【都知事選】石田純一は「宇都宮を降ろせ」と言っている
タレントの石田純一が東京都知事選出馬の意向を示した。
出馬の条件は野党統一候補であること。
これはダイレクトに「宇都宮健児を降ろせ」と言っているようなものだ。
元日弁連会長の宇都宮健児氏は、前回の都知事選において共産党・社民党からの支援を受けている。
今回の都知事選へは11日に正式立候補の会見を行うと見られているが、舛添前知事の辞職後にいち早く出馬の意思を示していた。
石田純一が出馬条件として提示した「野党統一候補」とは民進党と共産党が相乗りすることは必須条件。そうでなければ統一候補とは言えない。
宇都宮だけでなく民進候補も降ろせ
都知事選に向けて石田純一を推薦している政党はない。
共産党は市民連合の支援を受ける宇都宮健児の支援に回ることが濃厚で、民進党は前神奈川県知事の松沢成文参院議員や、元経済産業省官僚の古賀茂明氏を擁立しようと動いていることが報じられている。
石田純一は8日の会見で「まずは野党4党の候補を決めていただきたい。その中に自分を入れていただけるなら出る」などと悠長なことをことを言っている。
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民進、共産、社民、生活がそれぞれ候補を立て、そのうち3党は候補を降ろすということになるが、擁立しても野党共闘の話し合いで降ろされるかもしれないと思えば、打診される側も戸惑うだろう。
そもそも、石田純一はいずれかの党から推薦を得てからこのような「条件」を口にするべきではないのか?
それを今頃になって野党4党が候補者を出して、さらにその中から一人に絞るというには時間が短すぎる。意思表示を遅らせておいて乱暴な言い分だ。
自民の動き次第で「実質」統一候補も?
前述のとおり、石田純一の「野党統一候補」の構想は時間的に無理がある。
しかし、自民党は同党の小池百合子という強力な候補に対し、都連が増田寛也元総務相を擁立し分裂選挙が濃厚となった。
分裂となれば野党候補にも勝機が見えてくるようでもあるが、都知事選挙の色は「自民 対 自民」一色になるなる可能性もある。
こうなると野党は置き去りにされ、野党候補は全員泡沫だ。
11日には宇都宮健児氏が出馬会見するが、それまでに民進党が独自候補を擁立できずにいれば宇都宮健児氏が実質の野党統一候補となるか、民進党が自民に相乗りすることもあり得る。
石田純一はこれらの動きをすべて無視する形で会見を行っており、穏やかに野党統一候補が選べる時間がないことを理解していない。
ポスターすら貼れない状態も予想される。
民進党の候補者選びが難航すれば、宇都宮か石田という野党統一候補が生まれる可能性もあるが、宇都宮健児を降ろすには石田純一を民進党か共産党が強く支持する必要がある。
それでも、他の候補者全員を降ろすことは不可能で、有力野党の“実質"野党統一候補となり、自民党の候補には勝てそうにもない。
そもそも野党統一候補とは、他者の被選挙権を押さえて支援に回らせるという荒業であり、立候補表明後に野党共闘で候補者を降ろすことは、国民の選ぶ権利を野党の談合で奪われるということ。
事前の談合で自分の当選確率を上げることを条件にするような、中途半端で臆病な男に都知事が務まるわけがない。
そういった部分で石田純一は、宇都宮健児の足元にも及ばないだろう。
東京都は2代続けて著名人都知事が金銭問題で辞任。
スキャンダルが売りの芸能人がしゃしゃり出る場面ではない。