署名は粉飾か?石垣島陸自配備反対署名に同一名多数、市民団体「精査しないで!」不正を把握していた?

政治・社会

署名は粉飾か?石垣島陸自配備反対署名に同一名多数、市民団体「精査しないで!」不正を把握していた?

市民団体が配った署名用紙には「沖縄県石垣市」の文字が

石垣島への陸上自衛隊配備計画に反対する市民団体が集めた反対署名が、同一人物による重複署名が1千筆以上も見つかり「粉飾では?」と話題になっている。
同団体は、石垣市民で18歳以上を対象に署名活動を行い、石垣市の選挙人(有権者)3万8千人のうち1万4千人以上が署名したとして、石垣市長に署名を提出していた。しかし、市が署名を確認したところ同一人物が重複して多数署名していたことが発覚し、選挙人名簿との照合を進めているという。
出典:沖縄・石垣島陸自配備問題 市民団体が集めた反対署名に“粉飾”発覚 最大6重のダブリも 市の「精査」方針に団体は「やめて」と懇願 – 産経ニュース

署名を集めた団体は、9日に八重山毎日新聞が本件を報じたことを受け、14日に「精査中止」を求める声明を発表している。疾しいことが無ければ正々堂々とチェックを受けるべきではないだろうか?この慌てっぷりが逆に怪しく、市も調査を継続するだろう。
「雉も鳴かずば撃たれまい」
少し調べてみたが、この市民団体は不正な署名集めを知っていて提出した疑いがある。

市民団体の言い分が見苦しい

署名を集めた市民団体「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」は、石垣市に対して署名精査の中止を求めている。また、石垣市選挙管理委員会に対しては、選挙人名簿の開示をしないように要請もしている。

「市民連絡会」の署名は 18 歳以上の石垣市民を対象に集めたものである。市民とは、「市内に住み、または市内で働き、学び、もしくは活動する人」と自治基本条例に規定されており、選挙人名簿との照合の必要性はどこにも存在しません。
また、選挙人名簿の閲覧規定①登録の有無の確認②政治活動・選挙活動③調査研究のいずれにも該当せず、「精査」と称して選挙人名簿を閲覧することは閲覧の目的外利用で違法です。
参考:2017年11月14日市民連絡会の石垣市選挙管理委員会宛申し入れ「署名『精査』のための選挙人名簿の閲覧について」

もっともらしい御託を並べてはいるが、重複が千件以上見つかっているのに、精査もせずにこれを民意として市が受け取ることはできないだろう。

この団体は、市に対しては「地方自治法74条に規定される直接請求を求める署名ではない」として精査をしないよう求めている。

第 1 に、「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」(以下「市民連絡会」)が提出した署名は、政策的趣旨への賛同署名である。行政に求められるのは、受理義務と誠実に処理する義務である。
地方自治法 74 条に規定される直接請求を求める署名の場合は、署名者数だけでなく、有権者であるか否か、当該地域住民であるか否かなど正確な調査のための手続きが規定されているが、今回のような賛同署名には、手続き規定は存在しない。署名数の確定には重複チェックで十分であり、署名を選挙人名簿と照らし合わせ「精査」する行為は、どういう根拠に基づくものか明らかにされたい。
そもそも、当該署名は 18 歳以上の石垣市民を対象に集めたものである。市民とは、「市内に住み、または市内で働き、学び、もしくは活動する人」と自治基本条例に規定されており、選挙人名簿との照合の必要性はどこにも存在しない。
また、選挙人名簿の閲覧規定①登録の有無の確認②政治活動・選挙活動③調査研究のいずれにも該当せず、「精査」と称して選挙人名簿を閲覧することは閲覧の目的外利用で違法である。
出典:2017年11月14日市民連絡会の石垣市長宛申し入れ「署名に対する『精査』の中止を求める」

受理義務があったとしても、受理した署名をどう扱うかは別の話だ。同団体が主張するように自衛隊配備に多くの市民が反対ているのであれば、行政はそれに対応しなければならない。
こういった重要な判断をするにあたり、1千件以上も重複があった署名と判明した以上は、精査なしには参考にすることすらも難しいと言えるだろう。

市民団体は不正を認識していたはずだ

そもそも、石垣市で18歳以上の市民対象となれば、それは選挙人(有権者)とほぼ同数と思われる。住民票を移していない市民を含めたとしても、石垣市は「島」で構成されており、署名用紙の住所欄が「沖縄県石垣市」が印刷された状態で配布されていたことからして、島外からの一時的な滞在者は対象となっていない。
参考:署名用紙(2017年7月11日)

石垣市選挙管理委員会によると、石垣市の選挙人は2017年9月1日の時点で38501人となっている。このうち14000人という署名数は選挙人の36%にもなる高い数字と言えるだろう。
しかし、14000署名のうち1000件以上も重複が見つかったということは7%が不正であり、署名用紙を数枚めくるだけで同じ名前が出てくるという、実にあからさまなものだ。これは、市側が疑いを持っていなくとも確実に発覚していただろう。ここまでの確率で重複すれば、何よりも署名を取りまとめた市民団体が「不正」を認識していたはずだ。
こんなデタラメな署名を堂々と市長に渡し、いざ不正が発覚したら「精査しないで」は通用しない。
これこそ正に「自称・市民」である。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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