
中道改革連合の分裂が決定、政党交付金の行方、1億円以上のクラウドファンディングの使途、これからできる新党の形など詳しく解説したいと思います。
中道改革連合の小川淳也代表が9日の臨時会見で、党の分裂と解体を発表しました。公明党出身者は離党して公明党へ復党し、立憲出身者も離党しますが、新党を結成し衆議院で公明党と会派を組む方向です。党としての中道は清算処理が完了するまで立憲出身者1名を残し、最終的には立憲系の新党と合流し消滅する見込みです。
中道改革連合は「新たな形態」への移行について5項目を挙げていますが、まずは小川代表の会見冒頭発言をご覧ください。政党交付金などの資金問題等は後ほど詳しく解説します。
政党交付金とクラファンの扱いは?
非常に分かりにくい抽象的な内容ですが、要するに事実上の解党で公明党と立憲系新党に分裂するが、国会内では衆議院で会派を組み野党第一会派の地位は確保するということです。
政党間移籍の法理上の制限など気になるところが満載ですが、まずは皆さんがもっとも気になっているであろう政党交付金の取り扱いとクラウドファンディングの問題から解説したいと思います。
まず、ほぼ投資詐欺と言われるクラウドファンディングで集めた約1億2千万円については、分配するのかどうかについては明言を避けています。選挙からの7か月間で発生した広報や運営費などの支払いに大部分が充当されてしまっている可能性もあり、残金の額なども明かされていません。今後も広報分野や政策立案、地域活動などに使うかもしれないということですが、やはり落選者を多く抱える立憲系新党に持ち出されるのではないでしょうか。
クラファンの募集ページには「支援金の使途については、活動報告を通じて定期的に公開し、透明性を持ってご報告してまいります。」と記載されていましたが、いまのところ定期的な報告もないまま党が消滅する予定で、その使途も金に色は付いていないということで、通常の党運営の中で溶けていってるとしか思えません。この収支報告も公明系と立憲系のどちらが責任を持つかが不明で、まさに投資詐欺です。
次に最重要案件と思われる政党交付金の取り扱いです。
一部では政党交付金を目的として中道を当面残しておくのではないかという憶測もありましたが、これは半分あっていて半分間違いと言ったところでしょうか。
まず政党交付金は法律上、分党や分割などがあると1月1日の起算日を待たず議員数に応じ再計算されるので、どこに交付されるかという問題であって、やり方によって誰かが得をするような仕組みにはなっていませんので、一部の自称識者が指摘する「ポッポする」などと自分の懐に入れるかのようなことはありえません。党を当面の間残しておいても個人の懐に入らないのは政治資金の基本で、ましてや二重取りなんて絶対にできません。
低俗で軽薄な悪口で耳目を集める人たちには軽蔑しかないわけですが、だからといって中道の政党交付金の取り扱いが適切かというと微妙なところです。
なぜなら中道改革連合は党を残して政党交付金を受ける理由について、選挙前にすでに20億以上あったとされる債務の返済を挙げています。事業者に対して支払いの分割のお願いをした残債がまだ残っていて、この7か月間で滞りなく支払ってきたが、年内までに完済したいということです。
税金が原資である政党交付金を、これからの政治活動に使わず、過去の債務を消化することだけに使うのは如何なものかという指摘も記者からあって、これについて小川代表は「踏み倒せというのか」と逆ギレしています。
払うものは払ってもらわないと事業者も困るわけですが、政党交付金のすべてがそれらの支払いに充てられる状況は、完全に経済的に破綻していて破産もあるのではないかという指摘もありましたが、これに対しては階幹事長が「破産してない、政党に対して失礼だ」とここでも逆ギレする始末です。
実際のところ未来への投資どころか運営のための支出もできない状況で、収入の全額が返済に回るとなると、会社であれば新たに銀行が貸付してくれなくなって倒産です。党はキャッチフレーズで「暮らしが先だ」と言いながら、民間事業者に分割支払いをお願いし税金から債務返済するという情けない状況で、国民を助けるよりも自分たちが助けられる側になっています。
政党交付金で借金返済は可能?
