フェイクニュース「日本政府、未成年への「カメラ付きスマホ」の販売禁止を検討」元記事の読売新聞報道も不正確

マスコミ・報道



 政府が決定した青少年のインターネット利用に関する第5次基本計画について「日本政府、未成年への「カメラ付きスマホ」の販売禁止を検討」というフェイクニュースが流れている。ツイッター速報など複数のまとめサイトが匿名掲示板5ちゃんねるの情報をもとに掲載したものであるが、元記事の読売新聞にはそのような記述はない。


内閣府に取材、読売の記事も不正確

 読売の記事にはカメラ付きスマホの販売禁止など全く書かれていないが、信ぴょう性を与えるためソースとして利用されている。いわゆる「釣りスレ」にまとめサイトが釣られた形だ。元記事では「不適切な写真を撮影できない技術」とされているだけで、カメラ機能は使えるが不適切と判定される写真は保存も送信もできなくなるという意味だ。

不適切な「自撮り」できないスマホを…政府、事業者に要請 : 読売新聞オンライン
 政府は、青少年のインターネット利用に関する第5次基本計画を決定した。スマートフォンで裸の写真を送らされる「自画撮り」の被害が拡大していることを受け、不適切な写真を撮影できない技術をスマホに取り入れるなどの取り組みを事業者に促した。(後略)

 一方でこの読売の記事が正確化というとそうでもないようだ。内閣府の担当者に取材してみると、事業者に要請した事実はなく、記者とのやり取りの中で一部誤解があったようだ。基本計画の資料にもそのようなことは記載されていないが、記者からの質問は「3 家庭における教育・啓発の推進」「(5) 青少年の情報「発信」を契機とするトラブル防止のための方策の検討」の部分らしい。

基本計画・ガイドライン : 青少年有害環境対策|共生社会政策 – 内閣府
資料:基本計画(第5次)(PDF形式:473KB)
(5)青少年の情報「発信」を契機とするトラブル防止のための方策の検討(技術的保護
措置を含む。)
青少年の情報「発信」を契機とするトラブルに関する予防法等について普及啓発を進めるとともに、フィルタリングのカスタマイズ機能の改善及び情報「発信」に係るトラブル防止のために青少年を技術的に保護する措置に関する事業者の自主的な取組を促進する。

 この部分はあくまで「検討」の項目であって、不適切な写真を撮影できない機能の実装を事業者に要請したわけではない。この項目の具体的な内容を記者に問われ、一つの例としてAI技術などによりカメラ側が不適切と判定する機種がすでに存在し、そういった機能を保護者などが選択できればトラブル防止につながると説明しただけのようだ。現段階で事業者に要請はしておらず、これからの検討課題として「フィルタリングのカスタマイズ機能の改善及び情報「発信」に係るトラブル防止のために青少年を技術的に保護する措置」があり、これに続く文言は「事業者の自主的な取組を促進」となっている。

 AI技術などによる写真判定はSNSや動画投稿サイトでも採用されており、投稿後に検出された場合に非表示やユーザーへのペナルティの措置が行われる。こういった技術を端末側に実装すれば、そもそも写真保存も投稿もできなくなるため、有効なトラブル防止策として注目されている。

まとめ 完全フェイクと記者の誤認

 今回の誤情報の要点は以下となる。

➀まとめサイトは5ちゃんねるのフェイクに釣られた
(元記事に記載なし)
➁読売の記事は不正確で事業者への要請の事実はなし
(内閣府の計画書に記載なし)

 読み手側も内容を確認せずタイトルだけで信用する傾向にある。政権をイメージダウンを狙ったフェイクの可能性が高く、SNSの反応を見ても完全にトラップにかかっていることがわかる。

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