
新潟県知事選で現職がゼロ打ち圧勝、立憲・社民が推薦した候補はダブルスコアで大敗し、黒岩宇洋前衆院議員は不用意な投稿で大炎上中です。
自治体首長選で自民党推薦候補の苦戦や敗北が続く中で、どうしてここまでの敗北となったのか、関係者のショックも大きいようです。そのあたりは後ほど解説するとして、まずは黒岩前衆院議員の炎上が酷すぎたので紹介します。
問題となったのは、現職の当選が8時ゼロ打ちで報じられた直後の黒岩宇洋前衆院議員の投稿です。
現職は20万票減らしたが、投票率は5P減の45%。
確かに土田君は負けたが、我々県民も負けた。ご支援頂きました皆様、本当にお疲れ様でした。 pic.twitter.com/QJeMImF6CN
— 黒岩たかひろ🌾ふるさと新潟を守る🌾 (@kuroiwatakahir1) May 31, 2026
県民を分断、比較もおかしい
「県民も負けた」というのは、現職の花角候補に投票した人たちを県民とは見なさないという危険な発想で、県知事を県民全体の奉仕者として見ておらず、花角支持と不支持で県民を区別する愚かな投稿です。過去にもこういった不適切投稿で炎上した人が多く、いまさらこんなポカやらかすか?といった感じです。
落選したら有権者を批判するという横山やすしの「国民がアホや!」と同じで、これを政治家がやらかすというのは致命的でしょう。黒岩さんは落選中ですが現職だったらもっと炎上してます。
さらに負け惜しみの「現職は20万票減らしたが、投票率は5P減の45%」というのも、事実誤認も甚だしく、投票率が下がっているのだから現職の得票も下がるのは当然のことです。
比較対象もおかしくて、前回選挙は有力な対立候補のない無風選挙で、自民・公明・国民に加えて連合新潟まで現職の花角候補に推薦したことで70万票以上で圧勝しています。
比較対象とすべきは2018年に、自民・公明推薦の花角候補に対して立憲・国民・共産・自由・社民と連合新潟推薦の池田千賀子候補でオール野党が総力戦を繰り広げた選挙でしょう。
この選挙では当時の米山知事が不祥事により任期途中で辞職したことに伴うものでした。米山さんは自民党や維新に所属した過去がありますが、知事選では共産・自由・社民・新社会党・緑の党の推薦を受け、当時は民進党新潟5区前総支部長であったことから、民進党の幹部らも応援に入り激戦を制しますが、自身のスキャンダルで任期途中辞職ということもあって、前回応援した野党陣営には不利な戦いでした。
それでも池田候補の奮闘で情勢は横一線となり、結果的に負けはしたものの惜敗率93%と大接戦を演じています。
この時の花角候補の得票数が546,670票で今回は554,012票と微増しています。得票率に至っては49.61%だったものが66.92%と激増しています。第三の候補も今回と同じ安中聡候補で、この方の得票はほぼ変わりありません。
どの角度から見ても、2018年の池田候補のような戦い方はできていません。こういうところで素直に負けを認められから敗因の分析もできないわけです。
国民民主党と連合が対応分かれる
選挙最終盤には土田陣営が花角陣営を逆転する兆しがあるという真偽不明の情報が流布され、これをXがAIでニュースにしてしまうということもありましたが、むしろ序盤の予想よりも引き離されていたことは、結果を見れば明らかです。
自治体選挙で自民党推薦候補が苦戦しているからといって、今の野党が支持されているわけでもなく、特に評判の悪い中道改革連合と立憲民主党の色が強い土田候補に伸びる要素は無かったのかもしれません。
衆議院では立憲と公明が合流しているのに、公明党が今回も現職の花角候補を推薦していることなど、バラバラ感が否めません。
国民民主党も現職の推薦となりましたが、土田候補を推薦した連合新潟と対応が分かれてしまいました。結果を見れば連合新潟の中でも対応が分かれたのではないかと思いますが、こういうところでも有権者が候補者のスタンスを判断しにくい状況を作っています。
