リオオリンピック「ブーイング問題」女子バレーでも異常事態

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リオオリンピック陸上男子棒高跳びの表彰式で事件は起きた。
銀メダルを獲得し表彰台に登ったルノー・ラビレニ(フランス)選手に観客が一斉にブーイングを浴びせたのだ。ラビレニ選手は反則を犯したわけではない、正々堂々と戦っていたのに。
前日の決勝で開催国ブラジル代表選手と一騎打ちとなり、その際にも観客はラビレニ選手に大ブーイングを浴びせた。それに対しラビレニ選手は、1936年ナチス・ドイツ時代にヒトラーが白人の優位性を示すために開催したベルリン五輪を例えに出し、ジェシー・オーエンス(アメリカ)が黒人選手として受けた扱いになぞらえて観客を批判したが、その後「試合直後で気が立っていた」として、この発言については謝罪している。しかし、リオの観客はラビレニ選手に表彰式でもブーイングを浴びせた。
ラビレニ選手の発言をブーイングの理由とする見方もあるが、ナチス発言前からブーイングは起きており、それをラビレニ選手に批判されたからといって、表彰式でもブーイングを浴びせるのは異常な光景だ。
こういった「ブーイング」は他の競技でも見られ、友好的な関係にある日本チームを応援する際にもブーイングが起こっていた。
ブーイングは「サッカー大国」ならではのことなのだろうか?

日本女子バレーでも異常なブーイング

男子棒高跳びラビレニ選手へのブーイングは、相手選手へのブーイングが当たり前となっているサッカーのノリで起こったものと思われる。それでも、それはオリンピック精神に反する行為でありラビエニ選手が不快感を露わにするのは当然。
しかし、この「ブーイング問題」が日本ではほとんど報じられない。なぜならば日本人選手にはほとんどブーイングが起こっていないどころか、日本人選手と対戦する相手国の選手にブーイングが起こることがあり「追い風」になっていたからだ。
女子バレーの準々決勝、日本 対 アメリカ戦では、会場が日本の応援一色となり、アメリカ選手がサーブを打つ際には大ブーイングが毎回起こっていた。それは応援の域をこえた競技妨害と言っても過言ではないレベルであった。
結果的にアメリカの完勝となったが、もしアメリカが負けていたらアメリカチームが猛抗議をして大問題になっていたかもしれない。中継を担当したアナウンサーと解説者も当初は困惑していたが「日本の追い風になれば」というコメントをしており、それが日本チームに有利に働いていたことは明白であった。

ガトリンへのブーイングは正当行為か?

先述の棒高跳びやバレーとは少し異なるブーイング問題も起きている。
陸上男子100メートルのガトリン選手(アメリカ)は競技中も表彰式も、常にブーイングを浴び続けていた。理由は、過去二度に渡るドーピング違反である。
ドーピング違反で出場停止処分を受けた経歴のあるガトリンをブラジルの観客は許してはくれなかった。ロシアで国ぐるみのドーピング問題が発覚し、違反していない選手までが出場できないという、厳しい裁定が物議を醸した今大会はドーピング歴のある選手には厳しい目が向けられるのも仕方がない。
しかし、現行ルール上は出場権があり、過去のドーピングによる出場停止期間を経過している以上は、オリンピック精神に則った対応が必要だ。やはり、ここでもブラジルの「ブーイング」に対する認識のズレが生じているように思える。ブーイングはオリンピックには馴染まない。

このガトリンの問題に関し、日刊スポーツは肯定する記事を書いている。

検査機関やIOCがあてにならないからといって、処分が明けた選手に対する「ブーイング制裁」が許されるとは思えない。どうしても許せないなら、出場権に関するルール改定を求める運動をすればいいのであって、オリンピックの競技中や表彰式でブーイングを浴びせるなど、暴力での意思表明に等しい。

私は、オリンピックにブーイングは要らないと思う。
ブーイングが起こる「ブラジルならでは」のオリンピックなんて認めたくはない。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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