小野田紀美大臣「所管外です」唐突に放送法とテレビの偏向報道の質問をする記者に哀れみの目線【KSLチャンネル】

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 また小野田紀美大臣の会見で意味不明質問です。

 10日の小野田大臣の会見で、ジャーナリストの水間政憲氏が唐突に所管外である放送法の質問を行っていますが、とにかく何を言ってるかも不明で大臣も困惑しています。内容については後ほど解説しますので、まずは会見の様子をご覧ください。

放送法は欠陥法か?


 まずこの水間正憲さんという方ですが、一部では名の知れた方で中国や韓国との歴史認識問題では近現代史の分野で実績があります。テレビ局の偏向報道も昔から批判しているジャーナリストです。
 今回の質問に関しても自身のブログで説明しているようですが、申し訳ないが要領を得ず、総務省だけで対応できないという理由だけで、経済安全保障担当大臣に質問する意図は理解できません。
参考:■『小野田紀美大臣のアッと驚く「所管外!」三連発』【「水間条項」国益最前線ブログ】 – 【水間条項国益最前線】 近現代史研究家・ジャーナリスト水間政憲

 水間氏が主張するのは放送法第4条で定められた『政治的公平などの番組編集準則』が刑事罰の対象でないということですが、放送法の趣旨は放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図るとされているので、違反に対する刑事罰ではなく所管官庁による行政処分が主な対応となります。
 放送内容や表現に関して、明確に違反の線引きできるわけでもなく、そこに刑事罰を設定し行政指導よりも警察の介入が優先されるのは健全とは言えないでしょう。
 重大な違反に対しては行政が業務改善命令、業務停止命令、免許取消しまで行えるので、むしろ刑事罰で部分的に罰するよりも重い処分が下せる仕組みにはなっています。

 一方で、放送法が求める「政治的に公平であること、報道は事実をまげないこと、意見が対立する問題は多角的に論点を明らかにすること」というものが、量的公平性よりも質を優先するもので、特定の番組の偏向だけを持って処分の対象にはなり得ないという問題もあります。
 例えばTBSの『サンデーモーニング』や『報道特集』がどれだけ偏向して一方の政治勢力を貶めたとしても、他の番組や放送にかかる事業の全体が問題であると認定されない限り総務省は手を出せません。
 テレビ朝日の当時の椿貞良報道局長が、政権交代のために偏向報道するよう指示したとされる椿事件でも、実際に政権交代が行われても関係性が断定できず行政処分は行われていません。こう考えると放送法が実質は行政処分も不能な欠陥法であるという水間氏の主張は間違っていないでしょう。

 またBPOにも言及していますが、これは放送事業者が任意で構成する団体で、番組単体に対する影響力がありますが放送事業そのものにはなんら影響のないものです。審理される内容も人権や倫理に関するもので、政治的公平性に関するものは皆無で、あったとしても一部の保守思想的な主張が差別だと糾弾されるくらいです。

所管外質問が横行する大臣会見

 水間氏の言ってることは概ね正しいわけですが、記者会見という限られた時間のなかで、あまりにも唐突で要領を得ない発言は誰にも理解されません。ましてや経済安全保障に無理矢理結びつけるのも、ことの本質から論点がズレるだけで賢明なやり方ではありません。

 記者会見での質問作法としても残念なもので、自己主張すらまとめられておらず質問の最後が問いで終わらず、小野田大臣からも「意見表明ですか?」と問いで返されているのは、ジャーナリストとしてはかなり恥ずかしいことです。本来はこれまでの活動内容から、保守系に応援されるタイプのジャーナリストですが、ちょっとこの話し方で理解を得るのは難しそうです。

 小野田大臣の知名度と人気から、フリーのジャーナリストが所管の官庁ではなく小野田大臣の会見で目立とうとする風潮もいかがなものかと思います。小野田大臣の塩対応は昔からのことで、別に悪意があるわけではないですが、的外れな質問に対する「所管外」が切り取られ、まるで小野田大臣の態度が悪いかのような評価もネット上にはあるようで、悪いループにハマっているような気がします。

 記者会見に関しては全編を見ていただくのが一番いいのですが、切り抜きの拡散は止めようもないので、こうやって趣旨と要点を解説していくのもアリかな?と思っています。

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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