【検証】高市早苗「さもしい顔で貰えるものは…」発言の真意とは?「日本ヤツらから取り戻す」の”ヤツら”の正体【KSLチャンネル】

KSLチャンネル,政治・社会



 批判されている高市早苗さんの発言「さもしい顔して貰えるものは貰おうとか、弱者のフリをして少しでも得をしよう、そんな国民ばかりになったら日本国は滅びてしまう」という発言の真意は何か?果たして真実なのか?

 総裁選への出馬でこの発言がSNS上で再拡散され、高市批判の材料になっているようですが、いまいち出典が示されておらず真意も不明です。生活保護バッシングだという批判が多く「日本を奴らから取り戻しましょう」という発言も生活保護者が対象とされています。この発言は2012年5月10日の『創生「日本」第3回東京研修会』での発言でした。創生「日本」とは保守系の議員連盟で、当時の会長である安倍晋三元総理と、ジャーナリストの櫻井よしこさんとの意見交換会の前に首席議員らが挨拶をした際の一幕です。

 創生「日本」の公式チャンネルに当時の映像が残っていたので動画を引用させていただきます。動画32分15秒から3分弱ですので全編をご覧ください。

生活保護受給者を批判していない


 前後を含めて確認すると、生活保護に限定して批判したものではなく、弱者のための社会保障を悪用し少しでも楽をしようとするのではなく、まじめに働き日本人の可能性を信じ成長していくという趣旨で、民主党政権のバラマキ政策と第一次安倍政権は違ったという話の流れによるものです。
全文文字起こし

皆様こんにちは。こんにちは、高市早苗と申します。奈良県からこちらに参っております。本日は全国各地からお出ましいただき、ご一緒いただき本当にありがとうございます。
長勢甚遠元法務大臣も一緒だったと思うんですけれども、安倍内閣でですね、一緒に働いた閣僚も、副大臣も、政務官も、そして官僚たちも、みんな大変やりやすかったと思うんです。と言いますのは、総理の国家経営理念が明確であったからです。
今日、ある記者の方から取材を受けました。私は今、大変評判の悪い松下政経塾の出身でございます。そういう意味で、野田総理、もしくは内閣におられる政経塾のメンバーをどう思うかというのは、大変答えにくいご取材でございましたけれども、少なくとも私が実際に松下幸之助塾主から受けた教育というのは、政治にとって、特にリーダーにとって最も大事なのは国家経営理念だと、これがはっきりしてないと、国民の取り組みもまちまちになる。外交も場当たり的になる。明治時代の富国強兵や殖産興業のように、明確な理念が国民の間に浸透している。これが国家の力強さに結びたいということでございました。
安倍内閣の時は、安倍総理がまずは国民を守る、領土を守る、主権を守る、資源を守る、こういった国家の方向性に加えまして、福祉から就労へということを明らかにされていました。例えば、成長戦略を作るにしても、いま議論されているような税と社会保障ということを考えるにしても、ただ、ばら撒くんじゃないんだ。
さもしい顔をして貰えるものは貰おうとか、弱者のふりをして少しでも得をしよう、そんな国民ばかりになったら日本国は滅びててしまいます。
安倍総理は常に、常に日本と日本人の可能性を信じ続けて、多くの方が真面目に働く、人様にご迷惑かけない自立の心も。そして秩序のある社会を作る。それによって日本がどんどん成長していく。本当に気の毒な方々のためにも、頑張っていける力強い国を作れるんだ。その思いが全ての閣僚に浸透していたからこそ、私たちは自由にいただかせていただきました。
もう一度、皆さんと力を合わせて、また安倍総理に頑張っていただいてですね。
日本を奴らから取り戻しましょう

 高市さん自身も以前にこの件を問われ「生活保護の不正受給に対する問題」と説明していますが、発言全体の流れからして「さもしい顔して貰えるものは貰おうとか、弱者のフリをして少しでも得をしよう、そんな国民ばかりになったら」というのは、もしそうなったら国が滅ぶという仮定の話であって、実際に社会保障を受けている人へ向けられたものではありません。ようするに高市発言の「弱者のふりをした国民」というのは、想像上の悪い未来を指しているのであって、実在しないわけです。

“ヤツら"の正体

 さらに「日本をヤツらから取り戻しましょう」と言う発言も、生活保護の受給者を指したものではなく、当時の民主党政権から政権を奪還するという意味です。
 高市さんの挨拶は全般が、第一次安倍内閣で初入閣したときの所感を述べたもので、発言の前は「また安倍総理に頑張っていただいて」とされていることから、政権奪還の意味で「日本を奴らから取り戻しましょう」と発言しているのは間違いないでしょう。実際にこの4か月後に安倍さんは自民党総裁となり、直後の解散総選挙で政権に返り咲くわけです。

 この発言が掘り起こされたのは、高市さんが初めて総裁選に立った2021年9月で、左派系ニュースサイト『リテラ』が、過去に高市さんが生活保護バッシングをしたとして掲載したことが発端と思われます。SNSでも当時の動画が拡散されますが、これが民主党政権のバラマキを批判し、悪い未来を仮定のものとして発言している前段部分はカットされているようです。

 なかなか危うい発言であることは否定できませんが、当時は民主党政権の末期であったことなどを踏まえ、全編を見れば問題となるような発言はありません。悪い仮定の話しを勝手に生活保護受給者に当てはめて批判してる人たちは、自分たちが弱者を利用して政敵を叩くという、卑劣なことをやってる自覚がないのでしょう。

 総裁選中に限らず高市さんが総理ともなれば、もうなんでもありのデマ攻撃が展開されるでしょう。大手メディアやファクトチェックサイトは、保守系へのデマ攻撃は見えないらしいので、できる限りこちらで潰していきたいと思います。

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
◆運営支援をお願いします
各種支援方法の詳細