検証!辻元清美議員も使っていた!安倍総理の「森羅万象」発言、国会では野党含め211回も使われる言葉

政治・社会

安倍総理の「森羅万象」発言、辻元清美議員も国会で使っていた!政治の場面では「全て、広範」などの意味

 6日の参議院予算員会で、安倍首相が「総理なので森羅万象すべて担当している」と発言したことが話題となっている。言葉の本来の意味からすれば明らかな誤用であり、「宇宙を含むすべてのもの」という意味とすれば不遜な発言にも聞こえる。
 しかし、この言葉は「全て、広範、あらゆるもの」を表現する際に、国会では普通に使われており、国会議事録データベースで検索すると211件もヒットするのだ。使用の意図は別として安倍首相や足立康史議員(維新)がよく使っているようだ。野党議員も度々この言葉を使用しており、平成28年民進党時代の辻元清美議員(現・立憲民主党国対委員長)も同様の意味で使っている。

 きょうは全大臣いらっしゃいます。もう一つは、全大臣そろっていらっしゃいますのでちょっとお聞きしたいんですが、皆さん所管されているそれぞれの所管、日本の国民の暮らしやさまざまな社会を守っていく上で、ほぼ森羅万象、きょうおそろいの全大臣が所管されていると思いますが・・・
出典:衆議院会議録情報 第192回国会 予算委員会 第2号

過去に逢坂議員が森羅万象でやりとり

 安倍首相の森羅万象発言に関しては、平成29年11月28日の衆議院予算員会でも立憲民主党の逢坂誠二議員と問題なくやり取りしている。
出典:衆議院会議録情報 第195回国会 予算委員会 第3号

安倍内閣総理大臣 価格決定につきましては、これはまさに財務省理財局、近畿財務局で交渉したことでございますから、むしろ当事者あるいはその責任者が説明するのが当然のことであろう、こう思うわけであります。
 政府が取り扱っている森羅万象全てを私が説明できるわけでは当然ないわけでございますから、当然その部署あるいは担当の大臣が説明をするということになるんだろう、こう思いますし、また、加計学園のプロセス、特区におけるプロセスについては担当大臣、あるいはまた認可についてもやはり文科大臣ということになるんだろう。いわば政府として丁寧に説明をしていくということでございます。

 ここから数回のやり取りがあった後、逢坂議員が以下のように発言している。

逢坂委員 総理、ありがとうございます。その言葉を聞いて安心いたしました。
 総理の丁寧な説明という言葉が、ともすれば国民の皆様には、一から十まで、先ほど森羅万象という言葉を使いましたけれども、全てを総理が説明するかのように受けとめられている方もいらっしゃるかもしれませんけれども、そんなことは行政組織上不可能な話でありまして、総理がやれるのは、やはり、つかさつかさに対して、きちんと説明しろ、物を隠すな、ちゃんとやるんだぞということを言うことが私は大事なことではないかというふうに思いますけれども、改めて、それでよろしいですね。

 逢坂議員は、首相と「全てを把握して説明できるものではない」という認識で一致しており、その際に森羅万象という言葉を使うことには異を唱えていない。世間で指摘されているように、安倍首相の「森羅万象」発言は厳密には誤用であるが、国会では問題の無い表現であり意味が通じている。

 この発言で、日刊ゲンダイは「神の領域にまで誇大妄想が広がっている」とまで書いているが、メディアなら辞書を引くだけでなく背景や実情まで調べて批判するべきだろう。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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