【重大な違反】立憲・くにともさよ候補に違法な選挙広告疑惑!選挙管理委員会が対応も本人は説明責任果たさず選挙活動継続【KSLチャンネル】

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 立憲民主党岡山県選挙区の国友彩葉候補の陣営が、違法な有料インターネット広告を出稿している疑いが指摘されています。
 同様のケースでは2年前の江東区長選で違法なネット広告が指摘され、当時の区長が起訴され懲役1年6カ月、執行猶予5年の判決を受けています。今回の疑惑については、広告には出稿の仕方に不可解な点が多く、その内容と公選法の微妙な解釈について解説したいと思います。

 今回問題となった国友陣営のネット広告は、公職選挙法で認められる政党支部の広告の体で配信されていましたが、候補者の顔と名前が強調され支部の活動ではなく候補者個人のPR動画のような印象を受けます。

選管が口頭注意で取り下げ


 このYouTube広告は、岡山県内在住者をターゲットに配信されたものとみられ、自民党岡山県連に多数の意見が寄せられたことで問題が発覚しました。県連は自民党本部と弁護士に相談の上、岡山県選挙管理委員会に当該動画を照会したところ「候補者の顔画像、氏名が画面の大部分を占めているため、違法な広告と認められるおそれがある」との回答があり、即座に選管が国友陣営に口頭注意し広告は取り下げられたということです。


 国友陣営が支部名義で出稿した広告は、自民党を含め複数の政党が似たようなものを出していますが、選管が選挙中に口頭注意するという対応が行われたということは、国友陣営の広告が他とは違いガイドラインに即していないという判断がなされたということです。

類推されるだけでも違反

 平成25年の公職選挙法改正でインターネット選挙運動が解禁されたわけですが、そのときに有料インターネット広告の規制として「候補者・政党等の氏名・名称又はこれらの類推事項を表示した選挙運動用有料インターネット広告」は禁止と規定され、またそれらの禁止を免れる行為も同様に禁止されました。この「禁止を免れる行為」というのは、グレーゾーンとか申し訳程度の誤魔化しも違反とみなされるということです。ただし、政党やその支部については「選挙運動期間中、当該政党等の選挙運動用ウェブサイト等に直接リンクした有料インターネット広告」が認められています。
参考:改正公職選挙法 ガイドライン 総務省[PDF]

 国友陣営の広告はこの政党支部に認められる広告として出稿されていますが、政党支部の活動とは見えない候補者の顔と名前が強調された候補者個人の選挙運動とみなされる可能性が指摘されています。
 総務省のガイドラインでは、の支部長の氏名や写真を表示することのみをもって直ちに選挙運動性を有するとは断定できないとされていますが、その支部長の紹介方法としてはあくまで支部を強調するバナー広告のデザインが例示されています。


 国友陣営の広告サムネイルはこれに該当せず候補者の名前と顔が殊更に強調され、視聴したものが選挙運動の広告と捉えるのが通常でしょう。実際に今回の参院選で岡山県に何度か入りましたが、他陣営もこの広告を禁止された選挙運動広告ではないかと疑問視していました。

 選管は提示された広告動画のサムネイルを問題視しているようですが、内容も政党支部の活動とは思えないものです。

テーマソングは候補者個人のもの

 動画の内容は、国友氏が映し出され政党支部のイメージは皆無です。動画内ではテーマソングも流れていて「くにともさよ」のフレーズが確認できます。支部長をテロップで紹介することは問題ないんですが、支部のテーマソングを作るにあたって支部長の個人名が入るのはやり過ぎです。例えば会社の歌、社歌に創業者の名前が入ることはあっても任命された雇われ社長の名前が入ることはありません。
 少なくともこのテーマソングは国友氏個人の宣伝であると言えます。岡山県での取材でも、県内在住者から「くにともさよの歌」として記憶しているという証言を複数得ています。
 ちなみに動画タイトルになっている「岡山から政治を動かす」は国友陣営が選挙運動で使っているキャッチフレーズでもあります。
動画再生数は出稿停止になるまでに、65万回も再生され多い時には1日10万回も再生されていることが確認されています。指摘が無ければ最終日まで配信され総額はかなりの金額になったものと思われます。

選挙運動でも当該動画を利用

 この広告動画は公示後の7月4日に国友氏の公式Xアカウントで、選挙運動として利用されています。17日のはこの投稿をリポストしており、動画内容が選挙活動である認識はあったものと推察される。分s尿からして政見放送動画と錯誤したということでもなさそうだ。

チャンネルは広告専用に立ち上げか?

 また広告出稿しているチャンネルには不可解な点があります。
立憲民主党岡山県参議院選挙区第1総支部 – YouTube
 このチャンネルは従前からの政党支部活動ではなく、選挙直前の6月16日に登録され投稿されたのは7月1日の問題となった広告動画のみです。公示日の2日前に動画投稿が開始された理由は、参院選候補者の宣伝広告目的である強い疑いがあります。
 従前から支部としての活動があったわけではなく、公示2日前に候補者名と顔が強調された動画だけを投稿して「支部の活動」と主張するのは無理があります。
 候補者の個人アカウントからは出稿できないので、支部カウントを立ち上げて選挙中に広告を出すのは珍しいことではないですが、選挙前は立憲民主党岡山県総支部連合会のチャンネルで宣伝動画を投稿していたのに、わざわざ選挙区支部チャンネルを立ち上げ登録者は5人、66万回再生で高評価をあらわす「いいね」は7件という惨状からして、候補者広告のためのチャンネルであることが疑われます。

投票呼びかけなくとも違反の可能性

 この問題は選管の口頭注意だけで通信社や新聞社が問題を報じていることから、内容的にマスコミ目線でも違法の疑いが強いということでしょう。国友さんには何度も取材でお会いしてますが、こういうズルを考えるタイプではなさそうなので、老獪な誰かが主導してグレーゾーンを狙ったのでしょう。
 ただし公選法では明示的でなくとも仄めかしやイメージさせる「類推」という概念があって、違反を免れるための誤魔化しも禁止されています。
 江東区長選での違反広告は投票を呼び掛ける文言が含まれていたため、問答無用で有罪となりましたが、法の趣旨としては「投票呼びかけをしてはならない」というものではなく、あくまで候補者の選挙活動として広告を掲載することを禁止したものです。

説明責任果たさず逃げ切り投票日へ

 国友さんは良い人なんだと思いますが、選管から指摘され報道もされているのに、何も説明することなく党幹部や連合会長の岡山入りを嬉々として宣伝しているのは、政治家として正しい振る舞いなのかと残念に思います。
 こと自民党の疑惑に対しては疑われた側に説明責任があるとして、想像と決めつけによる糾弾をする立憲民主党が、いざ自分たちに向けられた疑惑に対しては何も説明せず、選挙が終わるまでやり過ごそうという姿勢は矛盾そのものです。
 昨年の衆院選では、不記載がまったくなかった岡山4区の対立候補を「裏金を作っている」「うちは選挙カー1台だが相手は大名行列ならぬセレブ選挙」と全く事実と異なることを演説で話して刑事告発までされた立憲民主党の岡山県連の人たちが、今回も政治の信頼を取り戻すとアピールしながら自ら疑惑の目を向けられる対象になって逃げているのはどういうことでしょうか。

【運営・執筆】竹本てつじ【転載について
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