カブトムシはスイカ食っても下痢しませんよ、マイナビさん。

いきもの関連

kabutogeri


今に始まった事ではないが、マイナビニュースのクオリティーが低すぎる。
最近の昆虫に関する記事だけでも、その酷さが分かる。
まずはこれ
「大人のためのクワガタ(成虫)の飼いかた」
(記事削除済)

この記者曰く、
「昔はクワガタのエサといえば砂糖水でしたが、水分が多いものは下痢を起こしやすく寿命が短くなる」
典型的な俗説(デマ)を書いてしまっている。

カブトムシにスイカをあげると下痢になる?

なりません。
変温動物であるカブトムシやクワガタムシの成虫は汗や尿で体温を調節できませんので、分泌や排泄で体温等をコントロールしていません。
同じ変温動物でも固形の餌を摂取する爬虫類や両生類と違い、摂取できる餌は樹液等から液体を毛細管で吸い上げるのみで、常に液状の排泄をし糞と尿の区別はないので当然、固形の糞をしません。
これを「下痢をしている」と誤認、さらにカブトムシが元から短命であることが相まって俗説となっているのでしょう。
この俗説を信じている人は多く、Yahoo知恵袋などではベストアンサーとなることもある。
しかし、昆虫の事を少しで勉強していればこんなデマにはひっかからない。

スイカに含まれる水分量と栄養価のバランスなどを考えた場合、餌としてスイカが昆虫ゼリーに劣るというのは事実かもしれないし、それが寿命に影響していることも否定はできない。
それでも「下痢をする」というのは誤りなのです。

自然下でもカブトムシの主食とされる樹液に全ての個体がありつけるわけではありません。
畑近くの腐葉土で繁殖し、そのまま作物であるスイカや果実に食いつく事も珍しくないのです。

育てた蝶は放蝶が原則?

続いての記事も酷い
「チョウ(幼虫)の飼い方」
(記事削除済)

クワガタの記事と同じ人が書いてるようですが、この記者曰く
「チョウを飼うならば、羽化したあとは放してあげることを前提で、飼うようにしましょう。」
困った人だ・・・

言うまでもないが「逃がさない」が原則です。
その個体が生息している場所、例えば「庭先で捕まえた蝶の幼虫を羽化させそのまま庭先に」っていう条件ならまず問題はないでしょう。
しかし、このへんの境界線(放蝶の是非)は曖昧であるため、原則は逃がさないという方向です。
逃がしてよいとするなら、それ相応の理屈や条件を明示して記事にしなければ誤った捉え方をする読者もいるでしょう。
他所から採集してきた個体を別所へ放蝶するなど論外ですし、それがどの程度生態系に影響するかも、予測も難しい。
詳しくはこの記事を読んで欲しい。
虫を野に放す理由とは何か?

どうしてこんなデタラメな記事に?

取材をしないからでしょう。
マイナビニュースの説明では、各チャンネルに専門の記者がいるらしいですが・・・
どうみてもネットで拾ったネタを繋ぎ合せて記事を書いている。

クワガタの「下痢」など専門の人は書きません。
しかし、一般的なブログなどでは俗説や知恵袋で拾った情報を誤って記載しているので、そこから引用して記事を書いてしまうとこのような事が起こる。

おまけに、もっと酷いのを・・・

マイナビニュースがユニクロのロゴを「QNIULO」という反日デモのときのコラ画像と間違えて掲載
http://getnews.jp/archives/291148

なんということでしょう・・・
目も当てらない。

今回事例として挙げた3件の記事は既に削除されている。
誤りの指摘があれば、即時削除するようだ。
記事へ自信と誇りを持って書いていれば削除せず、訂正記事なり反論なりすれば良いはず。「拾っては書く」という独自性の欠片もないことを繰り返して都合が悪ければ削除すればいいというスタンスか。

皆様の支援が必要です KSL-Live!からのお願い

【ご支援をお願いします】取材・調査・検証記事はコピペまとめサイトのような広告収入は期待できません。皆様からの支援が必要です。各種支援方法詳細

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

OFUSEで支援する

このサイトをフォローしよう




いきもの関連カブトムシ,デマ,放虫

Posted by ksl-live!