また捏造!ワイドナ松本人志、ネカフェ難民に「路上で頑張れ、働いて」の事実なし、放送文字起こし検証

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また捏造!ワイドナ松本「路上で頑張れ、ちゃんと働いて」ネカフェ難民以外への発言、放送文字起こし検証

18日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系列)で、住居がないネットカフェ難民を取り上げたニュースで、ダウンタウンの松本人志氏がネットカフェ難民に「ちゃんと働いて」「路上で頑張れ」と発言したとされる問題。

放送を見ていた人ならわかると思うが、そもそも番組内VTRには、生活に困窮してネットカフェ難民になった人は出演しておらず、出演していたのは、自らの意思でネットカフェで暮らし、今の暮らしを「住めば都、ゲームずっとできる」などと答える31歳の男性に対してのものである。

先日の三浦瑠麗氏の「スリーパーセル問題」を差別やヘイトクライムにつながると批判していた町山智浩氏は、そもそも一言も発言していない「在日朝鮮人」というワードが捏造で追加された5ちゃんねるをソースとしてことが判明しているが、今回も似たようなものだ。
参考:検証!三浦瑠麗のスリーパーセル発言「大阪は朝鮮人が多い」放送では発言なし、情報ソースも5ちゃんねる

今回は「下流老人」の著者である藤田孝典氏が実際の放送を確認せず、日刊スポーツの誤報と不確実なツイートを引用して拡散したことが発端のようだ。
当サイトでは、実際の放送内容を以下に書き起こしてみたが、これを読めば、やはり発言の対象はネットカフェ難民以外の別の人物であり、それも想定の話に対する冗談が含まれていることが分かる。

書き起こし検証の結果、事実なし

藤田孝典氏は日刊スポーツの記事を引用しているが、この記事では別々の話題の発言をつなぎ合わせており、ネット情報ではなく本当に番組を確認して書いたのならミスリードと断定して良いだろう。
引用しているツイートも事実とは異なるもの。

番組内で流れたVTRで紹介された店舗の概要は以下、

店の名前は「サイバーアットカフェ新宿歌舞伎町店」
飲み放題のドリンク食品・日用品から洗濯機(使用料309円)やシャワールーム(使用料309円)を完備する。一畳半の個室内にはテレビもあり、パソコンも使い放題、30日以上の長期コースなら1977円と格安。
64部屋ある個室の利用者の8割が1か月以上の長期滞在、客の多くが30代から40代で店内の奥には長期滞在者が集中し、長い人で5年以上滞在している。

テーマは「ネットカフェ難民」であったが、VTRでは自らの意思でネットカフェで暮らす男性のインタビューのみ。インタビューの書き起こしが以下、

Q 利用期間は?
1か月くらいですね。今のところ家がないので、決まってないので。(家を)契約してないって感じですね。
最初はこういう場所って、寝づらいじゃないですか。狭いし足も伸ばせないんで・・・
慣れましたね、そうですね、住めば都ですかね、一言でいうと。

ナレーション
男性は31歳 今年1月に北海道から上京
ネットカフェを転々と滞在して、もうすぐ1か月になると言います

Q 生活費はどうしているのか?
お金は路上ライブで稼いでいます。
(1日の収入が)ゼロっていうのはなかなか無いですけど、100円の時もあれば1万円近くいく時もあるかなっていう感じです

Q 今の生活について
楽しいですよ、すごく。
ゲームはWi-Fi(使い放題)でずっとできるし、ネットでYouTubeとか動画とかもずっと見れるし、毎日飽きないですしね

Q 今後について
今の場合だと、お金を貯めるというよりは、ほんと毎日「繋ぎ」ですね。
とりあえず毎日考えながら、どうしようかなと思いながら、でも(路上ライブ)やらないと死んじゃうので、とりあえずやって、また帰ってきて考えて何しようかな。
諦めて本とか読んで、1日終わっちゃうんですけど。
もしあれだったらもう路上ライブやめて、普通に仕事してお金貯めてっていう風にも考えてますけど

VTRが終わりスタジオトークが始まる。
※書き起こしは公正公平を期すため、冒頭から全て記述しています。長いですが、問題となった発言部分には色付けと検証結果を書き加えています。

東野「ネットカフェ難民のニュースですけど、古市さん、こういう状況だということ・・・」

古市「30台で、夢を追うためにネットカフェ、別にいいと思うんですよ、自分の人生だし。ただ報告書とか見てみると意外と40代以上も多くて、けっこう40代50代でネットカフェヘビーユーザーもたくさんいるんですね」

