悪いがお人好し」となっており、この後に続くシリーズでも一貫される人柄となっている。
また、今後定番となる冒頭の「夢」がこの作品から始まる。
みどころ
ストーリーなどは説明不要だろう。
誰かを好きになって失恋する、いつものパターンだ。
この作品ではコアなファン以外は忘れているか、そもそも知られていない重要な事実が描かれている。
なんと、寅さんの生みの親が生きており、この作中で再会することになるのだ。
しかし、その再会はあまりにも残酷な結果となる。
このとき、寅さんと一緒に泣いてくれた恩師の支えもあり、徐々に立ち直っていく寅さんであったが、その恩師も体調を崩し亡くなってしまう。つらいつらい出来事が連続し、寅さんがこんなに号泣する作品は他にはないだろう。
本作で寅さんは、甥「満男」と対面することとなる。
前作で妹さくらが満男を出産しているが、寅さんはすでに旅立っており今回が初対面。
前作に続いて満男は周囲から「寅さんに似てる」と何度も言われる。これは壮大な伏線であり、全48作のシリーズ終盤で満男の青春が描かれるようになると、実際に満男は寅さんに似たような行動を取るようになる。
寅さんと言えば数々の名言を残しているが、本作ではその一つが発せられる。
胃けいれんで入院した寅さんは、翌日には元気になり病室で「啖呵売」を披露し大騒ぎする。それを咎める青年医師(山崎努)に対して寅さんは言い放つ、
「おっ、てめえさしづめインテリだな」
これが寅さんのセリフであることを知らずに使っている人もいるだろう。
単純で喧嘩っ早い寅さんがクレバーな相手に対して放つこの言葉は「劣等感」の表れではあるが、寅さんは教養や知識を盾に勝負から逃げようとすることは「卑怯」だと言いたいのだろう。
最後になるが、先述の「母親との再会」は寅さんを落胆させる結果となったが、ラストシーンでこの母親が再登場する。寅さんの母親らしく、口が悪くて意地っ張りなのだが、どのような形で登場するかは見てのお楽しみだ。
日本映画史上に残る名シーンである。
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