拉致被害者の蓮池薫さん「拉致問題の見返り、政府が解決しようとしたら受け入れ、支持していただきたい」

政治・社会

拉致被害者の蓮池薫さん「拉致問題の見返り、政府が解決しようとしたら受け入れ、支持していただきたい」

拉致被害者の蓮池薫氏が重要な提言をしている。

29日、フジテレビ系「池上彰緊急スペシャル 激動の朝鮮半島!どうなる拉致問題!平成の宿題 徹底解説」において、ジャーナリストの池上彰氏と対談した蓮池薫氏は、拉致問題解決に向け、我々日本国民にできることとして、以下のような提言を行った。

私は国民の皆さんにお願いしたというのはですね、そもそも拉致というものは国家犯罪、そこに見返りとか、そういったものはあり得ないと、それは当然、正論だと思いますが、しかし拉致というものを解決すれば国交正常化という、このパターンをですね、受け入れていただきたい、支持していただきたいと。
強気にいって追い込んで降伏させるというのには時間がかかるし、なかなか無理だろうと当面は。だからそれで日本政府が柔軟な政策に基づいて解決しようとしたときに、積極的に支持していただければ政府は動きやすいでしょうし、そうすれば解決の道は大きく開いてくるのかなと。まさにそのタイミングは今、近づいてきているのかなと思います。

拉致問題に取り組む保守層の一部では、北朝鮮に一切の見返りを許さないという強固な姿勢を力説する人もいる。無論、国家犯罪に対して見返りを約束することが好ましいことでないことは事実。

しかし、それは拉致被害者の奪還という至上命題よりも優先されるものだろうか?
もしかして、それは日本で平和に暮らす我々の身勝手なプライドではないのか?

以下に、拉致問題解決に向け「私たちにできること」として蓮池薫さんが語った重要な部分を書き起こしたので、理解し受け入れられるようになるまで何度でも読み返していただきたい。

蓮池薫さんからのお願い、書き起こし

池上 まだまだ北朝鮮には当然、拉致されて戻って来られない人たちが大勢いるということですね。

蓮池 ええ、いるとおもいます。

池上 その人たちどんな生活しているんでしょうね。

蓮池 おそらく北朝鮮は死亡とか拉致していないとは言っていますが、多分どこかで彼らをカードとして日本に帰さざるを得なくなる状況も想定していると思うんですね。そういう状況にありますので、まずは非常に奥深く隠蔽している、隠していることは想像されます。と同時に、健康状態であったり、いろんな面でケアはしっかりしていると思われます。
ただ自由はない。

池上 そういう人たちを日本に取り戻すために日本政府あるいは私たちは何ができるとお考えですか?

蓮池 私は、なぜ北朝鮮という国が拉致を認めたというその理由、2002年つまり日本との関係改善と、いわゆる国交正常化とその後にある植民地支配に対する賠償、日本の支払いですよね。それがあるからこそ、1兆円とか2兆円とかいう莫大な経済的な支援が得られるというのがあったから動いた。その状況が2006年ですか、北朝鮮が核実験をやりミサイルを撃ち、ということの中でかなりトーンダウンしてしまった。そういう平壌宣言ですよね、それはもう話にあがらなくなって、こういう状況できたが動くモチベーションというか動機というのは、なくなってしまっていた、ほぼ見えなくなっていたと思います。
ところが現在、米朝間で制裁やら軍事的圧力の結果でもあるかと思うんですが、北が非核化に動こうとする兆しが見えてきたんです。これはつまり核ミサイルの問題が解決する可能性が見えてきている。ならばそこに拉致問題さえ解決すれば、あの2002年の、そのときの平壌宣言がもう一回復活する可能性が出てきているわけです。だから非常に大きなチャンスが今、到来しつつあるのかなと、それで大きな期待をしております。

池上 平壌宣言というのは、それこそ拉致問題が解決し、そうしたら国交正常化交渉を始めるということになってましたよね。

蓮池 ええ、始めて、その後は経済協力ということで。

池上 ですからこれからですけども、米朝交渉の結果、本当に非核化の道筋が見えてきて、本当に絶対、核は廃棄するんだよと、あるいはミサイルもどこまで廃棄するのか分かりませんけれども、これで拉致を解決すれば正常化にいくんだよと言えるわけですよね。

蓮池 ええ、そういうことです。北朝鮮としては今回、党中央委員会総会が大きく舵を切ったわけですね。この舵を切ったということは外貨を念頭に置いているわけですね。

池上 なるほどね。外資導入、外国からお金を期待しているわけですね。

蓮池 そこで大きな役割をできるのは日本。日本というのは、もうしっかりと頭に入っていると思うんです。ですからそのときに日本がうまく交渉をしてですね、2002年の状況をもう一回回復して先に進みましょうと。北にとっては非常に興味のあるといいますか、十分に動く動機となる状況が作られるとは思います。

池上 日本政府としてはその方針でやって欲しいという思いがおありなんでしょうけども、私たち日本にいる者として何ができるのか、多くの人が実は、さあ何ができるだろうと歯がゆい思いを持ってるんですけどね。

蓮池 私は国民の皆さんにお願いしたというのはですね、そもそも拉致というものは国家犯罪、そこに見返りとか、そういったものはあり得ないと、それは当然、正論だと思いますが、しかし拉致というものを解決すれば国交正常化という、このパターンをですね、受け入れていただきたい、支持していただきたいと。
強気にいって追い込んで降伏させるというのには時間がかかるし、なかなか無理だろうと当面は。だからそれで
日本政府が柔軟な政策に基づいて解決しようとしたときに、積極的に支持していただければ政府は動きやすいでしょうし、そうすれば解決の道は大きく開いてくるのかなと。まさにそのタイミングは今、近づいてきているのかなと思います。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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