【声かけ事案】「クワガタあげる!」で虫おじさんが通報される
ある男性が「クワガタあげる!」と子供に声をかけたところ「声かけ事案」として情報公開された。
世知辛い世の中になったものだ。
子供を狙った犯罪の予兆を察し、警戒することは間違っていない。
だが、子供が怖がったからと言って、すべての事案を犯罪予兆として情報発信すると「オオカミ少年」のような現象を生み、逆に警戒心を失わせる。
なによりも通報された人は犯罪者のように扱われ、そこに人権が入り込む余地もない。特徴で人を忌避する差別やイジメのようなものだ。
警察は「不審点」の詳細を伝えるべきでは?
何が不審で何が危険なのか?
重要なポイントが完全に抜け落ちた「不審者情報」を発信することは、警察の横暴と怠慢と言っても過言ではない。今回の事案を見てみると、警察が周知するような事案には見えない。
客観的なポイントしては、
・クワガタの模様の服を着た男
・突然「クワガタあげる!」と声をかける
この2点だけだ。
クワガタの模様のTシャツは普通に販売されている。
(ドラゴンスリーライン) NightMarket キャラシャツ Movie モンスター 半袖 Tシャツ (M, サンドカーキ)
※写真の商品は本件のTシャツではありません。
昆虫採集や飼育を趣味とする者が、仲間内でオリジナルTシャツを作ることも珍しくはない。
この点を不審点に挙げているのではなく、あくまで人物の特徴として発表しているのだろうが、情報が少なすぎて「クワガタ模様」が不審点と誤解される。
「クワガタあげる!」も、昆虫を趣味とする者ではありがちなことで、とにかくあげたがる。
突然声をかけるという行為が不審なら「こんにちは」から入ればいいのか?
だが、過去には「こんにちは」「さようなら」が不審とされた例もある。
もう、声を掛けること自体が不審者なのか?
実際は「こんにちは」「さようなら」以外に不審点が満載であったから通報されたのだろうが、情報が少なすぎて何が不審なのか解らない。判断が難しいところではあるが、詳細が発表されている事案では実際に「怪しい」事例もある。
車から声をかけ、後をつけ、車に乗るよう誘う。これは危険だ。
どう考えても本物の虫おじさんではない。
とは言え、本物の虫おじさんもそこそこ怪しいんですが・・・
自分が「怪しい」という自覚を持っていないと通報され、自慢のクワガタTシャツが不審者の特徴として発表されるかもしれませんね。