colabo会計問題追及での注意点!調査の過程を公表する危険性とその理由【マガジン200号】
10代女性を支援しシェルター・シェアハウスなどを運営する一般社団法人「colabo」の会計を巡り、疑義があると指摘する暇空茜氏に対して、colaboの代表理事を務める仁藤夢乃氏が弁護団を結成し名誉棄損の訴えを起こすという泥沼の展開となっている。
ここで間違ってはいけないのは、暇空氏の指摘する「疑義」の全てが名誉棄損として訴訟沙汰になっているわけではなく、その過程でネット上に投稿された内容の一部に事実ではないことが含まれるという訴えであることだ。colabo側は会計にやましいことは一切ないと主張しているが、疑義が生じてそれを指摘したこと自体を名誉棄損としているわけではない。一部の支援者が、会計に関する疑義を追及することをストップさせる目的なのか、まっとうな指摘と誹謗中傷を同列に扱っているのも気になるところだ。
この問題を指摘している暇空氏は、当初から訴訟を提起されることも恐れることなく突っ込んでいるわけで、その覚悟と勇気が称賛されカンパも数千万円集まるのは理解できる。
その一方で、ここぞとばかりに仁藤氏や関係者を叩いてやろうと躍起になっているアンチフェミなどが、どれほどの覚悟でこの問題に言及しているかは疑問が残るところだ。暇空氏が提示をしていない疑惑を想像でツイッターに投稿したり、汚い言葉で罵倒している人までいる。
調査の過程は公表してはならない
暇空氏の行動は大きな反響を呼び、政治家までも動き始めている。ネット上ではcolaboと関係する団体や交友関係にまで批判が拡大しているが、この人たちがどれほどの裏取りをしているかは甚だ疑問で、そこで言及された人物や団体に訴えを起こされる危険性を考えているのだろうか。
筆者も政治家や活動家の疑惑について調査して記事を書くことがあるが、原則として最終段階まで調査内容や過程は一切公表しません。既存のマスコミも、報道内容に関する問い合わせには「取材の過程はお答えしません」と必ず答える。一部で逃げ口上として利用しているマスコミもあるが、ある意味で調査や取材をする者にとっては、その過程を公表しないことは鉄則のようなものです。
少しでも経験のある人なら理解できると思いますが、ネット上で嬉々として調査過程を公表している匿名アカウントなどは、その危険性を理解していないものと思われる。匿名で誰かを追い込もうなど考えが甘いので助ける気にもならないが、会員様には失敗をしてほしくないので説明をしておく。