山本一太議員「座間の事件はアニメの影響」発言を謝罪、小野田きみ議員「オタクに媚びた謝罪ではない」

山本一太議員のブログ
自民党の山本一太議員は、5日に出演した番組内での発言を謝罪した。
山本一太議員はフジテレビ系列の生放送「新報道2001」で、座間の9人死体遺棄事件について「(犯人は)現実の世界と妄想の世界の区別がつかなくなっている。最近、こういう猟奇的なストーリーのアニメなんかもあるので、すごく影響を受けている感じがする」と発言し、ネット上を中心に多くの批判を浴びていた。
11月8日のニコニコ生放送「山本一太の直滑降ストリーム@Cafesta」で謝罪の言葉を述べた後、日が変わった9日の未明に発言の経緯と心境をブログで公開した。山本一太議員はこのブログで「言葉を発した直後に、「ああ、これは極めて不適切な表現だった」と後悔した。」「アニメと犯罪が関係している具体的な根拠など何一つないのにもかかわらず…だ。」と、発言は真意ではなく「失言」であったとして、改めて謝罪している。
「新報道2001」での失言を猛省!〜全てのアニメ関係者、アニメファンに心からお詫びしたいこと|山本一太オフィシャルブログ「山本一太の気分はいつも直滑降」
この謝罪を受けて、同党の小野田きみ議員は、10回に渡る連続ツイートで自らの見解を述べている。
小野田きみ議員の見解
小野田きみ議員はアニメ好きを公言しており、ゲーム会社に勤務していた経歴の持ち主。
3月には、青少年推進調査会合同会議において、男性議員が「アニメなどの2次元が犯罪の要因」という趣旨の発言をしたことに対し、毅然とした態度で反論した人物でもある。
参議院小野田紀美議員「漫画をはじめ2次元を犯罪の要因としないでほしい。」 – Togetterまとめ
今回の山本一太議員の失言と謝罪に対して9日、連続10回というロングツイートで自身の見解を示している。
①先ほどRTさせて頂いた山本先生の件について、いくつか思うことがあるのでかなり長くなると思いますが通し番号で呟かせて頂きます。
山本先生は、クールジャパン推進特命委員会の委員長であり、自民党の中で日本のサブカルチャーコンテンツの発展のために力を尽くして下さる貴重な方です。→続く— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
②私は日頃から山本先生のお考えを聞いていたので、今回の発言についても、普段全くそういう解釈は示されていないし、何か間違えておっしゃったのだろうと思ってご本人にお伺いしたところ、やはり「言ってすぐ後悔した。そんな風には思っていない」という事で、ブログ記事が全てだと思います。→続く
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
③以前呟いたことがありますが、犯罪の原因を何かのコンテンツになすりつけることは愚か極まりない責任転嫁で、犯罪の原因も責任も全て罪を犯した当事者にある。というのが私の考えで、山本先生も犯罪の原因がコンテンツにあるなどという認識は持たれていない方だと思っています。→続く
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
④そして本題。今回の件での山本先生へのご批判と謝罪への一部のリアクションに対して、今後を危惧する思いがあります。例えば「オタクに媚びた」「オタク票の力に屈して謝罪した」等々のご意見。サブカルに理解を示した議員がいた時「票目当ての人気取り」と言う人がいますがそれも同様で……→続く
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
⑤はっきり言って、票目当てでそんなことする理由がありません。オタクに媚びる必要もないんです。今当選している選挙区選出の議員は、山本先生も含めオタク票関係なしに当選できている議員だと思います。全国比例もオタク票以外の組織で当選している議員は嫌われても痛くもかゆくもない。→続く⑥
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
⑥私も選挙区選出で、当選時は特に趣味を公表していない状態で当選していますし、サブカル業界のために働こうとするのは票のためではなく自分がこの業界で働いたりユーザー側だったため、サブカルという財産を守りたいという思い。そして政治家として全ジャンルのために頑張ろうという思いです→続く
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
⑦今国会の中で、サブカル業界にも力をいれるぞ!と頑張ってくれている他の議員の方は、ユーザー側だからというわけではなく、客観的に見て素晴らしい文化なんだね。大事にしなきゃね。という方が殆どだと感じています。そういう方々はとても、とても貴重なんです。→続く
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
⑧普段から自身や自政党を支援してくれている団体ではない業界、人のために働いてくれる貴重な戦力をキープし続けるのは難しい。だから、せっかく頑張ってくれている方々がうっかり何か間違ってしまった時、指摘じゃなくて全力攻撃をされると…メリットもないのに味方をしてくれる人はいなくなる→続く
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
⑨こんなご時世ですから、私達はサブカルをとりまく空気に敏感にならなくてはいけないのも事実。しかし、過敏に攻撃的になりすぎては味方を失ってしまうのではないかと…心配もしています。「オタク票目当て」とか「オタクに敗北した」とかそういうレッテルではなく→続く
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
⑩間違っているものは間違っていると冷静に指摘して頂きながら、敵を増やすのではなく理解者を増やしていける流れをつくっていけたなら…と、党内にもっと味方を増やしたい私は思って長文を呟いた次第です。猛批判も覚悟のうえ。長文失礼致しました。①~⑩終わり
— 小野田紀美【自民党 参議院議員】 (@onoda_kimi) November 9, 2017
普段の山本一太議員の活動を知っていれば、発言は真意ではなく「失言」だったと理解できるようだ。筆者の知る限り、山本一太議員は音楽活動をしたりネット番組に力を入れており、とてもアニメに偏見があるとは思えない。
とは言え、議員が生放送で軽率な発言をしたことは事実。こういった発言は、撤回しても事あるごとに掘り起こされる。挽回するにはもう少し時間がかかりそうだ。