東野「東京都の調査で、東京都一日平均オールナイト利用者が約15300人と推計されますと、住居のない泊り客の年齢が、30歳から39歳が38.6%と最も多く、次が50歳から59歳が28.9%と多いんですよね」

古市
「だから、昔でフリータって言ったらイメージ的に若者が多かったじゃないですか、でも例えば、昔フリーターだった人が今どんどん高齢化してて、40代50代になりつつあるわけですよ。だからそれで一生いいの?って話はありますよね。健康なうちはいいけど50代60代で体にどんどんね、健康とかも悪くなって病気になったりとか、逆に親が介護になったり親が死んだりした場合にどうするの?っていう問題があって、だからフリーターの高齢化みたいな問題で考えるとこれってけっこう悩ましいなと思いますよね」

東野「ネットカフェ難民とは24時間営業のインターネットカフェなど寝泊まりしながら、日雇い労働や請負など不安定な仕事で生計を立てている人たちを指します。仕事を辞めたことがきっかけで、家賃が払えなくなって事実上のホームレスとなったケースが多いと。条件がいい就労先を探そうとしても、きまった住所が無いから支障になるといった悪循環に陥ている。と、いうことでずっとここで住んでいるという状況ですね」

古市「だから、貧困が見えにくくなっていて、昔だったらホームレスとか、そういう人たちが住む街があったじゃないですか。でも今はネットカフェにいるから。実際はネットカフェには一晩泊る普通の子もいて、そうじゃない人もたくさんいるから見分けがつかないっていうか」

東野「これね、指原さんネットカフェ行かれますか?」

指原「はい。よく利用してます。個室だし本当にそれこそさっきも言ってましたけどWi-Fiとかもあるし、家帰るほどじゃないけど1、2時間とか」

松本「えー」

指原「寝れるし。たぶん皆さんが思ってるよりずっと本当に快適で、ご飯とか頼めばくるし、シャワーもあるし、普通に過ごしてますよ」

東野「こういう風に過ごせばいいけど、住みだして。ね、いてます?行くところにそういう人、らしき人とか」

指原「います、普通に。でも、その人たちも皆さんも住めば都っておっしゃてたように皆さんも、その、どうしようかなとか、苦しいなとか考える暇もないくらいやることいっぱいあるというか」

東野「朝出て行って、日雇いの仕事探して、日当貰って、また帰ってきての繰り返しみたいな」

指原「その日暮らしみたいな」

古市「やっぱりあの、家を借りる場合って一番はじめにお金がかかるじゃないですか。敷金とか礼金とか、だから実際この一晩2500円だとかすると1か月で6万とか7万とかいるわけじゃないですか。普通に本当は借りられる。でも住んじゃう。」

東野「長期滞在用のネットカフェ利用とかでも、利用者の8割が長期で利用していて、30代か40代が比較的多くて、男女比率が7対3、最長で5年以上利用している、これ新宿歌舞伎町店、サイバーカフェなんですけど、ピーコさんこういう風になってます」

松本「どうですか」

ピーコ「わたしはあんまり、そういうところに行かないから、今見てて普通私たちの考えね、私くらいの年の人は30代とか40代っていうのが一番生きてて、仕事もきっちりできて働き盛りのときに、その人たちがそこに多いっていう事態を、ただただ都の調べでこれだけいますっていうだけで、パンと話すだけでね、その人たちがでも、いくら日雇いに行って仕事しても、そこから抜け出ていく手立てはないわけでしょう?」

古市「だから、例えばこの調査見ても、誰にもこのこと相談してないっていう人いるんですね。本当はNPOだとかいろんな行政に頼んだら、もしかしたら手段があるかも知れないけど、その一歩がまず踏み出せないとか」

松本「わからんように、ちょっとずつ狭くしたったらどうですか?」

検証
この発言に至る経緯は、ピーコ「抜け出す手立てはないんでしょ」→古市「あるのに相談もしない人がいる、一歩が踏み出せない」→一歩を踏み出させるために松本は「ちょっとずつ狭くしたったらどうですか?」と言っている。
困窮者を狭くして追い出すなどとは言っておらず、抜け出せるのに抜け出さない人が、自発的に行動する手立てとして冗談半分に発言している。

