「加戸前知事の証言は嘘?」は情報速報ドットコムの捏造と判明!検証結果を晒しておく

政治・社会

14日に「情報速報ドットコム」が配信した記事の中で、加戸守行前愛媛県知事の閉会中審査参考人質疑での発言等がねつ造されていることが判明した。
加戸・前知事の獣医学部の誘致、加計学園側が希望した記録!本宮勇議員のブログに|情報速報ドットコム

情報速報ドットコムの記事では、加戸守行前知事が「とにかく獣医不足が深刻で困ってたところに加計学園だけが手を上げてくれた」と証言したとしたうえで、「加戸氏は加計学園が手を上げてくれたと証言しているのに、本宮勇議員の方は加計学園から話が持ち込まれたとブログに書いていたのです。」と、本宮勇(ほんぐういさむ)愛媛県議のブログと加戸前知事の証言が矛盾していると指摘している。
だが、当サイトが質疑を再確認したところ、加戸守行前知事は質疑中にそのような発言はしておらず、さらに、肝心の本宮勇県議のブログにも「加計学園から話が持ち込まれた」という記述はなく、本宮県議のほうから「大学誘致の話を持ちかけた」とはっきりと書かれている。

愛媛県議会議員 本宮いさむ活動日記 獣医学部誘致に向け、岡山で打ち合わせ
この誘致に至る経緯は、過去の産経新聞のインタビューで加戸前知事が、本宮勇県議の名前を挙げたうえでブログと同じ内容の証言をしていることも判明した。

同サイトは、過去に「安倍政権が毒ガス容認」というフェイクニュースを作成し、福島瑞穂議員が拡散するという問題を起こしている。
当サイトでは、加戸前知事の質疑を書き起こすとともに、過去の発言まで検証を行い、情報速報ドットコムの捏造を以下に証明する。

どの方向から見てもデマと捏造

情報速報ドットコムの記事では「とにかく獣医不足が深刻で困ってたところに加計学園だけが手を上げてくれた」と発言したとされているが、質疑でこのような発言はどこにもない。
青山繁晴議員の質問に対して、加戸前知事はこう答えている。

「加計学園がたまたま、愛媛県会議員の今治選出の議員と加計学園の事務局長が、お友達であったからこの話が繋がれてきて飛びつきました。」
参考:【加計質疑】加戸守行氏の証言が歪められている!書き起こしと比較検証してみた結果

公明党の里見隆二議員の質問に対しては「声をかけてくれたのは加計学園だけ」と答えているが、これは前後の発言を見ると、大学誘致の経緯で他の大学にも声を掛けていたなかで、加計学園だけが応じてくれたという趣旨である。

加計ありき加計ありきと言われますけども、12年前から声をかけてくれたのは加計学園だけであります。私の方からも東京の有力な私学に声を掛けました、来ていただけませんかと、けんもほろろでした。
※全文書き起こしは記事の最後に掲載

仮に「加計が手を挙げた」と「求めに対し声をかけてくれた」の違いがあったとしても、情報速報ドットコムが問題にしている本宮勇県議のブログと矛盾する内容ではなく、調査も検証もせず混乱したまま「嘘であってほしい」という願望のままに記事を書いているからこういう捏造記事になるのだ。

また、加戸前知事の在任期間は1999年1月28日から2010年11月30であり、参考人質疑で語ったBSE等の問題は在任期間の前半、加計学園が獣医学部新設に名乗りを上げたのは12年目なので中盤から後半にかけてである。こういった事実関係から、加戸前知事の語る「獣医師不足問題」は加計学園が名乗りを上げる遥か前からの問題であったと言える。
獣医学部の新設を、加計学園と今治市のどちらから求めたかという事に的を絞ったとしても、加戸前知事の証言にある「県の学園都市構想と市の獣医師不足対策」が時系列上古いという事実がある以上、疑惑だの疑念だのと問題にされることではない。

加戸前知事は、産経新聞のインタビューでも本宮勇県議の名前を出して同じことを証言している。特段の新事実でもない。

 構想が宙に浮いたところで、今治市選出の本宮勇県議が「加計学園が大学を進出してもいいというが、今の天下の状況をみていたら獣医学なんかはどうでしょうか」という話を持ってきたから、飛びついたんだ。
少子高齢化に悩む今治市にとってみれば、若者が来て、街が活性化すればよかった。ただ、愛媛県は学園都市よりも獣医学部が欲しかった。獣医師が欲しい、感染症対策をやってもらいたい、という思いだった。
【加計学園問題】加戸守行前愛媛県知事「安倍さんが友達だと知ってたら10年前に獣医学部つくってた」(1/5ページ) – 産経ニュース

