【仕分け人】蓮舫＆枝野「米軍基地で働く日本人の賃金を見直せ」理由は？「沖縄は低賃金、合わせるべき」

2019年4月2日政治・社会

　悪名高い民主党政権下で行われた、血も涙もない「蓮舫の事業仕分け」がまた発掘されたようだ。
　米軍基地で働く日本人の賃金水準を見直すよう求めているが、その仕分け理由が「沖縄県は低賃金だから」だそうだ。沖縄県民は貧困のままでいろ、とでも言いたのだろうか？
　

蓮舫さん、在沖米軍基地で働く沖縄県民のお給料を「高すぎる」って引き下げてたのか。。
https://twitter.com/Tanaka_Kei/status/1112943953479757824

在日米軍基地福利厚生施設で働く日本人は沖縄に9000人、神奈川9000人、東京で3000人。長年にわたる日米間、労働組合との話し合いでその給料は国家公務員並みだが、地場賃金を反映させ適正な給料にするべきとの仕分け結果。来年度の特別協定見直しに反映努力と、同席した長島政務官。

— 蓮舫💙💛RENHO🇯🇵 (@renho_sha) November 26, 2009

　この日、蓮舫氏と枝野幸男氏が参加していたことは、当時の時事通信の転載記事で確認できる。

カットしやすい沖縄が狙われた

　投稿日は2009年11月26日。ツイートの中では「地場賃金を反映させ適正な給料にするべき」とされ、沖縄には言及していないが、同日夜に配信された朝日新聞の記事では以下のように記述されている。

　仕分け人は「沖縄県など基地労働者の基本給は地元の民間給与の水準より割高」と指摘したが、防衛省の担当者は「英語を話さないといけないし、米軍の意向を確認する必要がある」と理解を求めた。
出典：asahi.com（朝日新聞社）：米軍思いやり予算「見直し」　仕分け、削減幅には触れず – ２００９政権交代

　国家公務員水準とされる在日米軍基地福利厚生施設で働く日本人の賃金を、地場賃金を基準に見直すとなると必然的に平均賃金の低い沖縄が引き下げのターゲットとなる。一方、蓮舫議員の選挙区である東京は元から給与水準が高いので引き下げにくくなるのだ。そもそも国家公務員の給与水準はイメージほど高くなく、在日米軍従業員募集案内を確認する限り一般的な水準だ。

出典：独立行政法人　駐留軍等労働者労務管理機構【エルモ】募集案内

　ここに手当などが加算されるが、米軍基地という事で語学力などが求められ半年に一回の試験（3級）に合格しても数千円が加算されるだけ。等級も職種が変わらない限り変更されないそうだ。雇い主は日本政府であるが、採用・解雇する権限は米軍にあり安心はできない。
　こういった事情の説明は仕分けのヒアリングでもあったはずだが、当時の民主党は「沖縄の低賃金」を引き合いに出し、賃金カットを要求していたのだ。
　当時は、基地で働くバーテンダーやテレビ修理工の賃金が高いと指摘していたが、これらの業種が低賃金である根拠は偏見以外の何物でもなかった。

沖縄を混乱させたのは民主党

　正に悪夢の民主党政権である。ただし、これにより実際に賃金がカットされたという情報は無い。
　この事業仕分けは2009年だが、鳩山政権が普天間基地移設問題で米国の信用を完全に失い、翌年には普天間基地の辺野古移設が閣議決定され、今度は沖縄県民の信用まで失っている。その状態を引き継いだ菅政権で「思いやり予算」の交渉など上手くいくはずもなく、予算の総額は従来通り維持することで米国と合意し「公約違反」と批判されている。

　こうやって沖縄県を混乱させ、基地闘争を激化させたのは誰なのか？沖縄県民の人権を踏みにじったのはどの政権か？考え直してみるにあたり、このエピソードは重要だろう。

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