T字路(ティー)か丁字路(てい)?は「語彙力」の問題ではない


黒板にアルファベットを書いて英語の授業をしている、白人の先生のイラスト
T字路か丁字路か?
この認識を巡って炎上騒ぎが起こっている。

お年寄りが道案内で「ていじろ」と発言したことを出演者が笑ったことが、「馬鹿にしている」とか「丁字路が正しい」などと批判されているようだ。
単語として丁字路と書いて「ていじろ」と読むのは正しい。一方、T字路と書いて「てぃーじろ」と読むのも正しい。
問題はT字路のアルファベットの部分を「てぃー」と読むか「てい」と読むかのだが、これはどちらも間違ってはいないだろう。
なぜなら、どちらの発音でも頭に浮かぶ文字は同じか、意味が同じで通じているからだ。この程度のことで「芸能人の語彙力」とタイトルを打つJ-CASTニュースもどうかしている。

TやDが発音できない人もいる

11月4日放送の日本テレビ系「ヒルナンデス!」で芸人の陣内智則さんらが道を尋ねた際に、お年寄りが「ていじろ」と説明したことを笑いのネタにしたことが事の発端だ。
この男性が「ていじろ」と発音する理由は二通り考えられる。
一つは、今回の炎上でもしきりに指摘されている『丁字路』という漢字の丁(てい)を使った言葉が古くからあり、お年寄りや文学に馴染みのある人が使っているという可能性。
もう一つは、高齢者にはアルファベットの「T」や「D」を発音できない人が多いということだ。Tを「てい」、Dを「でー」と発音する人は珍しくはない。頭の中でアルファベットを浮かべても発音が「てい」であった可能性は大きい。

この二つの可能性がある以上、J-CASTニュースのように「発覚した芸能人の語彙力」という批判も間違っていることになる。
Dを「でー」と発音するのと同様にTを「てい」と発音したと思い、お年寄りを笑いのネタにしたことが問題なのであって、お年寄りが「丁字路(ていじろ)」という単語を知っていて、それを知らない芸能人が無知というような論評は本末転倒ではないだろうか?

人の発音を笑うのは良くないことではあるが、古い言葉を知らなかった程度のことで「語彙力」が無いかのような批判も上品ではない。
知ってるものが知らないものを笑う。それも一般的ではない「丁字路」という一つの言葉を知らなかっただけでその人を評価してしまう。

この問題は「丁字路が正しい」とかいう事ではなく、人の発音を笑ってネタにしてそれを放送した制作サイドの問題。
もし「丁字路」という言葉が無かったとしても、お年寄りの発音を笑って良いことにはならないのだ。

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