東野「追い出す話じゃないですから」

松本「いやでも、そうかみんな優しいな、話を聞いてると。俺、若干イライラしてきてる」

指原「 えっ、何でですか?」

松本「ちゃんと働いてほしいから」

検証
流れ的に見て、住む場所も決めず上京し、路上ライブで稼いで快適にネットカフェ暮らしをする男性や、先ほどの「抜け出せるのに抜け出さない人」に対しての発言である。「働け」ではなく「ちゃんと働いてほしい」と発言しているので、全くの無職に対しての表現でもない。
東野氏が「ちゃんと働こうとしてるけど、なかなかうまくいかなかった人」の話題を出したのは、この発言以降。
インタビューの男性も「もしあれだったらもう路上ライブやめて、普通に仕事してお金貯めて」と答えており「ちゃんと働いてほしい」は松本氏の自然な感想でもある。

東野「ちゃんと働こうとしてるけど、なかなかうまくいかなかった人の・・・」

ピーコ「でも、そういう人が良い方向に行かないで悪い方向に行っちゃうことだって考えなきゃいけない」

古市「松本さんじゃあ逆に、このネットカフェ今から無くしますっていったら、その人たちどこに行っちゃうと思います」

松本「路上でまず始まるんだろうね」

古市「そこまでいかないといけない?」

松本「でも、路上で始まるほうが俺はチャレンジしてる感じがするけどな」

東野「もうここまで来たから、あとはもう上いかなあかんということですか?」

松本「路上なら頑張るんじゃないんかな、なまじっかこれがあるからさあ」

古市「でも、そもそも路上に居ついちゃう人もいるわけじゃないですか?」

検証
困窮者に「路上で暮らせ」などという趣旨は前後を見ても一切ない。これも、古市氏が路上ライブでネットカフェ暮らしを選んだ男性らを想定し「すぐにネットカフェが無くなったらどうするか?」という現実味の無い質問をし、松本氏は路上ライブとかけて「路上でまず始まるんだろうね」と発言。また、「路上で始まるほうが俺はチャレンジしてる感じがする」は明らかに路上ライブでの見え方を指している。しかもこれは、あくまで古市氏の「もしも」の話に対して答えたに過ぎない。

松本「いや、こんなもん蟻塚みたいなもんやから、蟻塚はアリクイが来るからね」

東野「でも我々とか指原さんとかは、マンガや読みたいとか・・・」

松本「アリクイのとこ、もうちょっと、舐(ねぶ)ってえ、アリクイだけに」

東野「でも、ていうとこもあるし、だから社会問題なんですよ、そういう意見もあるし」

松本「なんかもうちょっとみんな、ちょっとみんな甘いな」

東野「優しいと思いますか?」

松本「うん。優しい」

古市「でも、本当は例えばヨーロッパだったら、そもそも人が住むってことは権利だから、ネットカフェなんて民間に任せないで、ちゃんと行政が責任もって、住む場所をちゃんと与えてあげますよってことをしなきゃいけないところを、たぶん日本はそういうところをあまりやってなくて、結果的にネットカフェがそういう場所になってる」

東野「なってるってことでしょ、だから行政がそういう人のフォローを、ケアをしたほうがいいということで」

犬塚弁護士「でも、松本さんがおっしゃる通りで、優しくし過ぎること自体が本人のためになるかどうかで、結局福祉の問題ってのは非常にさじ加減が難しいですね」

検証結果まとめ

①問題となっている松本氏の発言はすべて「自分の意思で北海道から上京し、最初からネットカフェを住居に選んだ男性」に向けられたものである。
②古市氏らが様々なパターンについて発言しているが、松本氏はVTRの男性に苛立ち、発言の機会を伺っていたために、他の発言者の想定する困窮者と混同して解釈された。

抜け出せるのに抜け出さない人について「ちょっとずつ狭くしたったら」と冗談を言い、今の生活がダメだったら路上ライブをやめて働くという男性に「ちゃんと働いてほしいから」と願い、古市氏が「もしネットカフェが無くなったら」という、あり得ない想定で質問したことに対し、路上ライブで暮らす男性を指して「路上でまず始まるんだろうね」と言っているだけ。

何か問題ありますでしょうか?

前週の三浦瑠麗氏の「スリーパーセル」に関する発言を批判していた者たちが、それが5ちゃんねるの捏造タイトルに釣られた批判であり、差別的な表現もなければ「在日朝鮮人」という発言も無かった事が判明し逆恨み、その尾を引いていたものと思われる。
批判ありきで番組を視聴して、話の流れを無視して騒いでいるだけだ。切り取りどころか、別の話題や対象者に対する発言を貼り合わせた捏造と言っても過言ではない。

関連:検証!三浦瑠麗のスリーパーセル発言「大阪は朝鮮人が多い」放送では発言なし、情報ソースも5ちゃんねる

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