
野党も批判動画を依頼していたのか?
文春の記事では、投開票の翌日に削除されたされる批判用アカウントがなぜ報道直前まで残っていたのか?
総裁選や衆院選で高市陣営が対立候補の中傷動画を大量に流したとされる問題で、実際に動画を作成したとされる松井健氏が共同通信の取材に応じ「首相を含む与野党約50人の陣営から対立候補に関する動画などの作成を頼まれた」と証言しています。与野党ということですから、野党も頼んでいたということです。
かなりのカオスになっていて、もう何を信じていいのか分からなくなっている人も多いと思いますが、この手の稼業にありがちなトラブルの特徴がよく出ているケースで、見えてきた背景について解説したいと思います。
後半には実際にネガキャンが行われたとされるTikTokの画面を皆さんにご覧いただきますが、文春の記事内容に明らかな嘘があったことが分かりますので最後までお付き合いください。
野党も松井氏に依頼していた?
まず共同通信のインタビューで松井氏が語った内容を要約します。
・総理の秘書から総裁選で小泉陣営を逆転するための相談を受けた
・小泉・林陣営を批評する動画を提案した
・1000~1500本を独自のAIで生成し300個のアカウントで拡散した
・中傷に当たる表現は避けるようAIに指示した
・衆院選では首相を含む与野党約50人の陣営から対立候補に関する動画などの作成を頼まれ、20人に協力した
・いずれも無償で請け負い、広告収入も得ていない
・秘書とのメッセージを共同通信が入手し、電話番号を秘書本人のものと確認
出典:総裁選で小泉氏批評動画 首相秘書から相談と作成者 | NEWSjp
ざっとこんな感じなんですが、ポイントは野党の関与と中傷は避けていたというところでしょうか。
まず野党の関与ですが、これが国民民主党とかなら国会での追及に影響はないと思います。すでに玉木代表が松井氏に動画の依頼をしたことがあることを認めて何の問題視もされていないし、構図としては自民・維新・国民・みらいとその他野党という対立構図があるので、立憲民主党とかの名前が出てこない限り、野党が国会追及から手を引くことはなさそうです。
立憲民主党は過去に特定のネットメディアに資金提供したり、広告代理店や謎の会社を通じて億単位の資金が広報に使われていたことが指摘されていますが、これは枝野福山体制の旧立憲民主党で当時の主流派によるものです。
立憲民主党は本体が多額の資金を投入する一方で、個々の議員のプロモーションはかなり貧相で、松井氏のような人物に個別に依頼をするというのも無くはないと思います。
程度にもよりますが、私が選挙取材で接触した野党の議員でも「応援してくれますか」という話をしてくる人はいます。無論、違法な選挙応援ではなく無償で動画に手心を加えて欲しいという意味ですが。明確に動画の編集や不都合な部分をカットし、公開のタイミングなどを指示してきた政党が一つだけありますが、かなり厳しめの説教をして断ってます。
こういうことは罪の意識もなく普通に野党もやっているということです。ちなみに自民党関係者から、動画に手心を加えたり指示を受けたことは一度もありません。
恩を売って信用を得るビジネス
この松井氏のやってるビジネスモデルがどういうものかというと、無償で協力をするという形をとって恩を売り、その議員の信用をもとに別の事業を展開するというものでしょう。それがまさにサナエトークン騒動だったわけです。
与野党でどちらも協力しておくのも常套手段で、どちらかが裏切ったら一方に情報を流し牽制することができます。今回は野党もやっているという証言が出てきたわけですが、これにより少なくとも一部の野党議員は委縮するわけですが、党内で情報が共有されているわけでもないので、空気読めない議員はこれからも追及するでしょう。
松井氏としてはサナエトークンの追及をされるのが都合が悪いので、情報提供者側として野党やメディアの側に立つことで自身への攻撃を回避しているのでしょう。なんだか前川喜平が天下り斡旋の悪人から、政府にもの言う教育者みたいな扱いになったのと似ています。
今回の証言が真実であるならば、思った以上に闇が深いのが与野党で50人が松井氏に頼んできていたということです。そのうち20人に協力したようですが、半数以上を断るほど協力の相談が多かったことは注目すべき点です。
これも単なるホラである可能性もありますが、50人からの相談というのが事実ならば、政界では誰もが知るという立ち位置であったか、松井氏に仲介をする人物がいて、断られた議員はそれが松井氏の案件だったということにも気が付いていない可能性もあります。
高市陣営絡みの動画だけで数百万円が松井氏側の持ち出しだったということですが、20人合計でどれだけのお金をかけたのかも気になるところです。それだけの出費を伴ってもリターンが見合うスキームだったということでしょうか。
物的証拠の提示はあるのか?
