
中道改革連合の小川淳也代表が5日、自身のXにショート動画を投稿し「国会改革の議論を引っ張っていきたい」と述べ、「長時間・根回し型」から「短時間・公開討議型」国会への提案を行った。
提案内容については賛否の声があり、まず中道改革連合がスキャンダル追及をやめて、率先してそれらの提案を実行できるのかという疑問も呈されている。ツッコミどころ満載です。
【国会の制度、もう時代遅れです】
「居眠り」を生んでしまう、
こうした仕組みは放置できません。朝から夕方まで続く長時間審議。
結論は事前に決まり、国会は“なぞるだけ”。だからこそ――
👉 党首討論の定例化
👉 閣僚(大臣)拘束の見直し
👉 不祥事対応と政策審議の分離
👉… https://t.co/jjAmqMY3P7 pic.twitter.com/vI9eBnWkNt— 小川淳也|中道改革連合 代表|香川1区|衆議院議員🚲 (@junyaog) May 4, 2026
浅い国会改革論
高市総理の外交日程で4月の党首討論が見送られたことで、国会が熟議とは無縁の日程闘争に左右され、審議が始まっても結論が事前に準備されているだけという指摘をしているようだ。
小川代表が提案したのは主に5項目。
・党首討論の定例化
・閣僚(大臣)拘束の見直し
・不祥事対応と政策審議の分離
・過度な党議拘束の見直し
・日程の見える化
一応、言ってることは概ね正しい。ただ、これらの課題のほとんどが野党第一党の中道改革連合と立憲民主党に課されたものであって、改革も何も自分たちの行動を改善すればほぼ解決するような気もします。順を追ってツッコミと解説をします。
党首討論の定例化
まず、党首討論の定例化は与党も賛成しているし、高市総理も応じる構えなので問題ないでしょう。4月に関しては予算委員会から外交日程が立て込んだことで見送られましたが、月に一回程度なら日程的にも可能でしょう。さすがに小川代表の言う「毎週でもいい」というのは現実離れしていて、総理日程だけでなく他の委員会日程にも影響するので、やるなら以前も午後6時に行ったように多くの有権者が視聴できる環境を整えればいいんじゃないでしょうか?現代の生活スタイルで午後6時に家でゆっくりしてる人も少ないと思うので午後7時にスライドするなど改善は必要でしょう。
参加要件も国家基本政策委員会への委員所属は撤廃し衆参での議席数10のみを参加要件として、時間配分は議席数割りではなく20分から30分の均等割りが良いでしょう。
あと、絶対に小川代表が切り込まないのは、中道改革連合と参議院立憲民主党と公明党で参加3枠を持っているという制度上のバグです。NHKの日曜討論でも同じことが起きていますが、衆議院と参議院で別の政党を立ち上げるというチートに対して、どうやってルールを設定するかは極めて難しい課題でもあります。参議院立憲民主党の水岡俊一さんと公明党の竹谷とし子さんが党首討論に出てきても、このひとは誰ですか?としか思わないでしょう。
こういう自分たちにとって痛いところも改革する覚悟が小川代表あるのか、ここが疑問です。
閣僚(大臣)拘束の見直し
予算委員会などの全閣僚出席は本当に無駄な時間で、あくまで質疑者からの出席要求によるものとする案は、与野党から提案されてその方向で合意していたはずが、今年の予算委員会では全閣僚が出席する場面もあって野党側から批判をされています。背景には一部の野党議員が所掌大臣による専門的な答弁を嫌い、すべての質問に対する答弁要求を「総理のみ」としたり、特定の大臣を集中攻撃するパフォーマンスに終始することに総理が警戒したという事情もありそうですが、ここは理事会などで所掌大臣は必ず呼ぶという申し合わせをしなければ「総理!総理!」の旧態依然としたパフォーマンスが繰り返されるだけでしょう。
実際に防衛予算や中東情勢に関する質問をすべて総理にして、小泉防衛大臣や茂木外務大臣が答弁しようとすると「呼んでない、総理が答えて」と騒ぐ野党議員が目立っています。総理の失言しか狙わない質疑こそ、実のあるものとは言えないのではないでしょうか?