5月下旬の愛媛新聞のインタビューでも同じように「今治市の学園都市構想と、県が求める獣医師の確保という一石二鳥」と答えている。
愛媛新聞加戸前知事インタビュー

出典元

このように、加戸前知事は一貫して、今治市の学園都市構想のために大学を誘致しているなかでどの大学もけんもほろろに門前払いだったのが、本宮県議がたまたま加計学園関係者と知り合いで、大学誘致の話をしたら「獣医学部なら」ということになり、大学誘致と獣医師不足解消の夢が同時に叶う事業に繋がったとはっきりと証言しているのだ。

とにかくこのサイトは嘘が多い。

・ありもしない加戸前知事の証言を捏造
・本宮勇県議のブログ内容を逆の意味で解説
・時系列がデタラメ
・問題を理解していないのに知った風

このようなサイトを引用している議員はバッジを外すべきだろう。
関連:デマ!福島瑞穂「政府が毒ガス使用容認を閣議決定」捏造記事を拡散
関連:デマ!「加計孝太郎は自民党岡山県支部の代表者」は情報速報ドットコムの捏造

参考:公明党の里見隆二議員の質問、加戸前知事の答弁書き起こし

獣医学部誘致に至りますあいだ、いくつかの事がございました。まず一つは私が知事に着任しましたときに今治市は新都市開発構想がありましたけれども、神棚に上がったままで、動いてませんでした。私が最初の仕事として今治市とタイアップして新都市整備事業に取り組みまして、2つの地区がございまして1つは商業産業地域、1つの地区は学園都市構想地域ということで今治に若者の街で学園都市はできないかという事がありまして、そしてこれ地元の大学の誘致等々も御座いまして話も進みかけましたが、話がポシャリまして、結局、土地だけがあって学園都市構想が宙に浮いた状態でありました。もう一つは、私が知事に着任早々、鳥インフルエンザの問題、あるいはアメリカでの狂牛病、それから終わりの時期には口蹄疫の問題等々、で愛媛県で公務員獣医師、産業担当獣医師の数の少なさ確保の困難さ、そして、獣医学部の偏在等々の状況、そしてアメリカの適切な対応等々を見ながら、日本も遅れているなと思っているときに、丁度、たまたま加計学園が今治の新都市への進出と言う構想を持ってこられたのを、渡りに船と、この獣医学部構想で取り組んでいただいて、単に獣医学部という事ではなくて、アメリカを見習って先端サイエンスなり、あるいは感染症対策なり、すべてが国際水準に負けないような新たな分野に取り組む獣医学部として、国際的に恥ずかしくない拠点にもしたいと、しかも国際獣疫事務局が言ってますように封じ込めと言う為には地域には水際作戦が大切でありますけれど、口蹄疫の時にも宮崎県からの上陸を阻止するために、四国としては上陸する船の、あるいは自動車等々の全部消毒で、一切、感染症、口蹄疫は四国に上陸させないと不眠不休で獣医師の協力を仰いだ経験からしまして、これからは大切な時期になるなということを、国際的に通用する獣医師を養成するということで、これは今申し上げましたように新都市開発と若者の街、そして今治と言う造船の海事都市が、国際的なまた獣医師の育成と言う事で飛躍出来るんではないか、そして愛媛の問題も含めあらゆる一石二鳥、一石三鳥の思いでチャレンジをしようと決心したわけでありますけれど、それが固い固い岩盤規制に阻まれながら、いろいろ勉強しつつ、あそこもダメか、これもダメかといいながら、しかし、日本の少なくとも私の見る限り獣医学部は十年以前と、今日まで変化しておりません。アメリカに、あるいはイギリス、ヨーロッパに十年遅れていると私は思います。今の十年の遅れを取り戻すべき大切な時期だ、そんな思いで今日も参上させていただいたわけでありまして、事柄はそんな意味での地方再生、東京一極集中ではなくて、地方も頑張るんで、地方も国際的拠点になりうるんだよと、そいうもののモデルケースとして愛媛県の今治の夢を託している事業であって、加計ありき加計ありきと言われますけども、12年前から声をかけてくれたのは加計学園だけであります。私の方からも東京の有力な私学に声を掛けました、来ていただけませんかと、けんもほろろでした。結局、愛媛県にとっては12年間加計ありきでまいりました。今更、一年二年の間で加計ありきじゃないんです。それは愛媛県の思いが、この加計学園の獣医学部に積もっているからでもあります。

皆様の支援が必要です KSL-Live!からのお願い

【ご支援をお願いします】取材・調査・検証記事はコピペまとめサイトのような広告収入は期待できません。皆様からの支援が必要です。各種支援方法詳細

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

OFUSEで支援する

このサイトをフォローしよう