【検証】netgeekの「韓国の文在寅大統領はコミュニケーション能力が相当低い」は単純なトリック

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【検証】netgeekの「韓国の文在寅大統領はコミュニケーション能力が相当低い」は単純なトリック

netgeekが2日に公開した記事

 最近何かと話題のnetgeekが2日に配信した記事「【悲報】韓国の文在寅大統領、G20で会話に入れず終始キョロキョロ」で、動画からのスクリーンショット画像を使い、韓国の文大統領がコミュニケーション能力が低いということを伝えているが、結論から言うとこれは単純なトリックである。

 netgeekで使われているものと同じ動画を確認してみよう。

 確かに文大統領は言葉をほとんど交わすことなく、終始笑顔で周囲を見渡しているが、これはスタッフが最初に文大統領を中央に案内し、壇上に上がる各国首脳の決められた立ち位置が遠かっただけである。また、動画を確認すると早めに壇上に上がった文大統領が足元を確認しながらインドのモディ首相の立ち位置を案内しており、段取りがあることに気が付いた文大統領に対し、なかなか立ち位置に留まらない各国首脳とのコントラストでそれが目立っているだけだ。

検証 切り取る瞬間を変えてみる

 まず、最初に断っておくが、文大統領は段取りと案内の通り早めに立ち位置を確認し、うろつく各国首脳を待っているだけである。ただし、これが外交的に正しいかどうかは別の話である。

 netgeekの使った切り取りトリックは単純なものである。

①何かをしている瞬間の写真=切り取っても真実相当性がある
②何もしていない瞬間の写真=真実を除外して切り取れる

 本来は①の「何かをしている瞬間」がニュースになるのだが、netgeekは②の「何もしていない瞬間」を使っている。何もしていない瞬間とは、事実が有ろうと無かろうと都合の良い瞬間を切り取りさえすれば自在に印象操作が可能で、今回の場合で言えば文大統領がコミュニケーションをとっているシーンを無視して、黙っている瞬間を切り取るだけの簡単なお仕事なのだ。

 文大統領を擁護する切り取りをしたものが以下、

①7分50秒あたりで立ち位置に案内されたモディ首相と目を合わし、互いに足元を確認している。位置はすべて決められており印もあったものと思われる。
【検証】netgeekの「韓国の文在寅大統領はコミュニケーション能力が相当低い」は単純なトリック

②集合開始から1分以上経ってもなかなか集まらない各国首脳、また勝手に動き出す者の立ち位置を再度確認するスタッフが右往左往。一方、文大統領、安倍首相、モディ首相、習近平主席は立ち位置からは動かない。礼節とコミュニケーションの考え方が国によって違うのだろう。
【検証】netgeekの「韓国の文在寅大統領はコミュニケーション能力が相当低い」は単純なトリック

③真面目に撮影スタンバイしていた文大統領だが、周囲が順次握手を始めた時には笑顔で応じている。
【検証】netgeekの「韓国の文在寅大統領はコミュニケーション能力が相当低い」は単純なトリック

 ちなみに、最後まで落ち着きがなく撮影開始後も動き出したのがトランプ大統領である。
 
 この撮影現場については、安倍首相が言葉が理解できずキョロキョロしているという批判投稿もある。最初に与えられた印象や好き嫌いによってどうとでも取れるシーンなのだ。また、文大統領や安倍首相にこだわらず、他の人物に注目してみると、文大統領だけが特別に無視されているとかいう問題ではなく、タイミングと立ち位置によるものだと理解できる。
 netgeekというメディアは、堂々と全編動画を貼りながらこういった恣意的な切り取りをやってのけるのだ。あまりにも堂々としていて、あたかもそれが真実であるかのような先入観から記事を読ませるテクニックだけは秀でているのかも知れない。

 それと余談なんですが、netgeekが流したデマとして大手メディアが取り上げる「泉放送がテレビを支配」は、私が検証・調査したものであり、それをリテラが盗用したのであってだなぁ・・・荻上チキさんとか何もしてないのに「指摘したひと」として扱うのはどうかと思う。
【検証】一つの制作会社がテレビ局を乗っ取っている!と言うデマが流れた経緯

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【運営・執筆】竹本てつじ【転載について

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