森ゆうこ議員がダム批判「橋下元大阪市長が行ったように河川改修が費用も安く工期も短い」→橋下徹「河川改修の工期は短くない、ダムが一番簡単」

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森ゆうこ議員がダム批判「橋下元大阪市長が行ったように河川改修が費用も安く工期も短い」→橋下徹「河川改修の工期は短くない、ダムが一番簡単」

 国民民主党の森ゆうこ参院議員がツイッターで、橋下徹元大阪市長が府知事時代に槇尾川ダム建設を中止し河川改修に変更した例を挙げ以下のようなダム否定論を展開している。

今回幾つのダムが緊急放流して下流域に水害をもたらしたのだろうか。ダムの限界を改めて認識。
橋下元大阪市長が行ったように、河川を改修する方が費用も安く工期も短い。

 これに対して橋下氏は森氏のツイートを引用し「河川改修の工期は短くない」「ダムを中止して河川改修にするのはほんと大変」と森氏の認識に疑問を呈している。

河川改修の工期は短くない。河川改修は職員の住民合意に向けた莫大な労力が必要。また政治家は住民から凄まじい批判を受ける。そもそも河川改修がベターという結論を出すためには、政治家の猛勉強が必要。ダムを中止して河川改修にするのはほんと大変。ダムが一番簡単。

ダム中止!河川改修!と叫んでるだけでは何も実行できない。河川改修を実行するには、政治家が猛勉強して、職員との信頼関係を築いて、住民からの批判に耐える精神力と住民を納得させる力が必要。それ、できる?

橋本氏の判断は簡単ではなかった

 橋下氏が大阪府知事時代に下した「ダム中止、河川改修」の決断は森氏が言うほど簡単ではなかった。橋下氏が当時発表した声明が八ッ場ダムに反対するNGO「八ッ場あしたの会」のホームページに残っているが、ダムも河川改修もそれぞれの治水効果があり五分五分であったことが記されている。
参考:槇尾川ダム中止の理由(大阪府知事のメッセージ) | 八ッ場(やんば)あしたの会

 どちらを選択しても完璧な治水ではなかった。そうなると災害が発生し被害が出た場合に、それが被害拡大を防いだ結果だたとしても方針転換した橋下氏が責められることが必至の状態での決断だ。橋下氏の声明でもわかるように、ダム建設の中止でも河川改修でも、専門的な治水効果の検証に加え、周辺の居住地状況などを緻密に計算し「人」を説得する必要があり政治家の手腕が試される。
 森氏のように「私が正しい」という認識では専門家から答えを得たとしても実現は不可能だろう。

緊急放流について把握していない

 森氏は今回の台風による緊急放流について「今回幾つのダムが緊急放流して下流域に水害をもたらしたのだろうか。」とツイートしているが、これも政治家として恥ずかしい。森氏がツイートした時点で緊急放流は6つのダムで行われ、緊急放流に起因すると思われる大規模な氾濫などは確認されていない。塩原ダムの下流にあたる茨城県内3か所で決壊があったが緊急放流の影響かどうかは不明となっている。

 緊急放流の行われたダム数も確認していない森氏が、どうして緊急放流で水害が発生したと投稿しているのか。橋下氏の行ったダム中止と河川改修の経緯も調べず、ひたすらデタラメな投稿を繰り返すことが政治家として適格かどうかは子供でも判断できそうだが。

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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