緊迫の動画「日本共産党に公選法違反を指摘したら暴行を受けた！」区議が公開、コマ送り検証の結果は？

2019年1月24日政治・社会

　日本共産党の公職選挙法違反を指摘したところ、男性活動員から恫喝され暴行を受けたと主張していた田中ゆうたろう杉並区議は２３日、証拠として撮影した動画を公開した。

参考：【日本共産党】公選法違反指摘され活動員が暴行・脅迫か？被害の杉並区議は全治2週間、刑事告訴を検討中

動画を検証してみた

　動画は１分で、田中区議が共産党の酒井まさえ予定候補の公選法違反を指摘する場面から始まる。ここから「暴行」とされるシーンを含め動画をコマ送りにして検証してみる。

①「酒井まさえにやらせてください」は当選せしめるための投票の呼びかけともとれる。

②党名と候補者名が大きく書かれたタスキ（公選法違反）

③問いには答えず無言でタスキを外す。違法性の認識があるのだろうか。

④オレンジ色のダウンを着た男性は自転車で駆け付け、2020東京五輪に向けて東京都が普及を目指す、視覚障碍者用で日本語と英語の音声ガイダンが流れるススイッチの前に自転車を止める。

⑤田中区議に詰め寄り「何条だ！何条だっつってんだろ！」とまくし立てる。

⑥暴行場面とされるシーン。直前の画角からして田中区議は右手で撮影しており、乱れた画像に映っているのが田中区議とすれば右手を掴まれ捻られたという主張は説明がつく。

また、画像が正常な画角に戻る際に画面は回転している。

⑦酒井まさえ予定候補が慌てて制止しようとしているように見える。

⑧自転車で現場を立ち去る予定候補と活動員。

恫喝は確認できるが暴行は？

　暴行とされるシーンについては、撮影者が区議本人であるため確実ではない。しかし、検証のとおり、画面が乱れた際に急に区議側にカメラが向き、その後に画面は回転するように戻っている。腕を捻られたという主張には合致する。しかし、数メートル引きずられたかどうかは、画角の変化もあり背景からは断定できない。しかし、画面が乱れたところから酒井まさえ予定候補が活動員の左後方に寄っており、この瞬間に緊迫する何かが起きているのは間違いなさそうだ。

　一方で、当初は「脅迫」とされていたような言動は確認できないが、田中区議が終始丁寧な言葉であるのに対し、共産党の活動員は「恫喝」ととられるような荒い口調であり、圧迫するような至近距離まで詰め寄っている。公選法違反の指摘に対しての対応としては極めて不適切で暴力的な態度であり、相手が畏怖することは容易に想定できる。少なくとも、この部分に関しては共産党側に言い逃れのしようがない非があるだろう。

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