お湯を提供しないマックは悪?誰かを褒めるとき誰かを貶める風潮
イギリスのマクドナルドでホームレスの女性が「お湯ください」を頼んだところ、店員はそれを拒否した。それを見ていた男性客が「好きなものを好きなだけ注文してください」と申し出て、さらに自宅に他のホームレスを招待して食料を提供したという心温まるエピソードが話題になっている。
男性の行動は素晴らしい。
で、マクドナルド店員の行動は?
お世辞にも親切とは言えない。この話題を取り上げる記事などでも一様に「不親切な悪者」のようになっている。だが、この店員はそんなに悪い人なのでしょうか?
誰かを褒めるとき、誰かを悪者を仕立て上げなければ気が済まないという風潮に流されているのではないだろうか?
あなたは自宅にホームレスを招きましたか?
こういった状況で店員が独断で気を利かせることができるかどうかは、上長や経営者の日頃の態度によって大きく変わるだろう。
親切心や道徳を優先し、ある程度の融通を利かせた従業員を咎めないという日頃からの信頼関係を構築する努力をしているかが問題であって、就業中の行動は従業員個人の人間性ではなかったりする。
給料をもらって働く労働者が経営者が決めたルールや有料の客を優先するのはある意味当然のことであり、咄嗟の「独断」ができなかった労働者を悪者にするのは酷な気がする。
日本のマクドナルドでも「お湯」は提供してくれる場合があるが、原則的に何かを注文した客が対象のようだ。お店を構えて営業している以上はそれが当然ともいえるだろう。
ホームレスが何かを求めてきた時に断るのが悪で、助けた人の対極にあるというならば、なぜホームレスは今も存在するのだろう。
それは圧倒的に多くの市民がホームレスを助けていないからだ。
市民がその現実から目を逸らし、企業や労働者を「悪」とする風潮。
マクドナルドの対応を批判しているあなた・・・
あなたの街には空腹に耐えながら今晩も外で暮らす人々がいるかも知れません。その人たちを今日、自宅に招きますか?
招いた人は立派です。で、招かなかった人は悪人ですか?