それもこれも松井氏の証言が事実であれば、という前提になってしまいますが、AIで動画生成するにあたってプロンプトで誹謗中傷を避けるなど、それなりにリアリティがある説明ではあります。立憲民主党や中道改革連合は、中傷動画によって選挙に負けたということにしたいようですが、松井氏がプロンプトでそこは避けたという説明をしているので、その筋はもう消えたと言っていいでしょう。
あとは文春の紙面や中途半端な動画音声ではなく、松井氏側が物的証拠を提示できるかどうかの問題でしょう。共同通信は電話番号でメッセージが高市事務所の秘書だったことを確認したとしていますが、まさか画面上で番号を確認するというマヌケなことはしてないと思いますが、SMSの表示名を偽装することは可能なので端末そのものを確認しなければなりません。
批判アカウントは残っていた
文春は証拠とされるものを小出しにするいつもの手法ですが、AIであっても動画を投稿するためにはファイルの生成が必要なので、TikTokを削除しても松井氏側のパソコンには編集動画は残っているはずです。
文春の記事では総裁選の直後に「ほぼ全てのアカウントを消去」とされており、文春が入手した3本の動画は松井氏側の保存ファイルと思われましたが、実際には報道がなされる少し前の4月24日までアカウントが残っていて、ネット上にアーカイブとして保存されています。アカウントは文春が保存後に削除されており、総裁選から半年経ってもフォロワーは18しかなく、再生数は約3000、4000、9000とTikTokとしては平凡な数字でバズっている形跡はありません。

2026年4月24日 08:54:03 UTC
2026年4月24日 09:55:31 UTC
※19人目は文春のスクショ後に増えているので文春関係者?
なぜ残っていたはずの証拠を消すのでしょうか?文春報道の直前に削除するということは、アカウントの中身を精査されると都合の悪いことがあったと考えるのは私だけでしょうか?
まさか文春はこのショボいアカウントひとつだけを確認して、松井氏側の証言を全面的に信用して記事にしたのでしょうか?松井氏の証言を信用するには、これ以外にも多くの証拠を持っているはずなんですが何一つ出てきません。
こんなアカウントを何百個作ったところで選挙情勢は変わらないし、小泉氏や林氏を批判するアカウントは数年前から数えきれないほどに存在していたので、そこに松井氏が300個のアカウントを加えたところで意味をなさないでしょう。
いろいろと文春も怪しいわけですが、一方で松井氏のように成果があったかのように見せかけて恩を売るという手法は他でもよく聞く話なので、まったくなにもなかったというわけでもないでしょう。
ネット上では高市事務所と松井氏のどちらが本当のことを言ってるかで、世論を二分するような争いが生じていますが、こういう胡散臭い案件絡みでは「どちらも嘘を言っている」というパターンがあります。
正直、高市総理の秘書がまったく松井氏と接点が無かったというのは、もう苦しくなっていて、接点があったが誹謗中傷の依頼はしていないというのが落としどころになりそうです。
いずれにしても、このTikTokのショボさを知れば、総裁選や衆院選の情勢を変化させるほどの効果が無かったことが理解できるでしょう。YouTubeでもXでも、うちに支援をさせてほしいと売り込みに来る業者がいますが、どこもうちよりも小さいアカウントしか運用実績が無く、自分より勢いのない人間に何も頼むことは無いので全部断ってます。
そういう世界なんです。
今回のようなケースは、どちらにも肩入れしないのが無難ですが、さすがに文春はTikTokの低い再生数に言及しなかったのは悪意があったんじゃないでしょうか?
とりあえず高市総理サイドは、削除されたはずのアカウントが4月24日までは存在していて、齊瀬も全然されていないことを野党に突っ込んでみてはどうでしょうか?


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