比例略称「民主党」は国民民主党に有利だった!躍進の原動力、そのカラクリと立憲民主党の致命的な戦略ミス【マガジン235号】
KSLマガジン
10月27日に投開票が行われた第50回衆議院議員総選挙は不記載問題で揺れる自民党が大幅に議席を落とし自公過半数割れ、立憲民主党が50議席増と躍進し与野党の議席数が逆転した。
一方で比例票となると自民公明で650万票も落としたが立憲民主党はわずか7万票ほどしか増加していない。自公で落とした分は国民民主党、れいわ新選組が受け皿となり比例獲得議席を大幅に伸ばし、参政党や日本保守党も新興政党であるがそれぞれ議席を獲得している。
特に国民民主党は選挙前7議席から28議席へ大躍進している。首班指名選挙で国民民主党が立憲民主党に協力して野田佳彦と書くかが注目されているが、結果を見れば非自民・非立憲共産政権を国民が選択したともいえるもので、むしろ国民民主党が野田佳彦と書くことこそ民意に反しているのかもしれない。
立憲民主党が敵失により小選挙区当選を大幅に増加させた一方で、比例票は立憲民主党以外の政党に集中したということは今後も分析していく必要があるだろう。しかし現段階で明らかであることは立憲民主党が前回同様に比例票の獲得戦略を疎かにしていたということだ。
国民民主党は比例按分で有利だった
国民民主党が多くの非自民比例票の受け皿となった理由には、前述のとおり非自民・非立憲共産という民意があったことは間違いないが、立憲民主党とともに比例略称「民主党」で被ったことを最大限有利にする戦略を徹底していたことも影響している。
比例で名称が複数党で同一となった場合、今回で言うと「民主党」と書かれた票は両党の獲得票数比率に応じて公平に按分される。例えば立憲民主党が7で国民民主党が3であった場合はそれぞれ7:3で票が振り分けられるので、どちらかが有利不利になるものではないとされている。
しかし、国民民主党はこのセオリーを崩す戦略をとり立憲民主党から優位に案分票を獲得した可能性が高いのだ。このことは選挙中に立憲民主党の大串選対委員長が記者から問われているが「わが党はひらがなで"りっけん"」と説明するだけで、国民民主党が仕掛けた戦略に気が付いていないようだった。
これは完全に大串選対委員長のミスである。国民民主党が仕掛けた戦略により比例案分票が国民民主党に多く振り分けられたカラクリを以下に説明する。
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