給水を断った神奈川県の黒岩知事がデマで自衛隊批判「勝手に出動して師団長が激怒」日刊ゲンダイの「給水車の水を捨てた」どちらも自衛隊が完全否定
台風19号の影響で断水した神奈川県山北町の給水活動に駆け付けた自衛隊が、県が派遣要請をせず断ったため現場で水を捨てて帰ったという日刊ゲンダイの記事が話題となっていたが、実際は水は捨てずに持ち帰っていたことがビジネスジャーナルの取材で判明した。また、この件について師団長が激怒して引き返したという報道も事実ではないという。
これに対して、防衛省統合幕僚監部の報道担当者は次のように否定する。
「水を現場で捨てたという事実はありません。そのまま給水車で持ち帰りました。また現場の指揮官が県の対応に激怒したという報道もありますが、事実と異なります。部隊は粛々と任務を遂行しました。
出典:自衛隊、「給水車の水捨てた」報道を否定…給水妨害した神奈川県の“釈明”に不審点続出
町長の発言を日刊ゲンダイが勘違い
日刊ゲンダイが「水を捨てた」と報じたのは誤解である可能性が高い。おそらく山北町の湯川町長が現場で給水できなかったことを「目の前に水があるのに、なぜ捨てなければいけないのか。」と表現したことを真に受けたのだろう。
山北町の湯川裕司町長(67)が憤る。
「前夜から断水が発生していて、“どうしようもない状況”でした。午前7時に給水車3台が来てくれて、目の前に水があるのに、なぜ捨てなければいけないのか。いろいろと手続きがあるのは承知していますが、ケース・バイ・ケースで対応できないものか。県民が困っているのですから」
出典:(2ページ目)台風19号で断水 町の自衛隊給水支援に神奈川県が“待った”|日刊ゲンダイDIGITAL
日刊ゲンダイにしては真っ当な記事と称賛されていたが、こういった細かい部分で粗さが出たというところだろうか。
黒岩知事がデマで自衛隊批判
ビジネスジャーナルの記事で自衛隊が否定している「現場の指揮官が県の対応に激怒したという報道」とは何を指しているのか?該当する報道らしきものがAmebaNewsで配信されていたようだが現在は閲覧できなくなっている。少しニュアンスが違うが、それより後にTBS「グッとラック!」で紹介された黒岩神奈川県知事の発言がそれに該当しそうだ。
台風19号のため断水した神奈川県山北町に、自衛隊の給水車3台が出動したが、県知事からの派遣要請を受けていなかったために引き返した問題は、実は「軍隊の鉄則」に触れることだった。
引き返したのは、正式な派遣要請がないことを知った師団長の命令だったらしい。黒岩知事は「自衛隊の部隊が、ある種、上からの指令じゃない形で動いたといことですね。自衛隊の部隊が勝手に動くことはあり得ないことで、その情報が師団長の耳にはいって激怒されたというふうに聞いています」という。
出典:自衛隊給水車「引き返し騒動」師団長が現場部隊に激怒?命令待たずに動くとは何事か : J-CASTテレビウォッチ
黒岩知事の言う「自衛隊が勝手に動いた」という事実はなく、市町村の要望による自主派遣も可能なため市からの連絡を受けて出動した。最終的に神奈川県が難色を示し自衛隊は引き返すことになったが、師団長が県要請がなかったことを知って激怒したという事実もないという。
災害派遣を断って責められた黒岩知事が、まるで自衛隊が勝手に出動してトラブルを起こしたかのようなデマを流すのは余りにも酷い話だ。国民を守るために臨機応変に対応したが、県の妨害ともとれる対応で引き返した自衛隊がなぜ責められなければならないのか。
こういったデマで自衛隊を批判する人間が知事で良いのだろうか?
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