【衝撃】中道改革連合の「立民、公明」票はすべて無効となる?致命的な欠陥で衆院選敗北か【KSLチャンネル】

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 立憲・公明は無効票です。

 ついに衆院選公示日を迎えましたが、ここに来て公明党と立憲民主党の合流新党に致命的な問題が生じてしまいました。
 24日に産経新聞が配信した有料記事『「中道」の比例票、「立民」「公明」と書いたら有効?無効? 判断は各選管任せ、混乱恐れ』これが物議を醸し各地の選挙管理委員会や総務省に問い合わせが殺到しています。
参考:「中道」の比例票、「立民」「公明」と書いたら有効?無効? 判断は各選管任せ、混乱恐れ – 産経ニュース

 衆議院の公明党と立憲民主党が合流した中道改革連合が、略称を「中道」としていることに対して、これまでの支持者や事態を把握していない有権者が比例の投票用紙に旧党名である「立民」「公明」などと記入した場合に、これを有効とするか無効票とするかで、各地の選管で判断が分かれるという内容です。

産経の記事は誤り


 これは産経新聞の取材不足であり、有識者は一様に「無効票」と説明し、総務省も選管も問い合わせに対して「原則は無効」という回答をしています。私も関係法令を調べてみましたが、明確に無効票とすることが条文に書かれています。
 この誤った産経新聞の記事により、公明や立民と書いた票が有効になると誤認して、中道に対する大量の無効票が生じて選挙結果を大きく変える可能性がります。本来は中道が産経新聞に猛抗議する事案なんですが、Xの公式アカウントは呑気にこれをリポストしちゃってます。

 まず法律関係を解説したいと思います。
 公職選挙法で無効投票について規定した第六十八条の2に、こう書いてあります。

 衆議院名簿届出政党等以外の政党その他の政治団体(第八十六条の二第十項の規定による届出をした政党その他の政治団体を含む。)の名称又は略称を記載したもの

 要約すると、今回の衆議院議員選挙で届け出のなかった政党名を記載すると無効票になるということです。この条文の書きぶりからして、政党名とは既存の団体を指しているものと思われ、立民も公明も参議院には継続して存在しているが、衆院選には届け出をしていません。今回選挙に届出をしなかった既知の政党名は明確に無効票になると考えるのが妥当でしょう。

過去の事例でも無効票に

 かつては民進党が選挙直前に希望の党と立憲民主党に分裂しましたが、総務省は「民進」と書いた票は無効とするよう各都道府県の選管に通知しています。これも今回と同様で、参議院に民進党が継続して存在し、それでいて衆院選には候補者を立てなかったことで存在する既知の別の党と判断されたからです。
参考:比例投票、立憲民主党「民主党」も○ 「民進」は無効か:全国(衆院選2017):中日新聞(CHUNICHI Web)

 さらに2003年には民主党に自由党が合流した直後の選挙では「自由党」を無効票とするよう総務省が選管に参考意見を出しています。これは届け出も存在もしない党名であり、旧自由党を民主党と解して票を加えることができなかったからです。
参考:比例代表「自由党」は無効/総務省が各選管に参考意見 | 全国ニュース | 四国新聞社
 2012年には民主党政権の崩壊で乱立した少数政党を衆院選前に糾合した「日本未来の党」が結成されましたが、この時も旧党となる国民の生活が第一や減税日本と書かれた票は無効と判断されました。
 今回の事例にしても、立民や公明を「中道」と解することはできず、疑問票にもならない可能性が高いわけです。

 あくまで総務省は「開票管理者が地域の実情に応じて判断する」という公選法の規定を尊重していますが、一定の基準は示していないと各地の開票所で再点検が発生し開票のやり直しで大混乱となるでしょう。
 惜敗率で復活できなかった候補者や陣営からの抗議だけではなく、当選無効決定取り消し訴訟などが乱発される事態も考えられます。

中道が取るべき戦略は?

 中道改革連合をアシストつもりもありませんが、このままでは無効票の大量発生で落選する議員もいて、さすがにこれは民意の反映とは言えません。
 公明党は候補者全員が比例代表で、ネットワークもしっかりしているので末端まで「中道」と書くように徹底できますが、立憲民主党出身者は、それでなくとも公明党に比例枠を埋められ復活枠が少ないのに、その少ない枠も無効票で失う可能性があります。

 立憲民主党は広報力の弱さが課題でしたが、前回の衆院選では略称の「民主党」が国民民主党と重複したことをめぐり、国民民主党が徹底して『比例は略さず国民民主党』と呼びかけたのに対して、立憲民主党はほとんどその呼びかけを行わなかったために、明確に立憲民主党と分かる確定票が減少し、国民民主党との按分比率で不利になっています。当時の大串選対委員長は頑なに「按分されるから大丈夫」と対応もせず、仕組みをよく理解していませんでした。
 同一もしくはどちらか判断できない票の按分は、明確にその党に投票したと判断できる確定票の比率で配分されるので、いかに正確な党名を多く書いてもらうかが勝負なわけです。

 今回は徹底して「中道改革連合」と正確に書くよう求め、その周知の流れで「中道」という略称を広める必要があるわけですが、さすがに合流から選挙までの期間が短すぎて、世間一般的には「立民・公明」というイメージが強く、これまでの熱心な支持層ほどうっかり誤記載してしまいそうです。
 期せずして国民民主党は「民主党」の票を総取りすることになったわけですが、この民主党という略称は選管泣かせでもあって、民主党ではなく「民主」と略すと無効票になります。とんでもなくややこしい話なんですが、民主党は届出略称であるが、民主は他に自由民主党や社会民主党にも含まれている文言であって、これだけではどの党が対象か定まらず按分不可能らしいです。

 こんなことは投票用紙をマークシート式にして、あらかじめ記載されたリストにチェックを入れるだけにすれば一発解決なのですが、公示日当日の立候補受付から翌日の期日前投票までに用紙デザインと印刷が間に合わなかったり、東京都などでみられる候補者の乱立で、投票用紙に名前が収まらない可能性もあって実現は遠のいています。

 いずれにしても現行の方式では、正式な党名の周知と間違いのない略称を設定できるかどうかで結果が分かれます。有利なのは参政党のように最初から3文字で音としても他と被らず、誤記されても有効票になりやすい名称でしょう。
 あとは自由民主党を自民党、社会民主党を社民党のように、普段から略称を主に使って定着させるというのも有効ですが、現状で中道にはそれをやる時間もなければ、そもそも中道改革連合というのが政党としては馴染みのない文字列なので苦しいでしょう。
 比例枠を公明党に譲ったんだから、立憲は党名の部分でもっと要求しても良かったんじゃないでしょうか?
 中道改革という案が浮上したときに、所属議員の評判が悪かったことで、そこに連合を加えることで中和したつもりでしょうが、このネーミングセンスは絶望的で、選挙戦略として失敗してるんじゃないでしょうか?

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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