【完全デマ】れいわ議員「競馬の売り上げ、国民が負けたお金」父親がギャンブル狂いで家庭崩壊、有馬記念と国に八つ当たり【KSLチャンネル】

れいわ新選組が競馬に関するデマを流しています。
18日の衆議院農林水産委員会で、れいわ新選組の八幡愛議員が「競馬の売り上げは国民が負けたお金」「競馬業界の売り上げは誰かの負けた涙」と発言する場面がありました。
これは事実ではありません。JRAは客の負け分から1円も収益を得ていません。また収益構造の違うカジノと同一視したり、致命的な事実誤認をしているので詳しく解説したいと思います。
まずは八幡議員の誤った発言部分をダイジェストでご覧ください。
JRA収益はレース前に確定
JRAは客の負け分から収益を得ることは一切無く、勝ち負けの人数や金額に利益は左右されません。
これは法律でも定められています。競馬法と日本中央競馬会法を理解せず、勝手な思い込みで質問している証左でもあります。さらに鈴木大臣もこれを否定せず、その話に乗ってしまっています。
JRAの収益配分は、100円の投票券1枚に対して75円は的中者への払戻金、15円がJRAの利益、10円が国庫納付分となっています。これはレース結果による配分ではなく、あくまで1枚100円の勝馬投票券を販売し出走した時点で確定する数字です。的中馬券もハズレ馬券も一律でJRA収益と国庫納付分が決まっているので、誰が勝とうが負けようが、勝ち負けの人数やオッズで収益率は変わらないわけです。
分かりやすく言うと、投票券を購入した時点ですべての客が15%をJRAへ、10%を国に納めているので、残りの75%全額を客同士で取り合っているというのが競馬のシステムです。負けた人も勝った人も先払いで、公平に一定金額が差し引かれているのです。
投票方法などによってJRAの取り分は若干異なりますが、国庫納付は10%で固定され、このことは日本中央競馬会法の第二十七条で規定されています。
(国庫納付金)
第二十七条 競馬会は、政令の定めるところにより、競馬法第六条の規定により発売する勝馬投票券の発売金額から同法第十二条第六項の規定により返還すべき金額を控除した残額の百分の十に相当する金額を国庫に納付しなければならない。
2 競馬会は、毎事業年度、政令の定めるところにより、剰余金の二分の一に相当する金額を国庫に納付しなければならない。
この条文を勘違いしている人もいるようなんですが条文中の「競馬法第六条の規定により発売する勝馬投票券の発売金額から同法第十二条第六項の規定により返還すべき金額を控除」という部分で、返還すべき金額というのが的中馬券への払い戻しで、これを除いた負けた客の購入金額から百分の十に相当する金額を国庫に納付する、と読むのは間違いです。
ここでいう「返還すべき金額」とは日本中央競馬会法とは別の競馬法で定められた金額であり、これは分かりやすく言うと出走取消あるいは競走除外となった場合の返還であって、的中馬券の払戻金ではありません。
要するに、販売したすべての投票券金額から競争中止などで返還すべき金額を除いて、その確定売り上げ金額から10%を国に納めなさいということです。
ちなみにゲートが開いても走らない馬は除外ではなく発走後の競争中止なので、これに関しては返還はありません。落馬などはケースによって条件が様々ですが、原則としてゲートが開いた時点で国庫への納付額は確定することになり、レース結果を待つことはありません。
競馬で勝とうが負けようが、投票券を購入した時点で10%を国に納めていると思って差し支えありません。勝った人への払戻金もJRAの利益分と国に納める金額がすでに抜かれた状態で配当されるので、勝ち分からJRAや国が収益を得ることもなければ、負け分からも収益を得ていないということです。
公営競技とカジノの違い
この八幡議員のデマが許せないのが、競馬をカジノと同一視しているからです。質疑でも言及されていますが、競馬とカジノは根本的な構造が異なります
。
よく「公営ギャンブル」という言い方をしますが、競馬や競輪などは正確には「公営競技」と呼びます。主催者がなんらかの競技を開催し、そこに客が投票するわけですが、先ほどの説明のとおり主催者の利益は結果に左右されず、経費分などを除いた売り上げの75%を投票した客が分配を受ける形です。
一方でカジノは運営者側が胴元としてゲームに参加して、客側が負ければ運営側の利益が増え、時には客側が大勝ちして運営者の利益が減る場合もあります。まさにこれは賭場の開帳であって行われているのは紛れもない賭博です。
カジノも日本では国や自治体に納める納付金率が定められ、ハウスエッジと呼ばれる控除率によって運営の利益は確保されますが、公営競技のようにオッズで客への還元が可視化されているわけではありません。
競馬は胴元ではなく主催者として投票券の販売から利益を得て競技には関与せず、客同士で予想し合ってオッズによる分配を受けている一方で、カジノは運営者が胴元となりゲームに参加して「胴元 対 客」の戦いでもあるので完全に賭場で行われる賭博です。
競馬もカジノも負けて泣く人がいるのは事実として、競馬が負けた人から多く収益を上げているという事実はありません。
繰り返しますが、競馬は投票した時点でレースの結果を待たず主催者と国の利益は確定し、残りの金額は客同士で分配される。勝った人も負けた人も投票券100円ごとに10円を国に納めている。勝ち負けではなく投票の数で利益が出る仕組みなので、公営競技ではお客様のことをファンと呼ぶのです。
競馬に負けた国民のお金は、競馬に勝った他の国民にすべて分配されており、JRAや国が負けた人からお金を取っているという事実はありません。
自分の父親がギャンブルに負けて家庭が崩壊したからと、JRAや国に憎悪を向けるべきではありません。来年の通常国会でよいので、ここは訂正と謝罪をして欲しいものです。









