ネット上では、借金返済に政党交付金を充てるのは禁止されていて、違法ではないかという指摘もなされているようです。
公明党出身の伊佐進一議員が、この会見に先駆けて自身のチャンネルで「結党時の資金はゼロで、選挙終了時の時点で数十億円規模の負債があり、清算手続きをするために1名が残り交付金はすべて返済に充てる」という趣旨の説明をしたことが発端のようです。
9/9 今朝の伊佐さんのモーニングライブ
政党交付金のあたりの要約(※いさ個人の発言で党の見解ではない)■1月の結党時は資金ゼロであり、直後の選挙費用により数十億円規模の負債が発生している… pic.twitter.com/KzcBOC35x3
— トキミツ👟散歩対話 (@oyakookoo) September 9, 2026
これは伊佐議員の言葉のチョイスの問題で、小川代表の説明では金銭を借り入れたことへの返済ではなく、事業者との契約として分割払いを選択した残りの債務です。いわゆる残債であって借入返済ではないそうです。そもそも政党交付金を借金返済に充ててはいけないという法律の条文も解釈がいろいろあって、単純に条文そのままを読み取るわけではないという判例もあるようで、その目的が政治活動であれば事実上の借金返済は行われ認められています。
みんなでつくる党の大津さんが破産決定の抗告で、NHK党時代の立花氏の借金と返済をめぐって大騒ぎしましたが裁判所に完全に否定された事例と、既存政党が結党時や選挙前に多額の借金をして返済していることからも、一律に借金返済に使えないという解釈は誤りです。
とはいえ政党交付金が、こういう形で使われることは国民の理解が得られないというのも事実です。会見ではフリーの記者から、公明党や立憲民主党の繰越金から残債を支払えば、民間事業者に負担をかけることもないので、身内でどうにかできるだろうというドストレートな指摘も受けています。
余談ですが、一部で「みんなの党」が解党したときに多額の政党交付金を分配せず国庫に返納しているので、中道も返納すればいいという人がいますが、みんなの党は分党も分派もせず全員が無所属か、その後に個人で別の党に移籍をしているので、そもそも政党交付金を受け取っても分配を受けるべき議員が存在しません。交付金の再計算の対象ですらなかったわけで、あれはあれで返納しか道は無かったわけです。
中道の場合は分党もしくは分割となれば、法律上は返納ではなく再計算による分配となります。ただし、公明党出身者が年内に復党することは、個々人での移籍という扱いになって、来年の起算日1月1日の再計算までは全額が公明党ではなく中道に分配されるかもしれません。
政党間移籍の規制と解答の意味
最後になりますが公明党出身者が復党で、立憲民主党出身者が新党という別れ方ですが、これは参議院公明党が中道に対する距離感が統一されている一方で、参議院立憲の一部には中道の政策や理念に距離を置きたい議員がいたり、対応にグラデーションがあることが原因のようです。
分かりやすく言えば公明党が衆議院の復党で以前のような形に戻れることに対して、立憲民主党は衆議院の中道と参議院の立憲で法案賛否が分かれるなど、特に参議院側から現状では拒否されているということでしょう。
そうであれば公明党出身者だけが復党して、立憲民主党出身者で中道を継続すればいいわけですが、それでは公明党が単独で離脱したという悪いイメージが付くので、立憲出身者は新党を作ることで、共同会派を前提とした分党分派という形にしたそうです。
これは実に下らない理由であり、有権者を騙しているようなものです。
ちなみに法律上は公明党も立憲民主党も先の衆院選で候補者を立てず、衆院名簿届出政党となっていないので比例選出議員も移籍が可能です。一部では国民民主党の玉木代表に連絡を入れる議員もいたようですが、国民民主党は候補者を立てて名簿届出政党になっているので、中道の選挙区当選以外の比例議員は移籍できません。
もし移籍をするとすれば、無所属で国民民主党の院内会派に入って次の選挙で公認を受けるという流れです。このやり方は旧国民民主党を離党し除籍にされた議員が、旧立憲民主党の会派に入ったのと同じ手法です。小川代表は全員が新党に参加する方向で考えているようですが、国民民主党入りを模索する議員が出てくる可能性も否定できません。
とにかくお金の話はもう少し考え直した方が良さそうですが、党を残す理由が残債の支払いなのであれば、いますぐ分党するのではなく10月と12月の政党交付金入金を待って、債務をすべて整理してから分党でも解散でもすればいいわけです。それでも現状維持に展望が無いとして、何も決まらないまま分党と解散を決めるのは賢いやり方ではありません。
そもそも政党交付金を分割残債の支払いにすべて充てることで、新党の資金調達の目途はたっていないそうです。また最初から借金まみれになるのは確実です。
結党の時もそうですが、解党にあたっても見切り発車していると思うのは私だけでしょうか?



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