基本的に首長選挙は現職が圧倒的に有利なんですが、今回は花角県政が3期目となるので多選への批判もあり、新人がまったく適わないという状況でもありません。元は森ゆうこさんや梅谷守さんの秘書ということで、立憲新潟県連が擁立した候補ですが、状況的に立憲の色が良い方向に向くことはありません。そのあたりは共産党系や社民党系が上手に政党色を消しているのを見習ったほうがいいと思います。
新人のSNS運用が最悪だった
SNS戦略も完全に間違っていて、候補者本人のXアカウントがほとんど稼働していなくて、別にサポーターズのアカウントを立ち上げています。知名度もなく本人アカウントが過疎っているのに、アカウントを分けるメリットなどどこにもありません。このサポーターズアカウントと同じ人がInstagramも運用していたようで投稿内容はほぼ同じです。
これがまた酷くて、最終盤には候補者本人がほとんど登場せず、ひたすら知らないおじさんやおばさんの応援コメントが並んでいます。候補者本人の名前と顔も浸透していないのに、誰がどこから連れてきたのかもわからない、他の地域の自治体議員や落選して名前も覚えていないような立憲の元議員の応援コメントとか、何の効果があると思ったのでしょうか?
杉並区の岸本区長なども登場していますが、左翼臭がプンプンしているし、これを見て投票をしようという新潟県民がいるんでしょうか。しまいには元立憲民主党の初鹿明博さんとか、完全に裏方になった人まで引っ張り出しています。
こんなことをしている暇があったら、少しでも候補者の名前と顔を売ればいいものを、最後まで候補者の名前は浸透せず今でも「誰だっけ?」という印象しかありません。
YouTubeでも同じ投稿になっていて、驚いたことに1分前後の短い動画なのに横型の長尺動画と同じフォーマットで投稿しているので、プラットフォーム側からはスパム投稿くらいにしか思われていません。ちゃんと縦型のショート動画として投稿しないと、ショートフィードに流してはもらえないので、すでに支持してチャンネル登録をしている人にしか見てもらえません。横型のただ短いだけの動画は低品質の大量生産動画と判定され、おすすめ欄にも表示されず新規を獲得することはできないんです。
サムネイル登録すらやっていないので、本人が登場する動画でもサムネは車や景色が映っているだけで知らない人が見てクリックのしようもありません。どうしても候補者本人の名前と顔を売りたくないという固い決意すら感じるものです。
なんというか、やってはいけないネットのあれこれを全部詰め合わせたようなもので、野良でもいいんでSNSコンサルに事前指導をしてもらうべきでした。もしこれでお金払ってやってもらってるなら返金求めてください。
一方で現職の花角陣営はYouTubeチャンネルを選挙直前に開設していますが、イマイチ手が回らないのか早々に更新を諦めています。X、フェイスブック、インスタに注力しているようですが、下手に作りこまず候補者の素顔が見える効果的なSNSの使い方になっています。
新潟市西区の内野タイヤ前で街頭演説をしました。
お忙しい中、応援に駆け付けてくれた皆さま、本当にありがとうございました!#はなずみ英世 #新潟県知事選挙 pic.twitter.com/aZ507muqWI— はなずみ英世(新潟県知事) (@hideyohanazumi) May 30, 2026
Xで複数枚の写真と動画を組み合わせる手法も、なかなか分かっているなという印象です。意外かもしれませんが選挙ではフェイスブックが投票に行く層と支援してくれる層に届ける有効な手段で、花角陣営は写真のクオリティも高く見栄えも抜群です。
元から有利だった現職陣営が対策抜群で、挑戦者たる新人陣営が対策を打ててないなら、選挙結果もさもありなんでしょう。
SNSが全てではありませんが、有権者の情報源はSNSや動画共有サイトに移行しつつあり、支持者向けではなく無党派層に自分を売り込むためには必須となっていることは間違いありません。
その大切なSNSの使い方を間違って、しかも終わった後に選挙区選対本部長が炎上するなんて、もう救いようがないんじゃないでしょうか?


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