また参議院では熟議のために持ち時間は質問者の質問時間のみ消化して、答弁時間は持ち時間に含まない片道方式をよいことに、数秒の短い質問を大量に繰り返す蓮舫さんのやり方もどうにかすべきでしょう。具体的な内容を質問せず「何々について説明を」とだけ質問し、詳細は質問通告をしてるから答弁できるだろうというやり方は、国民が見ているという自覚が足らないからです。立憲民主党は質問通告の公開を拒否しているので、国民からは何の質問をしているのか意味不明です。誰が蓮舫さんのようなモンスターを抑え込んで改革できるというのでしょう。
不祥事対応と政策審議の分離
いわゆるスキャンダル国会です。こんなの小川代表はじめ旧立憲民主党のお家芸みたいなもので、あなた達がやらなければ済む話でしょう。特に参議院立憲民主党が酷くて、杉尾秀哉を筆頭に週刊誌のコピー片手にキャンキャンと吠えてるわけだから、改革も何も身内の躾の問題です。他の党はとっくの昔にこれをやめているので、あとはあなた達だけです。
政策とは関係のない不祥事に関しては政治倫理審査会など別の機会を設けるという案は以前から言われていますが、明らかに発売前の週刊誌原稿を受け取っているゴシップ大好き議員らが、週刊誌の広告塔となって政治倫理審査会の開催を安易に求めるのは目に見えていて、どういった内容で別枠での審議を求めるのか、これを小川代表がまず提示するべきでしょう。小川代表自身も昨年の国会で、当時の石破茂総理に献金した地元建設業者が違法なことをしているかのような疑惑追及を行い、石破さんを激怒させていましたが、結果的に何も証明することができず言いっ放しで終わっています。
院内での発言が罪に問われない免責特権の見直しを含めて、政治倫理審査会でもスキャンダル追及する側の責任について改革をして欲しいものです。
過度な党議拘束の見直し
党議拘束に関しては一見、何のメリットもなく自由にしたほうがいいような気もしますが、そう単純な話ではなく委員会と本会議採決の一致など難しい部分があります。基本的に委員会での採決と本会議の採決は賛否が一致することが求められています。2023年に立憲民主党会派の牧山ひろえ、石川大我、福島瑞穂の3名が委員会では反対の立場で審議していたのに、福島さんが採決の時に咄嗟に賛成の挙手をしてしまい、他の2名もつられて挙手するという珍事が起きています。これにより本会議採決では棄権することになりました。
これは委員会で賛成したのに本会議で反対すると懲罰の対象となるからです。こういった珍事でも前例に従い採決で党の方針と違う行動をとれば、本会議に参加はできないわけです。
本会議での党議拘束を外したところで、その前の委員会の審議では党の会派から数名の委員が採決に参加するだけなので、事前に党内で賛否を決めて会派を代表し質疑と採決をすることになります。そうでなければわずか数名の判断で委員会否決され、本会議での採決に持ち込まれなくなるので党議拘束もなにも関係なくなるわけです。本会議で党議拘束はなく自由に賛否を決めてもらうためには、委員会での否決をするわけにはいかないので、すべてに賛成し委員会可決させ本会議に諮ることになります。そうなると委員会は形骸化し法案審議もせず本会議での一発勝負という無茶苦茶なことになります。
党内の部会で話がまとまらないまま委員会審議に突入した場合は、本会議での党議拘束を外してほしいという話は稀にありますが、これを許せば委員会審議の軽視となるので、これはもう国会の根幹にかかわる大改革だったりするわけです。
小川代表はそういう深いところを考えているんでしょうか?
日程の見える化
最後に日程の見える化ですが、開催日程そのものは前日には発表されるわけですが、そこに至るまでの委員会の開催の判断や採決は与野党の駆け引きか委員長職権で決められ、所属議員ですら先の日程が把握できないという問題があります。一部野党議員の質問通告の遅さが官僚を苦しめているという話も以前から指摘されていますが、そもそも委員会の開催が決定し通知されたときには、常識的な通告時間を過ぎているという根本的な問題もあります。
これは国対や理事がギリギリまで駆け引きをしていることが原因ですが、駆け引きも取引もできなければ圧倒的な数で与党が一気通貫で可決まで強行するでしょう。どうしても野党は自分たちの政策を反映させなければ開催に応じないという姿勢を見せたり、様々な取引で付帯決議を付け少数の意見も盛り込む努力をしています。日程闘争が正しいとまでは言いませんが、日程闘争なくして少数に陥った野党の意見はどう反映されるというのでしょうか。
日程を決める過程を見える化するという意見なら賛同できますが、日程闘争そのものをせず粛々と委員会の開催と採決日程が決められるのは、選挙で多数を占めた政府与党に圧倒的に有利に事が運ぶということを小川代表は考えていないのでしょう。
申し訳ないですが、小川代表は今回も思い付きで改革を口にしてると思います。私一人がちょっと考えただけで、これだけの弊害や課題が出てきているのに、なんとなく聞こえのいい事を言うといういつもの小川代表の癖が出たとしか思えません。
そもそも衆議院で審議、可決して参議院に送るという二院制なのに、衆議院は中道改革連合、参議院は立憲民主党と公明党という衆参不一致の超絶ねじれ状態を作っているのに、国会を改革しようとかいう以前の問題です。参議院の立憲公明が合流を拒否するなら、中道改革連合として参議院に候補を立てるくらいの覚悟を見せてから、国会改革を口にして欲しいと思った次第です。


コメント