
足立節が帰ってまいりました。
25日の参議院決算委員会の質疑で、国民民主党の足立康史議員が、かつていろいろと物議を醸した足立節で「大臣辞めたらいい」などと発言したことで「大臣室に謝りに行く」と述べ、大臣からは「来なくて結構でございます」と返され委員会室が笑いに包まれる場面がありました。
面白い掛け合いもいいんですが、質疑全体は海外に居住する日本人が選挙において在外投票の手続きが間に合わなかったり、投票を棄権せざるを得ない問題を、マイナンバー制度を活用し在外ネット投票を実現しようという非常に重要で興味深いものです。
ネット投票、課題は不正投票対策?
この問題は足立さんが今国会で継続的に総務委員会で取り上げているわけですが、2月の衆院選では解散から投開票まで戦後最短の16日ということもあって、在外公館に投票に行くことができない人の郵送による投票が間に合わなかったという問題が指摘されています。
2021年の衆院選でも当時の戦後最短で解散から投開票まで17日で、やはり郵送による在外投票が間に合わないという問題が発生し、総務省はインターネット投票を検討しましたが、何も改善されないまま今年の選挙も同じ問題が起きています。
憲法で保障される投票の権利が、政治の不作為で奪われたという指摘もあり、喫緊の課題として早急に改善をする必要があるわけです。
こういった問題もインターネット投票で一発解決なわけですが、マイナンバーカードの導入で課題であった本人確認もスムーズで確実なものとなるということです。このインターネット投票導入の入り口として、まずは在外投票からという議論が活発ですが、松本大臣が「蟻の一穴」と表現するように、政府は国内での投票にも拡大されることを懸念して消極的なようです。
投票所で物理的に投票する現行システムでも、成りすまし投票などの問題は指摘されていますが、これがインターネット投票になると発覚しにくいという問題や、投票所以外での個人端末操作においては投票の強要なども懸念されます。実際に高齢者施設など臨時投票所では、職員など施設関係者による投票誘導が発生しています。
投票の意思表示が困難な高齢者や障害者の投票を、家族や看護者が自身の当選させたい候補への投票に利用してしまうことも火を見るよりも明らかで、投票権と本人が紐づけされていても、実際に投票を実行したのが誰なのか分からないので、これが顔認証などスマホのセキュリティ機能で解決できるかどうかは微妙なところです。
候補者側の立場としても、僅差で当落が決まった場合は票の数え直しや疑問票の再確認が行われますが、これがインターネット投票であれば、投票が最初から反映されていないなど根本的なバグの疑いがある限り、納得のいく確認方法となるか疑問が残ります。
色々と問題もありますが、それもこれもまずは「インターネット投票をやる」と決めなければ始まらないわけで、その言質を政府から取ろうと足立さんが奮闘しているわけです。
今はインターネット投票に積極的な維新が連立入りし、国民民主党でも在外投票から始めようという方向で動き出せば、現実味を帯びてきます。少なくとも在外投票の権利確保は憲法の問題でもあるので、総理の解散権でも制限しない限りインターネット投票の導入を避ける理由もないでしょう。


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