スペースワールド魚氷漬けスケートリンクは何が間違っていたのか?

政治・社会

スペースワールド魚氷漬けスケートリンク

写真:スペースワールドHPより

テーマパーク「スペースワールド」(北九州市)が企画した、スケートリンクに5000匹の魚を氷漬けにした『氷の水族館』が大炎上。
ねとらぼがスペースワールドに取材を行い、その意図を聞いている。

賛否両論あるだろう。スペースワールド側の意図も全く理解できないわけではない。だが、スペースワールドが根本的に間違っている部分はここじゃない。

説明しなけりゃならない時点で『演出』じゃない!
説明不要なのが『演出』なんやで。
倫理についても配慮するべきだった。自らの倫理に反する行為を見せられるだけで侮辱されたような気分になることもある。気に入った人だけ来ればいいという姿勢でPRをしてしまったことは大失策であったと言える。

倫理と芸術的演出の境界

悪趣味であるというのは間違いないが、議論の的になっているのは『倫理』が中心のようだ。
一部では「生命倫理」と騒がれていますが、生命倫理は医療などの発達で「生命」そのものが操作できるようになったことから生まれた言葉である。哲学や宗教にも広く用いられる場合があるが、ここで生命倫理と定義して議論すると「魚はすでに死んでいた」で生命倫理の問題は終わってしまう。

では、単純に「倫理」の問題としてはどうだろうか?
倫理となると一般的な習慣などを含む道徳など、行動の規範や基準という見方をされる。生命倫理よりも一般的で誰でも感じたり接したりするものだ。それだけに判断基準は多岐にわたり、生まれや育ちの地域、宗教なども関わってくる。特に日本人は信教に対しての意識は低く明確に自らの信教を語ることが少ないが、文化や風習として仏教・神道・キリスト教を手本とした倫理観を持っている。

そういった倫理観からすれば、スペースワールドが企画した「魚が氷漬けにされたスケートリンク」は受け入れ難いものだろう。
そもそも、どの宗教や風習でも「踏む」という行為は最悪の侮辱であり冒涜である。氷で覆われているとはいえ、魚と物理的に接している氷を踏むことに違和感を覚えるのは当たり前の感情であろう。
これが氷の上に一枚ガラスがあったらその違和感も和らぐのだろうが、いずれにしても気分の良いものではない。そういった常識的な嫌悪感を上回るだけの美しさや神秘が演出できると思った企画者の認識が「なめるな」「ふざけるな」という多くの反感を買ったのだ。
賛否はあれど、これを喜ぶと思われたことが、それぞれの「倫理」を冒涜されたような気分になったのではないだろうか?

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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