北海道不明男児、発見後は実名報道と映像公開を自粛しろ

マスコミ・報道

野球少年

北海道七飯町の林道で行方不明になっていた件。最悪の事態も囁かれる中、6日後に自衛隊施設で無事に保護され、海外でも話題となる奇跡的な生還劇となった。
マスコミは挙ってこの件を取り上げ、保護された後はアイドルのような扱いに。実名とともにその姿を生中継するなど、相変わらずの醜悪ぶりを発揮している。
特に、男児が退院する際の過熱報道とマスコミの質問責めは、見ていて気分が悪くなるくらいに酷かった。
発見後は実名報道と写真を含む映像の使用を控えるべきではないだろうか?

また、少年のコメントをねつ造していることも判明し、マスコミの倫理を疑わざるを得ない状況にある。

発見後の実名報道と映像は厳に慎むべきこと

不明となり発見されるまでの間、顔写真と実名を公開し情報を求めることは全うな報道であり、有益な情報でもあった。
しかし、発見後はこれらの報道は控えるべきである。
この男児の無事を祈り、マスコミとして真剣に報道してきたという自負があるならば、この男児と家族の将来ができるだけ平穏であることも願ってほしい。
起きたことは今後の教訓として多くの親や子供の記憶に焼き付くだろう。しかし、彼と彼の家族は忘れられるべきである。

男児が発見後に入院していた病院から退院する姿を生中継したり、ニュースで流す必要と報道の意義はあったのだろうか?
「無事退院しました」それで十分だろう。

まだ7歳の男児と世間から疑惑をかけられた家族を大勢で取り囲み、病院玄関前であるにも関わらず盛大な拍手で迎える異様な光景。
男児は精一杯にマスコミに対応しようと手を振り笑顔を見せていた。
これは報道に値するのか?メディアスクラムによるリンチにしか見えない。
発見までにマスコミが情報を求めることに寄与したという事実から、家族はマスコミの取材を無下に断ることはできない。その代償としてワイドショー的なネタを提供しろと、マスコミが迫っているようにも見えた。

男児に執拗な質問と誘導をするマスコミ

この退院時の過熱報道で最も醜悪だったのが、リポーターと思われる女性の執拗なコメント取りと回答の誘導だ。
映像を見る限り病院前通路は規制されており、確保された通路から用意された車両に乗り込む予定であったと思われる。
車に乗り込もうとする少年を、規制の外から大声を張り上げて呼び止め何度も大声で質問を繰り返したのだ。少年は笑顔で答えていたが困惑した様子も見られた。

「学校に早く行きたい?」
という質問に、
「行きたい!」
と元気に答える少年、
「何がしたい?」
と、立て続けに大声で質問するリポーターに困惑する少年、
それに対してリポーターは、
「野球かな?」
と、マスコミ側が欲していたコメントに誘導する。
渋々頷く少年。

取材としては最悪の手法だ。
呆れることに、マスコミ各社はこの一連のやり取りを、
『元気に「野球がしたい」と答えた』
と、少年のコメントをねつ造して伝えている。

このようにマスコミは彼をタレントとして捉えるようになり、紙面でいえば社会面から芸能面に移行してしまっている。
報道という錦の御旗を振りかざす、報道バラエティーに倫理はない。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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