
日本政府のデータを他国の企業に預けて大丈夫なのか?
国の中央省庁や地方自治体が共同で利用するガバメントクラウドについて、基盤となるシステムが国産ではなくアメリカのAmazonが提供するAWS(Amazon Web Services)が採用されていることについて、参政党の神谷宗幣代表が22日の参議院予算委員会で、総務大臣も務めたか高市総理の見解を質しています。
ガバメントクラウドがAWSだと何が問題なのか?なぜ日本企業の採用が遅れているのか?質疑動画のあとに解説します。
AWS一強のリスクと事情
神谷代表が何を危惧しているかというと、一つは海外への富の流出です。国と自治体共通の大規模事業とあって莫大な国費が使われるわけですが、Amazonの日本法人に国が支払うと言っても、母体はアメリカ企業です。税金を落とすようになったとは言え、利益の大半は流出することになります。
日本のウェブサービスを含めて、外資系ビッグテック企業への依存度が極端に高く、この依存度をそのままにしておくと日本の技術も伸びず、経済活動が海外企業に支配されることになってしまいます。
実際にメディア業界も同様で、大手メディアのウェブニュース配信の多くがAWSを採用していて、重大ニュースなどの一時的な高負荷に耐えられるかという問題も、国産ではほとんど選択肢がない状況です。
あともう一つが安全面での懸念です。
中国にデータを預けることに危険性は誰でも理解できると思いますが、アメリカにはクラウドアクトという法律があって、捜査目的であれば日本に置いてあるサーバーからもデータの提出を命じることができます。
日本のサーバーに保管されたデータは、強力に暗号化されているので単純にデータを押収されたとしても解読は不可能とされていますが、データ利用のための暗号キーなどの提出を求められる可能性はゼロではないので、特にトランプ政権での強引な海外対応を見ると心配する声が上がるのは当然でしょう。
一方で、かなり国産に拘る参政党でも、このAWS利用を強く否定できない理由は、高市総理の答弁でもわかるように、単純に当時は日本の企業が技術面でも安全面でも要求されるスペックを満たせなかったという理由があります。
さくらインターネットが国産初となる採用をされましたが、やはりAWSとは規模が違います。設備投資額も、さくらインターネットは現状で数百億円を順次投入していますが、AWSは数兆円規模となっています。
また国と自治体が共通して利用するクラウドの基盤が「頑張ったけど上手くいきませんでした」で終了されても困るので、そういう意味ではAmazonという絶対的な力を持つ企業は安心できます。
セキュリティの観点からも、海外企業にデータを預けるリスクがあるものの、外部からの攻撃に対しての堅牢性を考えるとビックテックに頼らざるを得ないという事情があります。
さくらインターネットが頑張って要件を満たしたわけですが、それでもAWSほどの規模で担うのは無理でしょう。とにかく桁が違うんです。
日本は国産OSに失敗したところから、アメリカなど海外企業への依存が高まった経緯がありますが、これをいつまでも放置しておくと、ガラパゴスと揶揄される日本企業は滅んでしまいます。
ガバメントクラウドのような大規模事業を契機に、国産に拘って国費を投じていくというのは必要なことなのかもしれません。


コメント