NETGEEKの「蓮舫の戸籍謄本GET可能」を弁護士が一様に否定、懲戒事例も
高須クリニックの高須克弥院長が、民進党の大西健介議員と蓮舫代表を提訴するという話題。パクリサイトのNETGEEKがデマと捏造で混乱させている。
参考:訴訟を起こした高須克弥院長、蓮舫の戸籍謄本をGET可能に。これが狙いか | netgeek
結論から言うと、名誉棄損や損害賠償請求の民事訴訟に戸籍謄本は必要なく、職務上請求で目的外取得した場合、懲戒は確実で過去にも同様の事例がある。
また、NETGEEKの記事は某大型掲示板に半ば「ネタ」として投稿された情報を、まとめサイトが真実であるかのように再編集したものをパクったものであることが判明している。
NETGEEKより2日早い→【民進党崩壊】 高須院長、蓮舫を提訴「悪徳美容外科と同列にされた」→蓮舫さかの戸籍謄本開示請求 クル━━━━(゚∀゚)━━━━!! : 政経ワロスまとめニュース♪
弁護士らが一様に否定する戸籍開示
高須院長がツイッターにNETGEEKの記事を掲載していることから、あたかも戸籍開示が目的で確定のような情報が飛び交っている。しかし、弁護士らは一様にこれを否定し過去の懲戒事例などを挙げている。
ツイッターでは多くの否定コメントがあるが、その中で弁護士のコメントのみをまとめてみたが、戸籍開示を肯定する意見は皆無だ。
そのとおりだし、だからさすがに与太話だろうとは思うんですよね。高須院長自らが取得するって述べたわけではないみたいだし。 https://t.co/c1qaeZg72S
— ystk (@lawkus) May 22, 2017
こ、これは・・。https://t.co/D4JMrrIyTK
— スラ弁(弁護士大西洋一) (@o2441) May 22, 2017
職務上請求により戸籍を取れるのはあくまでも弁護士だし、目的外の使用は許されない。
訴訟を起こした高須克弥院長、蓮舫の戸籍謄本をGET可能に。これが狙いか https://t.co/HWk9Ectn6I
— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) May 22, 2017
通常、職務上請求で取った相手方の戸籍や住民票は依頼者にも写しは渡さない。あくまでも弁護士の職務のために取るものであり、内容が流出した場合に、弁護士が責任を問われるから。民事訴訟の証拠として提出したとしても、蓮舫氏が閲覧制限の申立てをすれば、第三者は閲覧できない。
— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) May 22, 2017
伊藤芳朗弁護士は、以前、マスコミから頼まれて芸能人の戸籍謄本を入手し金銭を受け取っていたことで、業務停止4か月の処分を受けているので、戸籍謄本の取り扱いには人一倍慎重になる筈なので、戸籍謄本目当ての訴訟ということは、さすがにないでしょう。スラップ的な無理筋訴訟ではありますが。
— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) May 22, 2017
民事訴訟一般について被告の戸籍はいらない。高須クリニックの訴訟の件で職務上請求自体がありえないと思う。一方、国会議員は立候補届け出に日本国の戸籍が必要だから、蓮舫に国籍問題という問題は存在しない。
— 渡辺輝人 🇺🇦連帯 (@nabeteru1Q78) May 22, 2017
別に戸籍謄本取得するのに、訴訟を提起をする必要はないよ。また、弁護士が依頼者の権利実現のために取得した戸籍謄本を一般に公開したら懲戒確実なので、そんなアホなことをする人はいないと思うよ。
もうちょっとマシな推論を。
https://t.co/cK6TSUrOqQ— 中村剛(take-five) (@take___five) May 22, 2017
政治資金収支報告書に住所が出ているので、そこを送達先にすればいいだけで、戸籍を取得する必要性はない。
名誉毀損訴訟でも国籍問題は争点になりえないから、主張立証との関係でも取得する必要性はない。本当に職務上請求で取得したら、今度の懲戒は年単位の業務停止か、退会命令でもいいと思う。 https://t.co/dxqfY2vKQk— 蛇毒 (@bigbrother939) May 22, 2017
戸籍法10条の2第3項で弁護士は、「受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合」に取得できます。戸籍を取る必要が本件訴訟では見当たりません。
— 蛇毒 (@bigbrother939) May 22, 2017
そもそも真の目的が蓮舫の政治責任の追及で、そのために戸籍を取得することを考えて、無理筋訴訟であるにもかかわらず被告に加えたのだとすると、弁護士の扱う「法律事務」(受任事件)ではないもののために、職務上請求を使用したことになり、戸籍法違反となる可能性が高いように思います。
— 蛇毒 (@bigbrother939) May 22, 2017
ツイッターで流れてきている無理筋訴訟を提起して、戸籍謄本を職務上請求で取得しようとする弁護士という話、元ネタはわからないのだが、もし高須院長と蓮舫の件だとすると、実際に高須院長の代理人弁護士が職務上請求で蓮舫の戸籍を取得したら、確実に弁護士は懲戒されると思う。
— 蛇毒 (@bigbrother939) May 22, 2017
そもそもNETGEEKが示した法務省の見解でも「必要があるような場合」とされており、当然ながら必要性を偽ったり別目的で取得した場合は懲戒の対象となる。
また、蓮舫代表は公党の党首であり「公人中の公人」であり、本人確認は公職選挙により行われており、書類の送達先も明確になっている。相続など縁戚関係などを確認するような事例でもなく、戸籍の開示請求に至る正当な理由は見当たらないというのが弁護士の見解のようだ。
過去の懲戒事例をまとめたサイトでは、高須院長の代理人の名前も出ている。
参考:職務上請求で懲戒処分となった例 ( 事故 ) – 弁護士自治を考える会 – Yahoo!ブログ
ただし、これらの事実を認識し覚悟したうえで、高須院長が蓮舫代表に揺さぶりをかけているという意見も多数みられる。
そもそも高須院長側から「戸籍開示」という話は出ておらず、提訴に至る意図を憶測により書くことは許されないだろう。通常なら、懲戒対象となるような内容を流布されたことによる名誉棄損も考えられるのだが、その場合、NETGEEKは「パクってきた記事なので僕は関係ありません」と言って逃げられるだろうか?
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