【子連れ市議】緒方夕佳市議の政治資金収支報告書に謎?視察同行者は自費と説明も政治活動費で支出の履歴
議会に乳児を連れて出席したことで議論を呼んだ緒方夕佳熊本市議の政治資金収支報告書が一部で話題になっている。
2015年8月に乳児を連れて東京・金沢を視察に訪れた際に、同行して補助をするインターン女性の付き添いについてマスコミでは「自己負担」と報じられていたが、「緒方ゆうかとはぐくむ会」の2015年(平成27年分)の収支報告書で、合計84,840円が支出されているというのだ。
これ、実は指摘している人の勘違いです。全くクリーンとまでは断言しないが、これは政務活動費などを管理する団体ではなく、同市議が代表となって立ち上げた「その他政治団体」で、資金の99%以上は同市議の夫が寄付している。
よって、この団体へは政治資金を拠出することはできず、団体名に「緒方ゆうか」と入っているだけで同市議の政務活動費はこれにあたらない。他の候補者や政党を支持したり応援することも可能な個人的な団体なのだ。
選挙運動のための「その他政治団体」
前述のとおり、政治資金管理団体ではない「その他政治団体」が、任意で支持する候補者もしくは公職を支援しているだけで、政治資金規正法上の問題は無い。市議選挙応援のために立ち上げた政治団体で、1,512,000円の収入のうち、150万円は夫から、残りは1万円が1名と2000円が1名のみで、99%以上が夫からの寄付。個人からの寄付は150万円まで可能なので枠内に収まっている。
参考:緒方ゆうかとはぐくむ会収支報告書(平成27年)
翌年の平成28年分では前年からの繰越金89,267円が手付かずで残っており、寄付による収入も支出もない。これは市議選の無い年は活動をしていないということだろう。
参考:緒方ゆうかとはぐくむ会収支報告書(平成28年)
緒方市議の証言?マスコミの認識?
政治資金規正法上は問題なくとも、疑問が残る部分がある。
それは、緒方夕佳市議が子連れで議会に出席しようとして話題になる前の、マスコミの取材記事では以下のような記述がある。
熊本市議会の都市整備委員会は、18日から予定している東京都世田谷区と金沢市の視察で、女性市議の申し出を受けて授乳が必要な乳児の同行を認めた。
(中略)
ただし、7月にあった同市議会厚生委員会の2泊3日の視察では、車イスを使う市議の介助者の旅費約9万円が公費で賄われたのに対し、今回の付き添い女性の旅費は緒方市議の自己負担となる。
出典:【熊本】 熊本市議会:女性市議の視察旅行…乳児OK、付き添い自費
※毎日新聞の元記事は削除されている
この記事の中にある「市議の自己負担」という記述は、朝日新聞や他のマスコミでも同じ表現になっている。
※現在、すべての記事が削除されている
問題視されている点の一つがこの部分であり、自己負担とされた付き添い費用が政治団体が肩代わりしているという部分だ。緒方夕佳市議にしてみれば、夫が99%以上寄付している政治団体からの支出なので家計的に自己負担との認識なのだろうか?
一方で、どの記事を見ても緒方夕佳市議の証言とは書いておらず、あくまで市議会での決定事項として「公費では賄えない」というだけだ。ここでいう公費とは市議の政務活動費とは別で、市議会視察のための経費として負担はしないという意味。どのように資金を捻出するかは緒方夕佳市議の裁量に任されている。
それに対して、緒方夕佳市議は政務活動費ではなく自身を支援する政治団体の負担としたのだろう。これがもし、緒方夕佳市議の口から「経費を家計で負担した」と発せられていたとしたら、事実にも基づかない苦労話をしていたことになるが、いまのところそのような情報はない。
どうも緒方夕佳市議を貶めようと、事実関係がデタラメな情報が飛び交っているようにしか思えない。こういった部分では同情もできるが、家庭内で枠内限界の寄付を行い政治活動を行っていることに対する専門家の意見がどうかは興味深いところでもある。
「雑費」として京都の業者に支出された項目も、その会社が楽天に出店する「のぼり旗」や「カッティングシートによる意匠」を専門とする業者であることから、もっと明確な経費説明が可能であったにもかかわらず、大雑把な会計報告となっている。
いろいろと突っ込みたいところもあるが、結論として今回の政治資金疑惑は勘違いによるものと断定して差し支えなさそうだ。